2019年3月3日日曜日
300万円のマイホームを購入する! 後編
さて、前回に引き続いて「300万円の一戸建て」を検討するときのポイントシリーズの続きです。書ききれなかったことをさらにいろいろ考えて書きます。
①別荘地、ってどうよ?!
300万円ぐらいの物件がよく出る地域に、「別荘地」というのがあります。市街地から離れていて、たいてい山の近くにあります。バブルの名残とも言ってよいジャンルで築30年~20年くらいの物件もたくさんあります。
こういう物件は、普通の不動産会社でひっかかる場合もありますが、リゾート専門の不動産屋さんが扱っている場合も多いので、ちょっと調べてみてくださいね(^^
最近、僕の知り合いも別荘地におそらく300万円前後で家をお買いになりました。(中古の高級車一台分ぐらい、とのこと)
ただ、その方は、阪神間にふつうの一戸建てを既に持っておられる方なので、「ほんまに別荘」として使うみたいです(笑)仕事を引退なさるそうなので、田舎で悠々自適で暮らして、好きな時に好きな方に滞在する、という羨ましい使い方ですね(^^
定年などでリタイアなさる方が、別荘物件を買うのもいいと思いますが、ほんとに足腰立たなくて、買い物やら病院やらに自力で行けなくなる「後期高齢者」になると話が変わります。ですから別荘地は、定年後10年程度のスパンでかならず見直さなくてはならなくなります。
若い方で、アーチストなので工房が欲しい、といった方や、ものづくりをしていてど田舎むらでもOKという方は、積極的にそういう物件を探している人もいるでしょう。
ただ、家族構成によっては、学校が遠いとか、いろいろな問題が出ます。
②300万円のおうちをリフォーム?!
300万円物件というのは、だいたい築30年以上です。昭和50年代に建てられた、とかならまだましかもしれません(^^;なので、ある程度手直しが必要になることがほとんどです。
いわゆるリフォームですが、業者さんに頼むと、本体並みにお金がかかるので、基本はDIYで自分・家族でやりましょう!!!
キッチン流しの取替え、壁塗り、柱などの塗装、フローリングの張替え、襖障子の張替え、ぐらいは自力必須です(笑)
もちろん、自分でできないこともあって、トイレ改装や風呂改装などはやはり業者さんにきてほしいところ。
(中にはトイレくらいは自分でやる人もいます) しかし、それも和式から洋式に変えるとか、風呂をユニットバスに変えるとか、大掛かりなものを業者さんに頼みます。
タイルの手直しとかぐらいなら、自力じりき!
そして、ここからが本当に大事なことです。
築30年超えの物件で最初に気をつけなくてはならないのは、地面と基礎と構造に問題がないかどうかです。
地面・・・擁壁チェック!高台や盛り土の上にある家の場合、30年前の擁壁はたいていアウトです。石積みだけの擁壁や、古いよう壁の場合は、隙間から染み出している水の跡なども注意です。ブロックを横から見て、ゆがみが出ているなども避けたほうがいいと思います。地面そのものは、ぱっとみ判断しにくいですが、じめじめ水気が多いような土地は、柱を腐らせている場合があります。
基礎・・・当時の基礎は、ベタ基礎になっておらず、布基礎やただ石を置いた基礎の物件もあります。基礎コンクリにひび割れがあれば、基礎そのものが痛んでいます。水がずっとかかって変色しているような基礎も注意です。
構造・・・専門家でない僕らが、構造の痛み具合を判定するのは難しいですが、概観をよく見るだけでも、ずいぶんといろんなことがわかります。外や中から見て、垂直線が出ていない柱があったり、一部だけサッシの開け閉めがきつい箇所があったりしたら、土地に「不同沈下」が起こっていて、敷地の一部が沈んでいます。屋根瓦のズレ、ワレ、外壁材の様子、モルタルのワレ(ここから水が入り雨漏りとおなじ動きをします)なども注意。家の内部で、床などがふにゃふにゃする箇所があれば、下に湿気が来ていてシロアリさんが先に住んでいます。天井板にシミがあれば、いつもでなくても大雨時に雨漏りした証拠です。
そして、大事なことは、300万円の物件の大半は、「何かあってもこういう物件だから勘弁してね」的な契約になることがほとんどです。現状有姿とか、瑕疵担保がどうのこうの、とかそういう語句が並んでいたら、たいていそういう意味です。
そのほか、古い物件には土地境界の問題とか、いろいろ調べることがたくさんありますが、家を買ったあとには、「宅建」に挑戦できるくらい知識が増えると思います。
