2022年3月14日月曜日

【セルフヘアカットレシピ】 バリカン・セルフカットの実例 40㎜ショート

 

 

  以前は、前髪が長いスタイルのセルフカットレシピを紹介しましたが、今回は、それよりも短いスタイルに挑戦です。

 

 

(前回) 前髪~頭頂部を70㎜~60㎜で残したスタイル

 https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2022/02/blog-post_11.html

 

 70㎜や60㎜で残すスタイルは、ショートではあるものの、「長髪」ぎみです。サイドは後ろは長髪ではないけれど、前髪はしっかり分けて流せる感じですね。

 

 このスタイルを実現するには、Panasonicさんの機種だとカットモード「ER-GF81」や「ER-GF80」などの、ロングアタッチメントが入っているセットじゃないととしんどいです。

(もちろん、手動で前髪を切る場合は、ロングアタッチメントなしでもいけます)

 

 そこで、中位機種の「ER-GF71」や「ER-GF70」などのセットでもスタイリングできる、

 

  40㎜以下ショートスタイル

 

を実際にやってみたいと思います。

 

 これだと、20㎜~40㎜の短いほうのスライドアタッチメントしか使いません。

 

 

<レシピ>

 

1) 前髪から頭頂部

 

 40ミリアタッチメントで、前髪から頭頂部までざくざく刈ります。

 すべての頭髪を40㎜以下に仕上げますので、サイドや後頭部も40で刈っておいてかまいません。

 40ミリだと、眉毛位置よりある程度上に前髪が上がります。一週間後くらいには、前髪が分けられるようになる感じですが、切った直後は「かわいらしく」仕上がってしまいます(笑)


 

2) サイド

 


  サイドも40㎜で刈っています。次のうしろ部分とも関係してくるのですが、「40ミリ→30ミリ→20ミリ→10ミリ」と段階的に落としてゆきます。

 

 

3) 後頭部からエリ足

 


 感覚としては「40→30→20」で首筋に向かって減らしていこうかな、という雰囲気でまず刈ってみて、「すそ・えり足がまだ長いなあ」と思えば、もう一段階減らしてゆく感じです。

 耳のラインから1センチ上くらいの幅をイメージして、そこから40mm、30mm、エリ足すそは20mmという感じで、段階的に落としています。

 最後に、一番したの生え際部分に近いところを10㎜でちょい刈りします。もみ上げ、耳裏、エリ足などを10㎜で刈っておいて、もさもさ感がいやな人は、最後の最後に、9㎜や6㎜などで仕上げてもOK。

 

4) 耳まわり

 

 Panasonicさんの現行品には「耳まわりアタッチメント」がついていますが、それがない機種や他社製の場合は、10㎜のアタッチメントをつけて、耳周りをぐるりと刈ります。

  前からと後ろからと半円を描くように刈ります。

 

 耳まわりアタッチメントは「一気に刈れてしまわない」ので、何度も刃を入れる必要がありますが、このアタッチメントを使わない場合は、比較的シュパシュパ刈れてしまうので、ゆっくり丁寧に、状態を見ながら刃を入れてください。

 

 昔のスキカルなどの説明書では、耳まわりはアタッチメントなしで、カリカリに刈れ!みたいな解説が載っていましたが、それだと、耳まわりがシャキーンと刈れてしまいます。

 

 おそるおそる10㎜ではじめて、もっと切りたい場合は6㎜とか3㎜に下げてゆくのがいいと思います。

 耳まわりアタッチメントの場合も、10㎜くらいに揃うように出来ている感じです。

 

 

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 というわけで今回のレシピでは、すっきりふんわりショートに仕上がりました。

 

 前髪をどうしたいか、というのは好みによって大きく分かれるところだと思いますが、前髪はぎりぎりまで残しておいて、サイドと後ろはこまめにカットして現状の髪型を長く維持する、という使い方でもよいと思います。

 逆に今回の写真で、前髪も40ミリで刈ってしまうと、こんな感じになるよ!ということがわかっていただけたと思います。

 


 ご参考に!



* 髪型は個人の理想がそれぞれ大きく異なるので、今回のレシピはあなたにとって望ましい髪型を保証するものではありません。

  それぞれのアタッチメントの使い方、数値はあくまでも参考としてご利用ください。

「つるっぱげになったやないか!」と言われても記事主は責任を取れませんのでご了承ください。

 

 

 

 

 

2022年3月9日水曜日

ナショナル/パナソニックのバリカン 「カットモード」の歴史が面白い!

