2022年5月30日月曜日

人気の名作・万年筆「ミニ檸檬」の新旧比較 Lapita(ラピタ)VS サライ

 


 

 「ラピュタは滅びぬ。何度でも蘇るさ!」

 

 と言ったのは「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐でしたが、雑誌「Lapita(ラピタ)」はとうの昔に廃刊してしまったのに、まさか

 

 「ミニ檸檬は何度でも蘇るさ!」

 

という事態になっていたのは驚いてしまいました。

 

 2022年6月号の雑誌「サライ」になんと名作万年筆の「ミニ檸檬」が再びついているではあーりませんか!

 

 ミニ檸檬というのは、もともと丸善が販売していた「檸檬」という万年筆をちょっとだけ小さくしたレプリカです。

 当然、梶井基次郎が丸善に置いて行った「檸檬」をモチーフにしています。

 

 2005年にLapitaのおまけになっていた「ミニ檸檬」は大ヒットして、早い段階で書店から消え、複数買いする人たちも多かったように思います。

 

 その後、「万年筆を雑誌の付録にする」というのがちょっとした流行になり、今でも断続的にその傾向は続いているようです。

 

 

 ヨシイエさんは、旧版・2005年のLapitaバージョンも持っていたので、さっそく違いを見てゆきます。

 

 

 左が旧版「ラピタ」版  右が新版「サライ」版です。

 



 どちらもキャップはネジこみ式ですが、左のほうは「金属が露出していることからもわかるとおり、ボディ・キャップともに金属製です。

 

 右はオールプラスチック製で、かなり軽くなっています。旧版からの大きな変更点はここだと思います。

 

 

 

 サライ版(2022)は軽量。カートリッジのない状態で8グラムしかありません。

 

 

 

 

 

 Lapita版(2005)は金属製。27グラムもあります。オリジナルの檸檬が20グラムちょいくらいだったらしいので、本家より重量感があったもよう。



 旧版は、金属に塗装だったので、表面がしっとりしていたのですが、新版はただの黄色いプラスチックなので、チープさは否めません。

 

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 サライ版(2022)はラクダのマークです。

 ネジ部分のチープな感じもよく見えますね。

 



 

 Lapita版(2005)はカエルのマークです。


 雑誌付録としてついてきた万年筆では、もっとも最初の企画だったので、ペン先のメッキが弱いという弱点がありました。

 その後、ラピタの付録万年筆は、少しずつ改良されてゆきました。


 それでも、当時から「付録としてはバッチリ合格点の書き味」ということで、人気だった記憶があります。

 

 万年筆マニアの多くは、この「ミニ檸檬」をよく改造のベースとして使っていたとか。

 

 

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  オリジナルの「丸善」”檸檬”は


 ◆A 丸善創業130周年記念 1000本限定

 ◆B 丸善創業140周年記念 1400本限定

 ◆C 丸善創業150周年記念 1000本限定

 

で計3回出ています。

 

  130周年版と140周年版は、止めるクリップ部分がストレートになっており、Lapita版はそれを踏襲しています。

 


 150周年版は、クリップ先が丸止めになっていて、サライ版はその形状を模しています。

 


  このあたりは、本家が登場した時期に合わせてちゃんと変更してきているのがおもしろいですね!

 

 

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 余談ですが、Lapita版は、この「ミニ檸檬」のあと、ボディ色を赤と黒にしたスタンダールの小説「赤と黒」をモチーフにした万年筆が登場しました。

  基本形状は同じですが、刻印の文字などは異なります。また微細な修正がいくつか入ったそうで、メッキ精度などは向上したとのこと。

 

 また、それ以降Lapita付録系の万年筆は、形状違いも含めていくつか登場したようです。

 

 「赤と黒」がLapita版「ミニ檸檬」万年筆の兄弟だとすれば、アサヒビールとのタイアップで製作された

 

「アサヒプライムタイム×Lapita版万年筆」

 

というのもあり、 こちらは「紺青」と「黄色」の2色展開でした。

 


 当然刻印内容は違うのですが、黄色のほうはまさに「ミニ檸檬」とほぼ同型状で「いとこ」に相当します。

 

 というわけで「ミニ檸檬」の派生品はいろいろあるのですが、今回のサライ版は、初回から17年も経ってからの再登場なので、さしずめ

 

「旧ミニ檸檬の息子」

 

とでも呼べるのかもしれませんね〜。

 

 

 

2022年5月18日水曜日

2022年6月〜 衰退するドローンかいわい (それでいいのか?)


 

 

 

 2022年6月より、ドローン界隈の新規制がスタートして、100g超の機種は「登録」などが必要になりました。

 

 民生ドローンの歴史は、2010年ぐらいから本格的になりましたが、おおまかな歴史は、

 

 ドローンの歴史まとめ


に時系列で書いておきましたのでご参考になさってくださいね。

 

 

 本格ドローンや、撮影用ドローンなどが人気となったのは、ここ10年くらいの間なのですが、近年に近い後半の5年間は、中国製トイドローンがメキメキバリバリ開発されて、たくさん市場に投入されてきたように思います。

 

 かつ、当初は小型の「おもちゃ」レベルだったものが、Djiの模倣ではあるものの、「GPS」搭載とか、「オプティカルセンサ」搭載とか、「4K以上画質」などを誇るようになり、トイドローンではありながら本格派、みたいなのがどんどん出てくるようになったわけです。


 ところが、それらはみな100g超200g未満で設計されていますから、2022年6月以降は


「登録しないと飛ばせない」


機種になってゆきました。

 

 これがなかなか微妙な措置で、永遠に飛ばせず無駄になってしまうわけではないものの、たかだか数千円のトイドローンを登録してまでとばしたいか?と言われれば、そんなものはめんどくさいわけで、結果として