そうした知識ナシに、その物件を買ってしまったあなたは、騙されているようなもんです(^^;;
ちなみに、すっごい細かいことですが、実例を挙げておきます。
たとえばある築20年の中古物件を買われたおうちは、他はなんにもトラブルなかったのですが、家の外にある下水の流れてくる「コンクリ枡(マス)」だけがヒビが入って水が漏れていました。
まあ、これが割れていても、流しの水のうち少しが地面に帰ってゆくだけのことなのですが、やっぱりそこだけ廃液がこぼれているのは気色悪いし、よく見ると、その周辺だけ土地がすこし下がっていたりしました。まあ、良いことではないですね。
もちろん、直してもらって契約したのですが、大事なのは、「マスのフタをあけてみる」くらいの注意深さがほしい!ということです。そして、「あれ?このマスの中の水、横についてる水位の跡と比べてなんで低いんだ?」と思う不思議を感じる力がほしいです。
古い中古物件は、面白い発見がいろいろあります。大事なのは、学ぶ力かもしれません。
(オリジナル 2011/12/10 ヤフーブログ終了に伴う再掲)
300万円のマイホームを購入する! 前編
みなさんこんにちは 寒風吹きすさぶ関西地方ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
懐も当然寒いヨシイエです(^^;
ありがたいことに、「300万円で中古戸建を買いたいんだけど・・・」というご質問をいただきましたので、僕なりに一生懸命考えてお答えしたいと思います。
300万円で中古戸建、ということばは簡単ですが、実は奥深いです。
ここで取り上げている議論は「とっかかり」みたいなものですから、みなさんも自分ならどうしようかな?と考えてみてくださいね。
①商業ベースに乗っている300万円と口コミベースでの300万は違う。
まず、不動産サイトや情報誌に載っている物件というのは、どうしてもある程度の金額以上の価格のものがメインです。本音で言えば2000万以上の物件だけ扱いたい!でも、現実的には1000万円以上の物件「も」掲載しようかな、ということになります。
逆に1000万円以下の物件は、情報を扱っても、同じ手間をかけても、仲介手数料も少ないし、コスト高になります。だから、不動産屋さんにとってはエネルギーを注入する必要性が薄いわけですね。
なので、まず300万円という低価格物件は、商業ベースでは出てくる件数がほとんどない、ということを覚えておく必要があります。その代わりに、「300万円ぐらいで売ってもいいかな」という、持ち主が勝手に思っているだけだったりの「口コミベース」の物件は意外に眠っていることもあります。
僕の知っている事例で、とある築30年ぐらいの一戸建ての前で作業していると「このおたくいくらぐらいで売ってくれるんかねえ」と犬を散歩させながら尋ねてくるおばちゃんがたまにやってくる、という場面があります。
つまり、そのおばちゃんは口コミベースで「安くて買えそうなら、考えようかな」と思っていて、そういう話が不動産市場には上ってこないわけです。
さて、商業ベースに載っている300万円の物件は、ぶっちゃけ建物はノーカウントで、土地の純粋な値段であることが多いです。それも古家付きであることから、本来なら更地にして売りたいところですが、解体費用を先に負担して仮に400万とかで売るなら、どうせ儲けもないから、どっちゃでもええわ、というので、そのまま売りに出しているわけです。
口コミベースの300万円は、市場価格とは離れたところでの値付けですから、極端に安い場合もあるし、そうでない場合もあります。「トイレ改修に最近150万かけたから、その分は元を取りたい」とかいう、査定無関係の感情価格だったりもしますから、こちら側にきちんとした知識が必要です。
②都心の300万円と郊外の300万円と田舎の300万円を見極める。
住む場所によって、300万円の価値は大きく違います。ど田舎村では、300万円で本格古民家、畑付きが買えますし、郊外なら、ちょっと街の中心から離れた、はぐれ分譲地の一戸建てが買えることもあるでしょう。
都心で探せば、車がやっと通れるくらいの(しかし、以外に徒歩は便利だったりする)、狭い道に長屋状態でくっついてる建物の一軒分だけ、みたいな感じです。ビフォーアフターに出てくる「〇〇に困る家」とかそんなイメージですね(苦笑)
土地の広さで言えば、ど田舎だったら500㎡とかでも、郊外で100㎡、都心で50㎡とかになるので、価値の尺度そのものが違いますね。
③300万円をどう食いつぶすか?