 

 まいどおなじみ「バリカン沼」に落ちてしまっているヨシイエさんのたわごとのお時間です。

 

 バリカンの面白さ、セルフヘアカットの面白さに目覚めてしまったヨシイエさんですが、実はバリカンなんてものは昔からあるものの、実用的なセルフカットができるようになったのは、比較的最近であることがわかりました。

 

 もちろん、丸刈りや、カリカリのボウズにする人は、昔ながらの電動バリカン・ナショナル「スキカル」なんかでも十分セルフカットができたと思いますが、ちょっと複雑な髪型だと、やはり、 おなじナショナルでも


 カットモード


あたりの登場を待たないと厳しかったのではないか?と思います。

 

 そもそも、中年以上なら松下のバリカンと言えば「スキカル」だったわけですが、その周知されたネーミングを捨ててまで、「カットモード」に切り替えたのには、なにか訳がありそうですね。

 

 ただ単に「刈る」「スく」以上のことができるようになったので「モード」と名づけたのかもしれません。

 

 では今回は、ナショナル・パナソニックの「カットモード」の歴史を振り返りながら

 

「現代バリカンの進化のすごさ」

 

について読み解いてゆきましょう!

 

 

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◆ スキカル ER501 (このあたりまでは、まだ「スキカル」だった)

  https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER501.html

 

  いわゆるスキカルシリーズの最終に近いラインナップです。カットモード前夜ということで紹介します。

 この頃までのスキカルは「刈り/スキ」が真逆のスイッチで切り分かれていました。まさに「スキカル」の名前のとおり、2つの機能があったわけですね。

 

 

 ◆ スキカル ER505

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER505P.html


 まだスキカルです。しかし、「刈り/スイッチ」の反転がなくなりスイッチは統一。その代わり「スキ刈りアタッチメント」になってゆきます。このスキ機能のアタッチメント化で、次の世代のカットモードへの進化が飛躍するのです。

 


◆ カットモード ER507 (このあたりからカットモードへ)

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER507P.html 

 


 

 もしかすると順序は多少入れ替わるかもしれませんが、このあたりから「カットモード」らしい機能変化があります。

 それまでは、「刈り/スキ」しか機能がなく、ちょっとだけ別のアタッチメントをつけることでスポーツ刈りに対応したり、丸刈りに対応していたのですが、このER507は現代と同じコンセプトである「(ロングな)スライドアタッチメント」が差し込めるようになりました。

 この機種では、10ミリ~40ミリの長いカットができるようになっています。スキ刈りは、アタッチメント方式です。

(ER326 セルフヘアカッターが派生機種です。)


 

 

◆ カットモード ER504/ER508/ER509 (現行機種の直系先祖)

 https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER509P.html 

 https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER508P.html

 https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER504P.html

 

 


 現行機種のご先祖に当たるものです。504・508・509と三機種並んでいますが、これも現行の3機種揃えに繋がります。

 509のほうが上位で、60ミリ対応のロングなスライドアタッチメントがつきます。508は40ミリまで。504は、ロング系のアタッチメントがついていません。

 三機種とも「washable」になり、洗える防水機能を搭載。これも現行に繋がります。

  ただ、すこし注意が必要なのは、この頃はアタッチメントが少し迷走しているため、真ん中のER508には「刈り高さアタッチメント」が全部入っているわけではなく、1個しか付属しなかったりしています。

 ER509のフルセットだと、「ロング1(40~60)」「ロング2(10~30)」「スキ」「刈高さ1」「2」「3」の合計6つのアタッチメントが入るのですが、下位機種では省略があります。

 スライドアタッチメントもちょっと不思議な構成になっていて、

 〇509 → 40~60 10~30 の2つ

 〇508 → 10~40

という仕様です。つまり、この時は508と509とでは、入っているアタッチメントが全部違うのですね。

 それが現行機種では、「おなじアタッチメントを使い、入っている数が違う」という風に変わっています。



◆ カットモード ER5204/ER5208/ER5209

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER5209.html 

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER5208.html 

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER5204.html 



 以前のシリーズと比べて、(ロングな)スライドアタッチメントが10ミリ長くなり、「50~70ミリ」「20~40ミリ」に変わりました。ER5209が上位で、アタッチメント数が減ってゆくのは、前回とおなじ。

