2018年12月8日土曜日

【資本主義をハックする 19】 <儲ける>と<稼ぐ>と<食える>で生き残る



 まいどおなじみ、とある業界の片隅で生きる中小企業の管理職でありながら、モノ書きの真似事をしている吉家さんのたわごとです。




 ふだん、本業も副業もいろいろ頑張ってはいるのですが、昨今の経済事情を見ていると


「頑張れば頑張るほど、労多くしてドツボにはまる」


みたいなことが業務でも多々あります。


「よかれと思って親切にすればするほど、金銭的には儲からない」


みたいなことも山ほどあります。



 どうしてこんなことが起きるかというと、理由はとても簡単で、



「右肩下がりの経済社会では、努力はどんどん報われなくなる」


ということが起きているんですね。(だから頑張るのは無駄、とかそういうことはさておき)




 すごく簡単に言えば、私の属している建築業界で言えば、着工件数が右肩上がりの時は、材料なんかも「需要があるのでバンバン売れてゆく」わけです。

 ところが着工件数が下がり、新築が減って修理が増えると


「何十年前のこの部品に合うものを探してくれ」


みたいなことばっかりが業務になってきます。そうすると新築材料が、何も考えなくても、100㎡分なら100㎡分出荷できていたのが、たった1㎡の修理のために


「その部材はなんじゃ?何処の会社のじゃ?そもそも、まだその部品はあるのか?」

「部品はないのか!じゃあ、どうすれば修理できるんじゃ?」


みたいなことばっかりになるのです。そうすると、昔は左うちわで販売量も、販売額も上がっていたのが、あっちこっち探し回ってやっとこさ1個だけ部材を売る、みたいなことが起きてしまい、



「ん?この努力は、金銭的に見合ってないよなあ」



というオチになってしまうわけです。



 この例に限らず、需要がない、市場がないという世界では、「同じだけの収益収入を得るのに、多大な労力がかかる」ということが万人に生じます。そうすると


「我慢して何かを成し遂げるより、需要がある業界へ転職したり、取り扱い品目をさっさと変えてしまったほうが、儲かる」


ということが起きるのですね。つまり、努力がどんどん無価値になるのです。





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 というわけで、今回の資本主義ハッキングは、


”そもそも、儲かる・稼ぐ・食えるという3つのアクション・プロセスをちゃんと理解しておこう”


というあたりに着目してみます。



 「儲かる」 というのは、コストに対しての収益が高くなることを意味します。リスクに対してのリターンが多いとも言い換えることができます。


 「稼ぐ(稼げる)」というのは、時間と量を投入・積み重ねることで収益収入が増えることを意味します。労働がもっとも分かりやすい「稼ぐ」ための行動ですね。


 「食える」 というのは生活ができることです。生活が成り立つだけの収入が実際にあることを意味します。



 現代社会では、「稼いでいるけれども食えない」とか「儲かっていないのに食える」とか、額面どおり、教科書どおりにはいかない不思議なことが多々起きています。




 たとえば、借金して経営しているベンチャーや、不動産投資をしている人は、


「実際には利益が出ていないのだけれど、融資的なXデーが来るまでは食えている」


なんてことも起きます。 住宅ローンが返せなくて、家を取り上げられている人なんかもそうです。その日が来るまでは住んでいられます。ただ、その日がやってくるスパンが長いだけです。



 あるいは、


「日銭を稼いでいるけれども食えない」


ということもたくさんあります。小説家が単行本を出して得られる印税は初版70~100万円ほどだと言われます。

 そうすると、つぎつぎに仕事はしているし、執筆をしているけれども、増刷がかからない残念な作家さんは、年間に4冊出してもぎりぎり食えるか食えないか、になるということです。


 この場合は、銀行から借りられるだけ借りて最後は破産するベンチャー社長のほうが、いい暮らしができるかもしれません。




  はたまた、わたしの


「絶対に儲かるビジネスをしているけれども、それで食えるほどではない」



というのもそうでしょう。 リスクゼロ、コストゼロ、需要はある、けれども、それで一日1万円もらえて年間365万円ほどには到達しない(今はまだしていない)ということが現実なのですから、これではとうてい食えません。なので本業の仕事をしているのです。





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 これらは仕事や業務の内容、動かすお金の大小だけで決まるわけではありません。


 そりゃあ、「内職で1個1円のものを作る」だと食えなさそうな感じがするのは誰でもわかります。


 しかし、「不動産投資」であっても、食えるに至るにはかなりのハードルがあるわけです。


 たとえば、1000万円の物件を所有して、月5万円で貸し出せるとしましょう。この人は1件の不動産を持っているのですから立派な不動産投資家ですが、「月5万円では食えない」のです。


 せめて、賃貸料月5万円の物件を6件くらい持って、「月30万円くらい実入りがある」くらいないと、「食え」はしません。実際には管理手数料やらがかかるのでもっと不動産を所有していないといけません。




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 そうすると、「起業したい!」と思っている人も、「社畜はいやだ!」と思っている人も、「大手企業で安泰だ」と思っている人もみんな、最終的なベースは



「まず、何をさしおいても食えること」


が大切なのです。


 今現在あなたは、ソニーに勤めて月50万円もらっているかもしれませんが、明日リストラされたら、「食えること」を真っ先に考えなくてはいけないからです。



 そうすると、この資本主義を生き延びるには、


1)「食える」手段をまず確保せよ!


それから


2)プラスアルファで「稼ぐ」力を身につけよ!


そして


3)儲けを出して、それだけで「食える」ように収入のポートフォリオを入れ替えろ!



という生き方を、 学校卒業からリタイアまでにシステム化しなくてはならない、ということになります。




 私は今40歳半ばですが、20代で大卒の後は、公務員や会社員を経てとりあえず「食える」ことを確保してきました。


 30代からは並行して「副業で稼ぐ」ことができないかを試行錯誤しています。その中で、いくつかの方法論やら、実践をやってみて「食えると稼ぐ」はいちおう取り組めている感じがします。


 40代からは、「回数を重ね、労力を使って稼ぐ」から「自動で儲ける」にシフトすることを考えています。


 そして、50代までには、なんとか「プラスアルファの稼ぐと設ける」で本業の「食える」の金額を乗り越えることができたら、資本主義ハッキングの完成!だと考えているわけです。





 精進いたします。まる。