3000万円なら、「一生モノの家」と思ってしまうのも当然ですが、300万円ですから、その価値をどう食いつぶすか、減価償却してゆくか、をイメージしておきます。
3000万円なら30歳で買って、80まで残り50年もたそうと思いますが、その10分の1ですから、理論上5年持てばいいんです(笑)
もちろん、その家がダメになった場合の次の一手も頭の中に置いておきます。
たとえばこんな感じです。300万円を月5万円でざっくり割ると、60か月(5年)です。5年間月5万の家賃を払って住んでいるのとおなじとすれば、5年後には、賃貸では何も残りませんが、その家を購入していれば最悪土地が残っています。
このとき、100万円で解体しておなじ300万円(もともと、売値の300万とは、ほぼ土地の値段オンリーです)で売りに出せば200万円手元に残ります。あらためて賃貸に住んだとしても、おなじ生活で勝手に200万円貯まる計算になるわけです。(あくまでもざっくり理論上ですよ!)
こんなふうに5年処理で、家と向き合うこともできるし、もう少し長いスパンで見てもかまいません。しかし、都心の300万円物件でその土地に建て直す、というのは現実問題厳しいと思います。だったら更地にするまでは計画に入れておいて、駐車場にして貸すとか、隣の家に売りつけるとかそういう視点も必要ですね。
そういう意味では、長屋物件は避けたほうが無難です。どれだけちっちゃくても、独立した建築物であることは必須です。
④300万円という数字にこだわらない。
以上のようなことを考えると、たとえば300万円の物件と500万円の物件の微妙な差が見えてくるようになります。一見安くても、将来的に「つぶしがきかない」物件である可能性もあるし、あと少し足せば「こういう使い方ができそう」という大きな差になることもあります。
このへんは、2300万円の物件と2500万円の物件は、ほとんど差があるわけない!のに対して、もともとが300万と500万の違いには、意味があります(^^
なので、300という数字だけにこだわらないで、すこし幅をもって見ることがポイントです。
ちなみに、僕の住んでいる中古一軒家の価格は売り出し1780万くらいで、価格改定1380万、最終980万でしたから、(だいたい1年~くらいの間に価格が変わった)額面そのものをあてにしないことです。
500万の物件を内覧しておいて、なにかの拍子で、売主の事情次第では300万でもいいわ、と言われることだってあるからです。
以上ざっくりですが、まずはこのへんから考えてみましょうか。
(オリジナル 2011/12/9 ヤフーブログ終了に伴う再掲)
2015年10月17日土曜日
傾斜マンションだけじゃない?!建築業界に潜む「まっとうな闇」
横浜で話題になっている「傾斜マンション」。不十分なくい打ちでマンションが傾き始めたのは、硬い岩盤まで基礎が到達していないという根本的な原因があったそうですが、以前の「姉葉耐震偽装問題」といい、欠陥マンションはつぎつぎ登場のようです。
施工にあたった旭化成といえば、これまた先日の堤防決壊で「流されなかった白い家」としてへーベルハウスが話題になったばかりですが、その高い評価も
そもそもちゃんと施工していなかったら、話になりません
ですな。
==========
そもそも建築業界は、元請けから下請けに仕事が流れてゆく中で、強烈な値下げ・コスト圧力がかかることで有名です。
今回の事件も、販売元の三井ではなく、実工事を担当した旭化成子会社の責任、ということになっていますが、やったのはそうだとしても、そうなるように仕向けられた背景というものが隠れているだろうことは想像に難くありません。
ハインリッヒの法則
なるものをご存知でしょうか?
これは、1つの事件や事故には、そこにつながる300の小さなミスや事故、ヒヤリハットが隠れているというものです。
これは保険料の設定にもかかわる重要な要素で、最新の研究では、300どころか、
重大事故1に対して、ニアミス600(バードの法則)
重大事故1に対して、ニアミス400(タイ=ピアソン)
もの小さい欠陥が隠れているとのこと!
ようするに、マンション一棟あたり、数百のミスや瑕疵、ちょっと動いたら外れるとか切れるとか、ボルトが緩むとかそういうのが隠れているということになるわけです。
==========
なんでそういうことになるのか?という究極の問いについては、建築業界の端くれにいるヨシイエからすれば、
それで当たり前、当然。
という部分も相当あります。なので、そのからくりを説明しましょう。
もし仮に、職人さんたちが全くミスをせず、問題なく部品をすべて加工取り付けして、完璧な状態でマンションや住宅を仕上げたとします。
この完璧なマンション・住宅が「まったく問題なく、トラブルを起こさない期間が何年になるか」想像できますでしょうか??