 5209・5208は、「70㎜ロング(スライドアタッチメント)」が入っているかどうかだけの違いで、それ以外は同じです。

 このシリーズの売りは、すべてに「ナチュラルアタッチメント」がついてくること。

 旧スキ機能と似ていますが、もっとバラけさせてスク長さを散らすことができるようになりました。

 スキ刈りアタッチメントと、ナチュラルアタッチメントは、同じような目的があるのですが、使い方が逆なので、注意は必要です。

 ◆ スキ刈りアタッチメントのときは、上からなでるように髪表面を下ろしてゆく

 ◆ ナチュラルアタッチメントは、ロング系とおなじように、下からかきあげる

という使い方で、真逆です。

 

 

◆ カットモード ER-GF80/ER-GF70/ER-GF40

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF80.html 

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF70.html 

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF40.html 

 

◆ カットモード ER-GF81/ER-GF71/ER-GF41

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF81.html

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF71.html

https://panasonic.jp/haircut/p-db/ER-GF41.html 




 このあたりが現行機種です。へんてこな話ですが、80/70/40系と81/71/41系は中身は同じで、型番のみ更新とのこと。

 なので、実質この6機種は本体は全部いっしょです。

 前回の5209/5208の「フタが開く」バージョンとでも言いましょうか。以前も水洗いOKだったのですが、フタが開いてさらに奥まで洗える(刃を外さなくても洗える)機能がついています。

 ロング系のスライドアタッチメントが2つつくのが81/80で、1つしかつかないのが71/70です。

 5209時代と同じ、「50~70ミリ」「20~40ミリ」スライドアタッチメントとなっています。実は、アタッチメント自体もいっしょらしく、5209/5208時代のものが、新世代の機種にもハマるそうです。

 フルセットでは、「ロング1」「ロング2」「スキ」「刈り高さ1」「2」「3」が入っていて、さらに「耳まわり/ナチュラルアタッチメント」が入ります。

 この最後の「耳まわり/ナチュラル」兼用アタッチメントというのは、前回のナチュラル機能に加えて、「耳まわり専用」機能を選択して使えるようになっています。

 ぶっちゃけこのへんで、バリカンカットに必要な機能は全部揃ってしまったように思います。


 余談ですが、ER-GC40という派生機種があります。さきほど6機種といいましたが、実は7機種ですね。

https://panasonic.jp/mens/products/hair/er-gc40.html

 

 この機種は男性向けで、ちょっとへんてこな商品構成です。

「 本体 旧型ナチュラルアタッチメント 刈高さアタッチメント3/6 9/12」

だけが入っています。


 おなじ本体を使っているER-GF40であれば


「本体 新型耳まわり/ナチュラルアタッチメント スキ刈りアタッチメント 刈高さアタッチメント3/6 9/12」

 が入っているので、こっちのほうがお得なんですが・・・。

 

 ただまあ、GC40は色がブラックでカッコいいです。GF40は白です。

 

 

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 さて、こんなふうに歴代どんどん進化しているカットモードなのですが、今から買うならER-GF81の一択だと思います。

 なんせ、歴代開発されたアタッチメントが全部入っているので、その中から使いたいものをチョイスできるからです。


 実はロング系アタッチメントは、テスコムやイズミなど他社さんからも出ているのですが「ナチュラル系」「耳まわり系」については、パナソニックの独壇場です。それもそのはずで、特許庁の申請図面なんかを見ていると、パナはガンガン開発して、特許を取っているようなのです。

 歴代の開発力を見ると、すさまじいものがありそうです。

(まあ、開発スパンは意外と長めだけれど)

 

 そのせいで、今回取り上げたシリーズで、後半に登場する機能は、中国製バリカンなどでは実現していません。特許で止められている部分もあるでしょうが、やはり、アタッチメント設計が古いままなのだと思います。

 

 amazonで人気の中華バリカンをよく見ると、パナソニックの業務用の1~2世代前の機種をコピーした形状が多いです。下請けやプラ型作りなどで、模倣しやすかったのでしょうね。

 

 となると、結局はパナ製品を買うのが、いちばん正解ということになりそうです。

 

 他社さんも頑張れ~。