 

「百花繚乱のトイドローンの世界は、終息に向かうだろう」

 

と言えます。

 

 

 

 

 もちろん海外では100g規制は関係ないので、中国発の「市場」そのものはもうちょっと続きます。

 

 しかし、日本人がこれから新たに、GPS付きのドローンを買ったり、200g未満の4Kモデルを買ったりはしないということです。

 

 おもしろいことに、為替の問題、円の弱さ、中国製造業の疲弊などもあって、おもちゃドローンの値段は「高くなって」います。

 

 マイクロ・トイドローンの代表であった「Eachine E010」などは最安値の時は1000円台で購入できたのに対して、現在はざっくり3000円〜くらいになっています。

 

 5千円でおつりが来たような機種も、1万円に近くなっていますし、ザクザクざっくり言えば、

 

トイドローンの価格も、1.5〜2倍近くになっている

 

 と言えるでしょう。

 

 

 となると、DJIを使わなくてはいけない「業務寄り」の人はドローンを変わらず使うでしょうけれど、一般ユーザーやこども・新米パパなどは、あまりおもちゃドローンに寄り付かなくなってゆくと思われます。

 

 一種の「オワコン」化するのですが、果たしてそれでいいのかな?という感想。

 

 

 というのも、我々今回のロシア・ウクライナ間の戦争で

 

「いやというほど、ドローン(系飛機)の有用性について考えさせられた」

 

わけです。

 

 別に戦争が起きるかもしれないから、ドローンの配備が必要だ!ということではなく、少なくとも第二次世界大戦以降、一番有用でエポックメイキングな技術は、ドローンということで間違いないだろう、というコンセンサスが世界的に生まれてしまったんですね。

 

 となれば、これはもう、

 

「いちおうは、誰もがいじっておいたほうがいい」

 

ということになるでしょう。兵器としてではなく、現代の文明の利器として、その構造・しくみ・使い方・発展などについて触れておいて損はないと思うわけです。

 

 一部の人しか使いこなせない、というものがヤバイということは、今回の戦争で痛感しました。

 

 「誰もが、少しの習得で使いこなせて、反転攻勢(有効活用)できる」

 

という道具って、大事です。



 さて、今年後半以降、ドローンかいわいはどうなるんでしょうかねえ。

 

 

 

 

 

 

 





2022年5月5日木曜日

セルフィドローン 「JJRC H37」「Eachine E50」のコントローラを探す!

 

 2016年〜2017年くらいに発売されたドローンなので、かなり旧式なのですが、意外とヤフオクなどで2022年現在でも生き残っているドローンに

 

 JJRC H37  ELFIE

 Eachine E50

 

という機種があります。この機種、OEM先がかなりたくさんあって、おなじ機体や似た機体で、ほかに3社くらいから発売されているのを見たことがあります。

 

 このドローンは、「セルフィ」と言って、空中から自撮りをするために開発された別のドローン(DOBBY)のパクリなのですが、元の機種はそれなりにしっかりしているのに対して、上記ドローンはあくまでもパクリなので、たいした自撮りはできません。

(そもそも、原型が5万円くらいして、パクリが5000円くらいですから、期待してはいけません)

 

 さて、このH37/E50は最初からコントローラ(プロポ)が同封されておらず、スマホの画面上のアプリを使って操作するようになっていました。


 今では簡易FPVでスマホ画面に空撮映像を映せるドローンは定番になっていますが、そうした空撮FPVドローンの中でも、けっこう初期の機種に当たります。


 そうした事情でコントローラ/プロポがないのが玉にキズで、意外とスマホだけでは使いにくい、細かい操作がしづらいという問題がありました。


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 おまけに、当初からH37/E50はドローンを動かしているプロトコルが不明で、初期の機種のわりには多くのマニアが解析しても、どの規格で動いているのかわからない、ということが続いていたわけです。

 

 で、私もこのプロトコルに合う「プロポ/コントローラ」を探していたのですが、ようやく見つかりました。

 


 

 形はこれ!

 

 HolyStoneのHS160というドローンほかに付属しているコントローラです。

 

 


 JJRC H37 と このプロポの組み合わせ。

 


 HolyStoneが販売しているものは、技適がちゃんと表示されているので、安心です。

 

 実際に動きをたしかめてみましたが、ちゃんとこのコントローラでH37を作動させることができました。

 

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 このほかH37/E50を動かせるコントローラは、海外では以下の形状のものが販売されていたようですが、日本国内では見たことがありません。

 

 



  これとおなじ形状のコントローラは、SNAPTAINの一部の機種に採用されてはいますが、互換性はないようです。

 

 さらに童友社の一部のドローンのコントローラでも操作できた、という話も見たことがあり、確認しました。

 

◆ 童友社 ドローンnanoX

 

のコントローラで作動しました。

 

(ただし、このコントローラは、Wifi FPVの画面を受けるためにスマホを取り付けられるようになっていない、素のプロポなので、画面は別途見なくてはならない)

 

 

 とりあえず現時点では、スマホ画面を見ながら操作するなら、HS160のプロポ一択だと思います。

 

(そもそもHS160の形状がH37とかなり近いので、後継機かつ同じプロトコルと考えてよいと思います)

 

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 (追記)

 

 HS160の送信機、コントローラとまったく同じ形状のものはHoly stoneのF181などにもついているのですが、こちらも購入して試したみた結果は × バツでした。

 

 なので、形の上では同じでもH37向けには使えないと思います。

 

ドローン プロトコル一覧表

 

によると

 

JJRC H8C や H6C

 

 V2x2 プロトコルになっています。 


H8C H6C コントローラ (amazon)

 

を参照すると、おそらくF181はこの形状で、かつV2x2なのではないか?と思います。