ふつうの人の感覚だと、2~30年はせめて持ちこたえてくれそう、と思うかもしれませんが、正式な答えは
たった10年間
だけです。
なぜか?私は建築業界の隅っこにいますので、いろんな部材・部品・構造物のカタログを持っています。
それらのカタログをめくっていて、メーカーがそれらの部材のトラブルに対して、「問題を起こさない想定耐用年数」なるものを定めているのですが、そのうち「部材の保証ができる期間」は、ほぼすべての部材が10年以下だからです。
いいですか?建築に使われる建材から小さなパッキン、ネジに至るまで、基本的にはメーカーは30年も使われることを保証してはいないのです。
「30~40年くらいは使われるだろうな」
ということは、頭ではわかっています。しかし性能的にそれは保証できないので、
「適切な期間の間にメンテナンスをしてくだいさいね」
という但し書きをカタログにつけて出荷している、ということなのです。
ということは、10年たってパッキンやシーリング材が劣化したとしましょう。そこから水が入って、思わぬところに重大トラブルを起こすかもしれないわけです。
金属てすりひとつにしてもそうです。適切な塗装をしていなければ、10年から先は、錆びて折れても仕方ないのです。
逆に言えば、施工する者からすれば、
「10年持ちこたえる施工をすれば、そこから後はメンテナンスする人間の仕事である」
と大手を振って言えることになります。
「大丈夫大丈夫、10年くらい持つし、そのときは『自然劣化です』とでも言っときゃいいんだって」
というのが、完璧な施工をした場合でも、職人さんのある種の本音なわけです。だって、そこから後の交換やメンテの仕事は、自分の仕事ではないからです。
覚えておきたいのは、マンションの構造コンクリートは50年から100年持つ、と言われていても、その他の部材はすべて10年持つことしか補償されていない、という事実です。
そこには大きなギャップがあるのです。
==========
さて、ところが世の中には、建築部材のうち「20年補償」とか「30年補償」みたいなことを謳っている製品が実際に存在します。
ところが、よくよく話を聞いてみると、それは「ひっかけ問題・なぞなぞとんち」レベルなのです。
たとえば、ここに30年補償で100万円分の外装材があるとしましょう。
「この材料で建築した屋根壁は30年補償ですから安心ですよ!」
とセールスマンは売って回りますが、その部材を使ったおうちが、29年後に屋根に亀裂が生じて雨漏りしたと考えてください。
さて、おうちの方はどんな補償をしてもらえるでしょうか、という問題です。
<回答A> 30年保証なので、外装材代の100万円と、そのやり直し施工費100万円の合計200万円くらいは出してもらえる。
<回答B> 30年保証なので、外装材代の100万円分は出してもらえるが、やり直し施工費は自己負担になる。
<回答C> 3万3千300円くらい、貰える。
はい!賢いと思われる、たいていの人は回答Bが正解だと思うでしょう。回答Aほど世間はやさしくないし、回答Cは意味不明だからです。
しかし、答え、正解は
回答C
です!!!
どういうことかわかりますか? たいていの場合、こうした長期に渡る保証・補償は
残存補償
というスタイルになっていることが多いのです。 残存補償とは、30年なら30年分つかったでしょ?残った分は補償しますよ、ということです。
車のリースで、残存価格付きリースというのが流行していますね?あれと一緒です。
なので上の例の場合、本来なら傾斜がついた残存金額になりますが、今回は例題なのであえて均等割りにして、
100万÷30年=3.3333・・・
29年持ちこたえたので、残存補償額は3万3千円、となるわけです。(それも部材のみ、ね)
==========
こうした理由で、私ヨシイエは現在2件の一戸建て不動産を所有していますが、マンションや集合住宅には絶対に手を出しません。
なぜなら、10年でどこかしらメンテしなくてはならないとわかっているのだったら、自分の意思・意図・タイミングで手当てができる一戸建てしか不可能だからです。
マンション管理組合の全体の合意とか、ヨシイエには意味不明です。 自分のことくらい、自分で決めないと、不動産の管理・メンテなんてできないことがわかっているのですから!!
