2019年から、全国の小中学校で「児童・生徒ひとり一人にコンピュータ端末を使わせよう」という構想があり、それをGIGAスクール構想と呼んでいる。
コンピュータを一人ずつ持たせるだけでなく、学校に高速・大容量の回線を引いたり、コンピュータを用いた授業などを開発、活用してゆくこととも合わせての企画なのだが、実際に広く実施されているし、一定の成果を挙げていると感じる。
ちょうど、ヨシイエさんのおうちでも、こどもが小中学校にドンピシャ当たるので、こどもたちは学校から
ChromeBook
を一人一台持たされて、家の宿題や課題などにも使うように命じられているようだ。
さて、このChromeBook、日本だけでなく海外においても教育用としてかなりヒットしているらしい。
そもそもGIGAスクール構想では、機種の選定については「しばり」はなく、学校なり教育委員会が自由に選定できるのだが、結果としてはChromeBookの採択が増え、6割から7割位はこの機種が選ばれているという。
次点はiPadとのことである。
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さて、なぜChromeBookが強いのか、あるいはなぜChromeBookが良いのか。
ちまたではこのChromeBook一強の事態に対して、文句を持っている人たちもいるようだが、それは
「社会に出てWindowsPCで仕事をするのに、ChromeBookでは役に立たないではないか」
とか
「コンピュータの構造を覚える上で、ChromeBookは特殊すぎる」
とか、そういった意見があるのも事実だ。
おっしゃることは十分理解できる。たしかに社会に出て実際にコンピュータで事務処理をする際には、Windows機種でワードやエクセルを使うことが大半である。
あるいは、ファイル管理の概念や、実行ファイルとデータファイルの違いなど、コンピュータの理論を学ぶ際にChromeBookは、そうしたものを見せない仕様になっている。
そういったコンピュータ教育の「一定の意味・あり方」について、パーフェクトに機種を提供できないのは致し方ないのだが、それを差し置いても
「ChromeBookが最適である」
というはっきりした意見は表明できるので、今回はそんな話をしてみよう。
実はヨシイエは、2000年前後に高等学校においてコンピュータ教育の現場にいたことがあり、その当時は「パソコン教室」において一人一台の環境を整備するのが急務であった。
その当時のパソコンは当然Windows機種であり、管理はNTサーバであったように思う。また学校教育向けのいくつかの特殊なソフトウエアがインストールされていた。
その時の環境は、以下のようなものである。
■ 個々のパソコンは、立ち上げたあとは自由に使えるものの、電源を切るとすべての変更を忘れて初期状態に戻るようなボードが差してある。
■ 個々のパソコンは、手元にファイルを保存できるが、当然授業の終わりにすべて消える。そのため提出物はネットワーク先のサーバーのフォルダ(自分用・先生用/提出用がある)に保存すべし、という運用になっている。
■ インターネット等の閲覧の適不適(フィルタリング)に関しては、学校側が管理しているのではなく、学校が接続している情報処理センターのドメイン側で判定している。
というものだった。
つまり、スタンドアロンのように動いているとみせかけているが、授業の実態としてはネットワーク(サーバー)ありきの運用だったのである。
こうしておかないと、生徒は自由自在に個々のPCを触ってしまうため、悪意があろうとなかろうとありとあらゆる箇所が「いじられて」しまうのである。そうなると、立ち上がるマシンと立ち上がらないマシンなどが出てきて、授業が成立しなくなるのだ。
強制ハードウエアリセットボードが内蔵されていたおかげで、そうした不具合はまったくなく、OSの更新なども一発で全台メンテナンスができるようになっていた。
なおかつ、作業用フォルダや提出用フォルダもまた、すべてサーバー上にあるため、生徒は提出し忘れることもない。(仮に完成品が出せなくても、途中のものはサーバーにある)
こうした運用方法は、非常に効率的に学校の授業を成り立たせるのである。
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翻って現代のGIGAスクール構想だが、ChromeBookのよい点はたくさんある。
■ ミルスペックの機種が多く、落としたりしても壊れない(かなり壊れにくい)
■ キーボードとタッチパネルとカメラがついており、タイピング教育からデジタルレポートの作成まで全部できる。
■ 保存先が基本的にクラウド(つまりネットワークの先であるサーバー)であり、教師側から管理しやすい
■ 自動更新ならびに、更新時にOSがA・Bの両面で動くので止まらない
といったメリットだ。
この「机から落としても壊れにくい」「ランドセルやバッグに詰め込んでもたわみにくい」といった強さは、非常にメリットである。
これがiPadの場合はケースを付けてもヒヤヒヤしながら運用しなくてはいけなくなるのは、想像に難くないだろう。
そして小学校の現場からは、「こどもは穴という穴に鉛筆を突き刺して、その中に芯を折って放置する」という、なかなか笑撃の実態も多数報告されているくらいなので、タフネスさは重要なのである。
USBコネクタの中には、なにが詰まっているかわかったもんじゃないのだ。
また、タブレット端末と比較してキーボードがついていることも大きなアドバンテージであり、近年のChromeBookは折りたためばタブレット風にもなり、なおかつタッチパネル操作も可能になっているため、「全部、なんでもできる」ように作られている。
この点でもiPadより「出来ることが多い」と言えるだろう。
提出物やファイル管理は、どの機種であっても学校側サーバーやクラウドを利用した一括管理ソフトが入るので、そこにあまり違いはないのだが、最後の項目に挙げたOSの更新については、Windowsも勝てない領域である。
ChromeOSというのは、動いているマシンの中にAとBの同一の2つのOSが入っている。まるっきり同じものが2つ内蔵されているのだ。
そして、片方が動いている時に、もう片方が更新されるようになっていて、つまり更新時に一切止まらないのである。
これは授業をしようとしたら「更新」で待たされたとか、「更新中」に作業ができない、なんてことが起きないことを意味する。
まさに限られた時間で行われる授業にはもってこいなのである。また教師が授業時間外に行進のために時間を取ってメンテナンスする必要もないのである。すばらしい。
これだけのメリットがあるからこそ、学校の授業ではChromeBookが採択されるのだ。
そしてなおかつ、いちばん恐ろしい話だが、これだけメリットがあって、機種代金としては
「いちばん安い」
のである。これはもう教育委員会は大助かりである(笑)
というわけで、言いたいことはいろいろある人もいるかもしれないが、実際の「効率的運用」「実用的運用」という意味ではChromeBookはとても学校現場に適している。
もし、関係者でこの記事を見ている人がいれば、採択の参考にしていただきたい。
(了)



