2019年3月3日日曜日

300万円のマイホームを購入する! 後編




 さて、前回に引き続いて「300万円の一戸建て」を検討するときのポイントシリーズの続きです。書ききれなかったことをさらにいろいろ考えて書きます。



①別荘地、ってどうよ?!

 300万円ぐらいの物件がよく出る地域に、「別荘地」というのがあります。市街地から離れていて、たいてい山の近くにあります。バブルの名残とも言ってよいジャンルで築30年~20年くらいの物件もたくさんあります。

 こういう物件は、普通の不動産会社でひっかかる場合もありますが、リゾート専門の不動産屋さんが扱っている場合も多いので、ちょっと調べてみてくださいね(^^

 最近、僕の知り合いも別荘地におそらく300万円前後で家をお買いになりました。(中古の高級車一台分ぐらい、とのこと)

 ただ、その方は、阪神間にふつうの一戸建てを既に持っておられる方なので、「ほんまに別荘」として使うみたいです(笑)仕事を引退なさるそうなので、田舎で悠々自適で暮らして、好きな時に好きな方に滞在する、という羨ましい使い方ですね(^^

 定年などでリタイアなさる方が、別荘物件を買うのもいいと思いますが、ほんとに足腰立たなくて、買い物やら病院やらに自力で行けなくなる「後期高齢者」になると話が変わります。ですから別荘地は、定年後10年程度のスパンでかならず見直さなくてはならなくなります。

 若い方で、アーチストなので工房が欲しい、といった方や、ものづくりをしていてど田舎むらでもOKという方は、積極的にそういう物件を探している人もいるでしょう。

 ただ、家族構成によっては、学校が遠いとか、いろいろな問題が出ます。




②300万円のおうちをリフォーム?!

 300万円物件というのは、だいたい築30年以上です。昭和50年代に建てられた、とかならまだましかもしれません(^^;なので、ある程度手直しが必要になることがほとんどです。

 いわゆるリフォームですが、業者さんに頼むと、本体並みにお金がかかるので、基本はDIYで自分・家族でやりましょう!!!

 キッチン流しの取替え、壁塗り、柱などの塗装、フローリングの張替え、襖障子の張替え、ぐらいは自力必須です(笑)

 もちろん、自分でできないこともあって、トイレ改装や風呂改装などはやはり業者さんにきてほしいところ。
(中にはトイレくらいは自分でやる人もいます) しかし、それも和式から洋式に変えるとか、風呂をユニットバスに変えるとか、大掛かりなものを業者さんに頼みます。

 タイルの手直しとかぐらいなら、自力じりき!

そして、ここからが本当に大事なことです。

 築30年超えの物件で最初に気をつけなくてはならないのは、地面と基礎と構造に問題がないかどうかです。

 地面・・・擁壁チェック!高台や盛り土の上にある家の場合、30年前の擁壁はたいていアウトです。石積みだけの擁壁や、古いよう壁の場合は、隙間から染み出している水の跡なども注意です。ブロックを横から見て、ゆがみが出ているなども避けたほうがいいと思います。地面そのものは、ぱっとみ判断しにくいですが、じめじめ水気が多いような土地は、柱を腐らせている場合があります。
 
 基礎・・・当時の基礎は、ベタ基礎になっておらず、布基礎やただ石を置いた基礎の物件もあります。基礎コンクリにひび割れがあれば、基礎そのものが痛んでいます。水がずっとかかって変色しているような基礎も注意です。

 構造・・・専門家でない僕らが、構造の痛み具合を判定するのは難しいですが、概観をよく見るだけでも、ずいぶんといろんなことがわかります。外や中から見て、垂直線が出ていない柱があったり、一部だけサッシの開け閉めがきつい箇所があったりしたら、土地に「不同沈下」が起こっていて、敷地の一部が沈んでいます。屋根瓦のズレ、ワレ、外壁材の様子、モルタルのワレ(ここから水が入り雨漏りとおなじ動きをします)なども注意。家の内部で、床などがふにゃふにゃする箇所があれば、下に湿気が来ていてシロアリさんが先に住んでいます。天井板にシミがあれば、いつもでなくても大雨時に雨漏りした証拠です。

 そして、大事なことは、300万円の物件の大半は、「何かあってもこういう物件だから勘弁してね」的な契約になることがほとんどです。現状有姿とか、瑕疵担保がどうのこうの、とかそういう語句が並んでいたら、たいていそういう意味です。

 そのほか、古い物件には土地境界の問題とか、いろいろ調べることがたくさんありますが、家を買ったあとには、「宅建」に挑戦できるくらい知識が増えると思います。

 そうした知識ナシに、その物件を買ってしまったあなたは、騙されているようなもんです(^^;;


 ちなみに、すっごい細かいことですが、実例を挙げておきます。

 たとえばある築20年の中古物件を買われたおうちは、他はなんにもトラブルなかったのですが、家の外にある下水の流れてくる「コンクリ枡(マス)」だけがヒビが入って水が漏れていました。

 まあ、これが割れていても、流しの水のうち少しが地面に帰ってゆくだけのことなのですが、やっぱりそこだけ廃液がこぼれているのは気色悪いし、よく見ると、その周辺だけ土地がすこし下がっていたりしました。まあ、良いことではないですね。

 もちろん、直してもらって契約したのですが、大事なのは、「マスのフタをあけてみる」くらいの注意深さがほしい!ということです。そして、「あれ?このマスの中の水、横についてる水位の跡と比べてなんで低いんだ?」と思う不思議を感じる力がほしいです。


 古い中古物件は、面白い発見がいろいろあります。大事なのは、学ぶ力かもしれません。





(オリジナル 2011/12/10 ヤフーブログ終了に伴う再掲)

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