施工にあたった旭化成といえば、これまた先日の堤防決壊で「流されなかった白い家」としてへーベルハウスが話題になったばかりですが、その高い評価も
そもそもちゃんと施工していなかったら、話になりません
ですな。
==========
そもそも建築業界は、元請けから下請けに仕事が流れてゆく中で、強烈な値下げ・コスト圧力がかかることで有名です。
今回の事件も、販売元の三井ではなく、実工事を担当した旭化成子会社の責任、ということになっていますが、やったのはそうだとしても、そうなるように仕向けられた背景というものが隠れているだろうことは想像に難くありません。
ハインリッヒの法則
なるものをご存知でしょうか?
これは、1つの事件や事故には、そこにつながる300の小さなミスや事故、ヒヤリハットが隠れているというものです。
これは保険料の設定にもかかわる重要な要素で、最新の研究では、300どころか、
重大事故1に対して、ニアミス600(バードの法則)
重大事故1に対して、ニアミス400(タイ=ピアソン)
もの小さい欠陥が隠れているとのこと!
ようするに、マンション一棟あたり、数百のミスや瑕疵、ちょっと動いたら外れるとか切れるとか、ボルトが緩むとかそういうのが隠れているということになるわけです。
==========
なんでそういうことになるのか?という究極の問いについては、建築業界の端くれにいるヨシイエからすれば、
それで当たり前、当然。
という部分も相当あります。なので、そのからくりを説明しましょう。
もし仮に、職人さんたちが全くミスをせず、問題なく部品をすべて加工取り付けして、完璧な状態でマンションや住宅を仕上げたとします。
この完璧なマンション・住宅が「まったく問題なく、トラブルを起こさない期間が何年になるか」想像できますでしょうか??
ふつうの人の感覚だと、2~30年はせめて持ちこたえてくれそう、と思うかもしれませんが、正式な答えは
たった10年間
だけです。
なぜか?私は建築業界の隅っこにいますので、いろんな部材・部品・構造物のカタログを持っています。
それらのカタログをめくっていて、メーカーがそれらの部材のトラブルに対して、「問題を起こさない想定耐用年数」なるものを定めているのですが、そのうち「部材の保証ができる期間」は、ほぼすべての部材が10年以下だからです。
いいですか?建築に使われる建材から小さなパッキン、ネジに至るまで、基本的にはメーカーは30年も使われることを保証してはいないのです。
「30~40年くらいは使われるだろうな」
ということは、頭ではわかっています。しかし性能的にそれは保証できないので、
「適切な期間の間にメンテナンスをしてくだいさいね」
という但し書きをカタログにつけて出荷している、ということなのです。
ということは、10年たってパッキンやシーリング材が劣化したとしましょう。そこから水が入って、思わぬところに重大トラブルを起こすかもしれないわけです。
金属てすりひとつにしてもそうです。適切な塗装をしていなければ、10年から先は、錆びて折れても仕方ないのです。
逆に言えば、施工する者からすれば、
「10年持ちこたえる施工をすれば、そこから後はメンテナンスする人間の仕事である」
と大手を振って言えることになります。
「大丈夫大丈夫、10年くらい持つし、そのときは『自然劣化です』とでも言っときゃいいんだって」
というのが、完璧な施工をした場合でも、職人さんのある種の本音なわけです。だって、そこから後の交換やメンテの仕事は、自分の仕事ではないからです。
覚えておきたいのは、マンションの構造コンクリートは50年から100年持つ、と言われていても、その他の部材はすべて10年持つことしか補償されていない、という事実です。
そこには大きなギャップがあるのです。
==========
さて、ところが世の中には、建築部材のうち「20年補償」とか「30年補償」みたいなことを謳っている製品が実際に存在します。
ところが、よくよく話を聞いてみると、それは「ひっかけ問題・なぞなぞとんち」レベルなのです。
たとえば、ここに30年補償で100万円分の外装材があるとしましょう。
「この材料で建築した屋根壁は30年補償ですから安心ですよ!」
とセールスマンは売って回りますが、その部材を使ったおうちが、29年後に屋根に亀裂が生じて雨漏りしたと考えてください。
さて、おうちの方はどんな補償をしてもらえるでしょうか、という問題です。
<回答A> 30年保証なので、外装材代の100万円と、そのやり直し施工費100万円の合計200万円くらいは出してもらえる。
<回答B> 30年保証なので、外装材代の100万円分は出してもらえるが、やり直し施工費は自己負担になる。
<回答C> 3万3千300円くらい、貰える。
はい!賢いと思われる、たいていの人は回答Bが正解だと思うでしょう。回答Aほど世間はやさしくないし、回答Cは意味不明だからです。
しかし、答え、正解は
回答C
です!!!
