2019年2月7日木曜日

サヨクはなぜ破綻するのか



 私のブログをずっと見ている方なら、もうご存知だとは思いますが、私はその昔公務員をしていたことがあります。


 公務員というのは、民間企業に比べて、かなりサヨク的というか、社会主義に偏った職場であり、まあ、それもそのはず


「すべての市民に対して、公平であり、公正に職務を行う」


という意味では、そりゃあ、左がかっていても仕方ない部分はあるでしょう。



  さて、ちょっと面白い記事がありました。



盗聴で浮き彫り、役所の「敵を引きずり下ろす」文化(ダイヤモンドオンライン)
 https://diamond.jp/articles/-/193276




 窪田さんという方の記事ですが、今回の兵庫県明石市長の暴言問題に伴って、


「市長の発言をいつも盗聴、録音し、リークしたやつがいる」


「そして、それはたいてい、職員である」


ということの闇を伝えておられます。



 なぜ、役所の公務員は、「相手を引きずりおろす」のか。



 その理由は、もちろん窪田さんが書いておられるとおり


”役所という世界は民間と異なり、競争がない。仕事ができる、結果を出した、という人が評価をされて、グングン出世をするというわけではなく、大きなミスや、キャリアに汚れのない人が取り立てられていく減点主義”


だからです。






 公務員の世界には、とても面白い(失礼)制度があります。



 いちおうタテマエ上は、「できる職員とできない職員はきちんと評価しなくてはいけない」ということになっているため、


同階級のAさんとBさんとCさんがいたら、ほんのわずかでも、その給与に差がつくはずだ


ということになるのは、理解いただけるでしょう。



 なので、昇給などに差があって、Aさんの昇給とBCさんの昇給が異なる、という制度が存在します。


 それを特別昇給というのですが、私も公務員時代に、事務のおねえさんから



「よしいえさん、今月特昇ついてますよ」


と教えてもらって、「なんじゃそれは」と思ったものです。


 明細を見てみると、たしかに昇給している。他の人とは異なり、私だけが特別扱いされているわけです。



 しかし、それは吉家ができる職員だというわけではけしてありません。



  どういうことか?


 簡単です。今回はAさんである私に特別昇給がつきますが、次回はBさん、その次はCさんと、


順繰りに、公平に平等に特別昇給


がついてゆくのです。


 これが、公務員的平等の世界なんですね。




==========




 こういう理屈ですから、サヨクの世界というのは、基本的には


「なにもかにも、とにかく平等であって、抜け駆けするヤツは嫌いだし、できるヤツも嫌い」


なのです。


 言い方は悪いですが、もういっそ、「それならいっそみんなで何もしない」ということを是とするような、そういうへんてこな部分もあります。



 公務員サヨクの考え方は、「プラスであること」「追加であること」「加算されること」を嫌うことにあります。


 それは「差」がつく元凶だからです。


 (民間サヨクは、ちょっと違う場合もあります。会社員の組合だったら「賃金あげろ」とか言うので)


 なのでむしろ

「マイナスであること(○○をするな・させるな)」
「やめさせること(○○が負担だ)」
「コスト時間がかかること(○○するならこれくらいの時間をくれ)」


というニュアンスに置き換わることが多いです。


 わかりやすく言えば、勤務時間を越えて何か業務をしないといけない場合には


「それは職務命令なのか!」
「全員参加である必要はあるのか!」
「管理職だけでやればいいんじゃないのか!」


みたいな言説が飛び交う、ということです。 基本、○○しない方向で、ということですね。





 ==========




 このように、「プラスにならないように」「加算はしない」文化であるため、


「頑張って何か新しい成果を生み出そう」


ということは苦手です。 公務員は、税収が増えればボーナスが増えるわけでもないので、よけいにそうなります。



 そうすると、気にいらないことがあると、「相手を引きずりおろす」しか方法がなくなるわけです。



  安保闘争、学園紛争の頃のサヨク内部での内ゲバも、基本的には似た構造があります。


 平等と公平がモットーのサヨクでは、「抜きん出る者」が出現すると引きずりおろさなくてはならないのです。


 そうしないと、原理原則(と思っているもの)が抜きん出る者によって支配されて変わってしまうからです。




 しかし、実際にはヒトは群れで生活する動物だし、そこにはリーダーから末端までの階級ピラミッドがおのずと生じますから、


「トップはつぎつぎに追い落とされる」


ということが繰り返されるのです。



 だから社会主義国家では、粛清が繰り返されます。


(抜きん出そうになる勢力が出てくると、徹底的につぶされる)





 なので、国内の政治を見ていてもそうですが、サヨクの活動は基本的に下方修正されるため、


「劣化コピー」


が進みます。


 土井おたかさん以上の人が、現状サヨクから出てこないのは、そういうことです。以下の人しか出てこないようになっているのです。




==========




 そんなサヨクですが、現在の中国のように「上昇することを認める」ということに折り合いをつけると、政治体制としては維持できます。


 むしろ、現在中国では「上昇のためにはなんでもあり」な部分があるので、すでに


「平等と公平であることは、とりあえず無視する」


とよいわけです。(しかしそれじゃあ、サヨクではないよね)





 というわけで、結論としてはサヨクは破綻するのですが、だからといって単純に「ウヨクがその逆になる」というわけでもありません。


 このあたりはまたボチボチお話します。









0 件のコメント:

コメントを投稿