前回、シャープの除湿機を分解大清掃しましたが、その続きです。
シャープ 除湿機を分解する CV-71 80 シリーズ
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2019/01/sharpcv-7180.html
うちの大活躍除湿機
CV-T71CH 2006
の磁気センサがぶっ壊れてしまっていたことは少しだけ前回も触れていたのですが、今回はその修理方法についてしっかり書きます。
これが、SAHRPのコンビニクーラー「CV-T71CH」 いわゆる除湿機
です。この形状のおなじ系統の除湿機はたくさん発売されていて、ほかの機種でもデザインが同じであれば、おなじ修理方法が使えると思います。
(未検証ですが)
【故障の状況】
空にした水タンクをセットしても、「満水」ランプが点灯して起動しない。
起動しないのは、安全面からみてOK。問題は空タンクなのに「満水」だと思っていることです。
シャープの除湿機は、水がたまると発泡スチロールで出来た「浮き(フロート)」が動いて、その浮きにセットされた磁石の動きを検知して満水かどうかを判定しています。
その判定部分が
この写真でいうと左下の基盤です。これがちょうどフロートの真上に来るようになっています。
(分解手順は前回の記事にあります)
【修理方法】
やってはいけない修理方法をまず。
このユニットだけを取り外すと、こんな感じ。
アップにしました。黄色い線は、やってはいけない修理方法です。
この中央の黒いICが磁気センサです。左から「電源・GND・出力」の端子になっています。
出力端子とGNDを短絡させると、「満水ではない」という状態を検知したのとおなじになります。
なので
満水ランプが、きちんと消えて動くようになります。
でも!
これをやると、たしかに使えるようになるのですが、満水を検知しませんので、どれだけ水がたまっても「自動で停止しない」という問題が!
いつまでも作動するので、水がジャバジャバ溢れても止まってくれません。
それは非常にまずい!
そこで、正式な修理方法として
「磁気センサICを交換」
というやり方にしましょう。
【正しい修理方法】
今回使用したのは、秋月電子通商さんにあった
です。
50円なり。
シャープについていたオリジナルのICは違うものですが、型番が読み取れなかったので、だいたい似たものを探しました。
半田ゴテでつつきながら、外した旧センサIC。電源周りに5Vと書いてあるので、5Vで動作するものだとわかります。
今回秋月電子で買ったICの動作電圧も2.7V~5.5Vなので、範囲内。
ただ、今回のICで気をつけないといけないのは、形状は似ているのですが、端子の出方が逆になっています。
(旧)ICの配列
出力 GND 電源
(新)ICの配列
電源 GND 出力
真逆ですな。
そこで、ICを半田づけするときに
「裏返し」
で半田付けします。 これで端子の向きが揃いますね。
元のICより、新ICのほうが、おなじチップ型なんだけれど、一回り小さいです。
でもまあ、半田付けはそれほど難しくありません。
これで修理完了。元通りに組み立てます。
ここから磁力の感度調整に入ります。
今回の秋月電子で購入したICはけっこう感度が高く、そのままでは満水位置になってもまだ磁力を検知してしまいます。
それではマズイので、位置あわせをして、調整。
タンクのフロートを見てみると、空の状態では磁石が一番上まで来ます。
ビニールテープを貼って、擬似的にフロートを浮かせると、磁石はずいぶん下まで下がります。
ここまでフロートが浮いても、まだ水は溢れないように器はちゃんと設計してあります。
しかし、秋月ICは、この位置でも磁力を検知してしまうので、感度を弱めてやらなくてはいけません。
方法はいろいろありますが、至極簡単な方法として
「アルミホイルで、磁石を巻き巻きしてしまう」
というのがらくちん。
いちおう外れないようにビニールテープで止めています。
一重でもちょうどよいくらいに弱まりましたが、余裕を見て二重・三重くらいは巻いてみながら、実機と合わせて調整しましょう。
これで、修理完了です。
(筆者は当記事の結果に責任を持ちませんので、良い子はマネしないでください)
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今回は「おなじ形状の磁気センサIC」を選んだので、端子位置は違いましたが裏返すだけで対応できました。
違う形状のセンサICでも修理は可能ですが、ものすごく小さい部品の周りにリード線を取り回さないといけないので、めんどくさいかも。
磁気センサICのチョイスはちょっと難しいです。
「S極に反応するもの」
「N極に反応するもの」
「両極に反応するもの」
「動作電圧範囲」
を見極めるのと同時に
「ラッチ型」
という面白いしくみのICがあるのです。
ラッチ型は、たとえばS極が近づいてくると反応し、今度はN型が近づいてくると反応する、というセンサです。
満水センサの場合は、フロートについた磁石が近づいたり離れたりするだけなので、極が変わることはありません。
なのでラッチ型は今回の修理にはふさわしくありません。
ラッチ型が役に立つのは、くるくる回転するものに極がついていて、それが廻ることでSが近づいた次にはNが近づいてくるなど、回転数を計ったりする場合ですね。
ということで、満水センサが壊れて困っている全国のみなさん!
よい子はマネしちゃだめですよ。
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