どういうことかわかりますか? たいていの場合、こうした長期に渡る保証・補償は
残存補償
というスタイルになっていることが多いのです。 残存補償とは、30年なら30年分つかったでしょ?残った分は補償しますよ、ということです。
車のリースで、残存価格付きリースというのが流行していますね?あれと一緒です。
なので上の例の場合、本来なら傾斜がついた残存金額になりますが、今回は例題なのであえて均等割りにして、
100万÷30年=3.3333・・・
29年持ちこたえたので、残存補償額は3万3千円、となるわけです。(それも部材のみ、ね)
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こうした理由で、私ヨシイエは現在2件の一戸建て不動産を所有していますが、マンションや集合住宅には絶対に手を出しません。
なぜなら、10年でどこかしらメンテしなくてはならないとわかっているのだったら、自分の意思・意図・タイミングで手当てができる一戸建てしか不可能だからです。
マンション管理組合の全体の合意とか、ヨシイエには意味不明です。 自分のことくらい、自分で決めないと、不動産の管理・メンテなんてできないことがわかっているのですから!!
2015年5月13日水曜日
借金してアパートを建てるのは、バ◎か◎ホか節税か
久しぶり、というわけでもないですが、本来は当ブログのメインである不動産ネタを。
『1億円の借金で賃貸アパートを建てた老夫婦の苦悩』という記事が出ていたので、興味深く拝読しました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150512-00010000-scafe-bus_all
(シェアーズカフェ・オンラインさんより)
不動産投資関係やら、建築関係に務めている方なら誰でも知っているネタではありますが、NHKで取り上げられていた、というのがなかなかいい感じです(^^
話はカンタン!
「節税(とくに相続税)目的で、老夫婦が田んぼに借金して賃貸アパートを建て、その企業が家賃保証とやらをしてくれるんだけど、あんなことやこんなことになってしまう」
というお決まりのパターンです(笑) ・・・いや、笑ってはいけませんね。失敬失敬。
==========
いちおう、話をよく知らない方のために、カンタンな補足をしておきましょう。
まず、使わなくなった田んぼや空き地を持っていると、おじいちゃん・おばあちゃんが死んで息子たちに相続するときに、もともと面積が広かったりするもんですから金がさが高くなってしまい、相続税が発生します。
ところが、そのまま資産としてもっている田んぼや空き地には税金がかかりますが、借金があると相殺されますので総資産額を減らすことができます。ここまではOK?
なので、こんな話はどうですか?と業者さんがやってくるわけです。
「その空き地に、借金をしてアパートを建てましょう。空き地の資産の分に対して、借金がありますので、相続税が生まれません。そしてなんと、そのアパートから賃料がもらえるので、資産がどんどん増えることになるのです」
これを聞いて、おじいちゃんたちは、「それは良い話だな」と耳を傾けてしまいます。業者さんはさらに続けます。
「もちろん、アパート経営ですから空き家が出てしまうなどのリスクもあります。しかし、心配ご無用!常に満室状態とおなじように当社が一括借り上げしますので、空き室リスクは当社が背負います」
これを聞いてさらにおじいちゃんたちは喜びます。「それは素晴らしい。すぐ契約するべ!」と。
==========
この素晴らしい成功パターンで、うまくいくケースももちろんあります。うまくいくケースは、ほとんど条件が決まっていて、
「大都会に畑を持っていて、駅近ハイソな賃貸住宅のニーズがある場所のおじいちゃん」
は成功することが多いです。なんせ相続税が高いので、賃貸化借金は大変に助かる!
それ以外の「ちょい田舎のおじいちゃん」とか「クソ田舎のおじいちゃん」とか、勝利の方程式から外れたおじいちゃんたちは、後に大失敗が待っている場合があるので要注意です。
どういうことか。
仮に6戸セットの賃貸アパートを都会と田舎に建てるとしましょう。土地は抜きにして、上ものはまったく同じです。ということは、借金の金額は全く同じということになります。
これをどういう計算で返済してゆくかですが、都会だと6戸が常に借りてもらっている状態を長く維持できますから、総金額を順調に返済することができます。
ところが、田舎だと常に6戸が埋まっている状態を維持できません。なので、時には4戸しか埋まらないとか、半分しか入ってくれていない、という状態が生じるのです。
これがあると返済計画に狂いが生じます。
なので、おじいちゃんたちから見ると、これが一番怖いので、「一括借り上げ・家賃保証」という契約がついていると、飛びついてしまうわけです。
==========
ここで、よく考えてみてください。賃貸アパート経営には空き室リスクが伴います。田舎のおじいちゃんは、そのリスクを常に恐れて賃貸経営をしなくてはならないのですが、そこで登場した「一括借り上げ」の場合、空き室リスクはどこで処理されているのでしょうか?
