2019年3月3日日曜日

300万円のマイホームを購入する! 前編



 みなさんこんにちは 寒風吹きすさぶ関西地方ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

懐も当然寒いヨシイエです(^^;

 ありがたいことに、「300万円で中古戸建を買いたいんだけど・・・」というご質問をいただきましたので、僕なりに一生懸命考えてお答えしたいと思います。

 300万円で中古戸建、ということばは簡単ですが、実は奥深いです。
ここで取り上げている議論は「とっかかり」みたいなものですから、みなさんも自分ならどうしようかな?と考えてみてくださいね。


①商業ベースに乗っている300万円と口コミベースでの300万は違う。

 まず、不動産サイトや情報誌に載っている物件というのは、どうしてもある程度の金額以上の価格のものがメインです。本音で言えば2000万以上の物件だけ扱いたい!でも、現実的には1000万円以上の物件「も」掲載しようかな、ということになります。

 逆に1000万円以下の物件は、情報を扱っても、同じ手間をかけても、仲介手数料も少ないし、コスト高になります。だから、不動産屋さんにとってはエネルギーを注入する必要性が薄いわけですね。

 なので、まず300万円という低価格物件は、商業ベースでは出てくる件数がほとんどない、ということを覚えておく必要があります。その代わりに、「300万円ぐらいで売ってもいいかな」という、持ち主が勝手に思っているだけだったりの「口コミベース」の物件は意外に眠っていることもあります。

 僕の知っている事例で、とある築30年ぐらいの一戸建ての前で作業していると「このおたくいくらぐらいで売ってくれるんかねえ」と犬を散歩させながら尋ねてくるおばちゃんがたまにやってくる、という場面があります。

 つまり、そのおばちゃんは口コミベースで「安くて買えそうなら、考えようかな」と思っていて、そういう話が不動産市場には上ってこないわけです。


 さて、商業ベースに載っている300万円の物件は、ぶっちゃけ建物はノーカウントで、土地の純粋な値段であることが多いです。それも古家付きであることから、本来なら更地にして売りたいところですが、解体費用を先に負担して仮に400万とかで売るなら、どうせ儲けもないから、どっちゃでもええわ、というので、そのまま売りに出しているわけです。

 口コミベースの300万円は、市場価格とは離れたところでの値付けですから、極端に安い場合もあるし、そうでない場合もあります。「トイレ改修に最近150万かけたから、その分は元を取りたい」とかいう、査定無関係の感情価格だったりもしますから、こちら側にきちんとした知識が必要です。


②都心の300万円と郊外の300万円と田舎の300万円を見極める。

 住む場所によって、300万円の価値は大きく違います。ど田舎村では、300万円で本格古民家、畑付きが買えますし、郊外なら、ちょっと街の中心から離れた、はぐれ分譲地の一戸建てが買えることもあるでしょう。

 都心で探せば、車がやっと通れるくらいの(しかし、以外に徒歩は便利だったりする)、狭い道に長屋状態でくっついてる建物の一軒分だけ、みたいな感じです。ビフォーアフターに出てくる「〇〇に困る家」とかそんなイメージですね(苦笑)

土地の広さで言えば、ど田舎だったら500㎡とかでも、郊外で100㎡、都心で50㎡とかになるので、価値の尺度そのものが違いますね。


③300万円をどう食いつぶすか?

 3000万円なら、「一生モノの家」と思ってしまうのも当然ですが、300万円ですから、その価値をどう食いつぶすか、減価償却してゆくか、をイメージしておきます。

 3000万円なら30歳で買って、80まで残り50年もたそうと思いますが、その10分の1ですから、理論上5年持てばいいんです(笑)

 もちろん、その家がダメになった場合の次の一手も頭の中に置いておきます。

 たとえばこんな感じです。300万円を月5万円でざっくり割ると、60か月(5年)です。5年間月5万の家賃を払って住んでいるのとおなじとすれば、5年後には、賃貸では何も残りませんが、その家を購入していれば最悪土地が残っています。

 このとき、100万円で解体しておなじ300万円(もともと、売値の300万とは、ほぼ土地の値段オンリーです)で売りに出せば200万円手元に残ります。あらためて賃貸に住んだとしても、おなじ生活で勝手に200万円貯まる計算になるわけです。(あくまでもざっくり理論上ですよ!)

 こんなふうに5年処理で、家と向き合うこともできるし、もう少し長いスパンで見てもかまいません。しかし、都心の300万円物件でその土地に建て直す、というのは現実問題厳しいと思います。だったら更地にするまでは計画に入れておいて、駐車場にして貸すとか、隣の家に売りつけるとかそういう視点も必要ですね。

 そういう意味では、長屋物件は避けたほうが無難です。どれだけちっちゃくても、独立した建築物であることは必須です。


④300万円という数字にこだわらない。

 以上のようなことを考えると、たとえば300万円の物件と500万円の物件の微妙な差が見えてくるようになります。一見安くても、将来的に「つぶしがきかない」物件である可能性もあるし、あと少し足せば「こういう使い方ができそう」という大きな差になることもあります。

 このへんは、2300万円の物件と2500万円の物件は、ほとんど差があるわけない!のに対して、もともとが300万と500万の違いには、意味があります(^^

 なので、300という数字だけにこだわらないで、すこし幅をもって見ることがポイントです。

 ちなみに、僕の住んでいる中古一軒家の価格は売り出し1780万くらいで、価格改定1380万、最終980万でしたから、(だいたい1年~くらいの間に価格が変わった)額面そのものをあてにしないことです。

 500万の物件を内覧しておいて、なにかの拍子で、売主の事情次第では300万でもいいわ、と言われることだってあるからです。


以上ざっくりですが、まずはこのへんから考えてみましょうか。




(オリジナル 2011/12/9 ヤフーブログ終了に伴う再掲)

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