リスクがある以上、何らかの手当てをしておかないと、業者さんも損しますよね?それなのに、どうして一括借り上げができるのでしょう。
その秘密はたった一つです。
「一括借り上げ、家賃保証という契約は、当初の家賃を全額ずっと払ってくれるわけではない」
ということです。
最初の契約から一定期間は、たしかに満額の家賃が保証されますが、途中で見直しが入ります。その見直し率は、その建物が建っている場所の実需に合わせて変動します。
業者さんは、途中でこう言ってくるのです。
「あのー、現在の家賃では、近隣の相場より高くて入居者さんがいなくなってしまいます。実際、あっちのアパートやこっちのアパートは、おたくよりも1万円家賃が低いので、それに合わせて満室にする方向で」
と。
ここから、1万円低い金額での一括借り上げが始まるわけです。
すると、当初の借金の返済計画と狂いが生まれてきます。つまり、いくら一括借り上げが約束されていても、金額が異なるため、収益が当初より低くなるのです。
==========
こうして、おじいちゃんとその息子の代まで、返済不可能な借金漬け人生が始まることになります。
返済がショートすれば、しかるべき法的処置がなされ、彼らは資産を失う、という壮大な物語なのです。
小さな家を一軒建てようと思えば、うわものだけで1000万円は軽くするでしょう。ということは6戸のアパートでは5千万~6千万くらいして当然ですね。
記事の事例では1億のアパートとありましたが、1階5軒・2階5軒くらいの文化アパートでも、それくらいかかるということです。
おじいちゃんがいくら田んぼや空き地をもっているとはいえ
1億円という巨大な勝負をするのに、バクチの素養も知識もない
とは、完全にバカとしか言いようがありません。
奇しくも、あのシャープが資本金を1億円にしようとしているなんてニュースがありましたが、おじいちゃんにシャープとおなじくらいの経営バトルを繰り広げる自覚があるとは、とうてい思えません。
1億円のアパートを建てるということは、1億円を資本金にして賃貸業をはじめるということなのですから。
==========
さて、ここにきて吉家孝太郎が、家を2軒持ち、かつ数々の金融裁判に関わり、また本物の営業刑事として活躍してきた実績をもとにお話をしたいことがあります。
それは、みなさんがこれまでの人生でどれだけお買い物をして、いろんなものにお金をつかって消費者として暮らしてきたことはヨクヨク理解し、共感するとしても、
不動産というものに関してだけは、けしてみなさんは「消費者」なんてものにはなりえないし、なってはいけない
ということです。
もっと平たく言えば、
「すべての商品を買うとき、私たちは『お客さん』でいられる。しかし、不動産を買うときだけは、誰も『お客さん』ではいられない」
ということです。
お客さんでいられるとか、いられないとはどういうことでしょう。
例えば、普通の商品であれば、商品に問題があれば「交換してもらう」とか、生産した会社を悪者にすることができます。
しかし、不動産に関してだけは、意図的に騙されてその物件を掴まされたり、そういうこと以外では、全く持って「交換してくれたり、誰かを悪者になどできない」のです。
仮に、あなたが土地を買い、その土地が翌日の地震で陥没して池になったとしましょう。あなたは誰にも文句を言うことができません。あるいは近隣の住民から、
「子供が落ちたらいけないので柵をしてもらえませんか」とか、
「蚊がわくから、薬剤をまいてくれ」とか、
言われまくっても、それはすべてあなたの責任なのです。
そんなことは誰にも予見できず、誰にも責任が追えないことは、土地の所有者の責任だということです。
なので、不動産に関してだけは、その土地の範囲内の「主権を買う」ということと同等だと思っていてください。
まさに小さなエリアの国主・城主・領主としての全責任を負うのです。
===========
逆に、いいこともあるので、それもちらっと書いておきましょう。
主権を持つということは、不動産に関してだけは、「自分で値段をつけてよい」ということでもあります。
1000万円で売りに出ている物件をみつけて
「俺はこの家に300万円しか出さない!」
と主導権を発動することは全然かまいません。そんなことができるのは、不動産取引だけです。
はいっ!と手を挙げて、
「ワシはこの値段でしか買わんもんね!」
と言っていいのです。なんといっても主権発動です。あなたの意思は尊重されます。
ここから先は主権と主権の戦いですから、相手が
「よし、300万円で売った!」
といえば、それで完全に取引成立なのです。
(こういう買い方を「指値をする」といいます。不動産投資の世界では当たり前のやり方です。ちょっとオークションに似ていますね)
==========
私が実際に指値をして、面白い結果になったこんな事例があります。
不動産会社の販売提示価格が780万円で、私の指値が580万円で、さて、結果はどうなったと思いますか?
・・・・売主の主権780万。ワシの主権580万。
・・・・そこに思わぬ陰の主権者登場!
・・・・売主が借りていた銀行の主権発動!
<結果>銀行が、980万じゃないと売買を許可しない、と言ったので話は流れた。
売主が780万でいい、と言ってもだめなんです。ワシが580万円と言っても、それはそれとして、本来の権力を持っている銀行が
980万回収しないとゆるさへんのじゃーーーー!!!
と言い出したら、それが主権なのでした(笑)
(ちなみに後日談。この物件を980万で他の人が買って行きましたが、本来不動産屋さんが780万しか価値がないと判断した物件なのに。980万も出してしまったその人は、かわいそうですね。こんな風に、不動産の価値って無茶苦茶なんです。だから主権を持ってこっちも臨まなくてはいけないのです)
『1億円の借金で賃貸アパートを建てた老夫婦の苦悩』という記事が出ていたので、興味深く拝読しました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150512-00010000-scafe-bus_all
(シェアーズカフェ・オンラインさんより)
不動産投資関係やら、建築関係に務めている方なら誰でも知っているネタではありますが、NHKで取り上げられていた、というのがなかなかいい感じです(^^
話はカンタン!
「節税(とくに相続税)目的で、老夫婦が田んぼに借金して賃貸アパートを建て、その企業が家賃保証とやらをしてくれるんだけど、あんなことやこんなことになってしまう」
というお決まりのパターンです(笑) ・・・いや、笑ってはいけませんね。失敬失敬。
==========
いちおう、話をよく知らない方のために、カンタンな補足をしておきましょう。
まず、使わなくなった田んぼや空き地を持っていると、おじいちゃん・おばあちゃんが死んで息子たちに相続するときに、もともと面積が広かったりするもんですから金がさが高くなってしまい、相続税が発生します。
ところが、そのまま資産としてもっている田んぼや空き地には税金がかかりますが、借金があると相殺されますので総資産額を減らすことができます。ここまではOK?
なので、こんな話はどうですか?と業者さんがやってくるわけです。
「その空き地に、借金をしてアパートを建てましょう。空き地の資産の分に対して、借金がありますので、相続税が生まれません。そしてなんと、そのアパートから賃料がもらえるので、資産がどんどん増えることになるのです」
これを聞いて、おじいちゃんたちは、「それは良い話だな」と耳を傾けてしまいます。業者さんはさらに続けます。
「もちろん、アパート経営ですから空き家が出てしまうなどのリスクもあります。しかし、心配ご無用!常に満室状態とおなじように当社が一括借り上げしますので、空き室リスクは当社が背負います」
これを聞いてさらにおじいちゃんたちは喜びます。「それは素晴らしい。すぐ契約するべ!」と。
==========
この素晴らしい成功パターンで、うまくいくケースももちろんあります。うまくいくケースは、ほとんど条件が決まっていて、
「大都会に畑を持っていて、駅近ハイソな賃貸住宅のニーズがある場所のおじいちゃん」
は成功することが多いです。なんせ相続税が高いので、賃貸化借金は大変に助かる!
それ以外の「ちょい田舎のおじいちゃん」とか「クソ田舎のおじいちゃん」とか、勝利の方程式から外れたおじいちゃんたちは、後に大失敗が待っている場合があるので要注意です。
どういうことか。
仮に6戸セットの賃貸アパートを都会と田舎に建てるとしましょう。土地は抜きにして、上ものはまったく同じです。ということは、借金の金額は全く同じということになります。
これをどういう計算で返済してゆくかですが、都会だと6戸が常に借りてもらっている状態を長く維持できますから、総金額を順調に返済することができます。
ところが、田舎だと常に6戸が埋まっている状態を維持できません。なので、時には4戸しか埋まらないとか、半分しか入ってくれていない、という状態が生じるのです。
これがあると返済計画に狂いが生じます。
なので、おじいちゃんたちから見ると、これが一番怖いので、「一括借り上げ・家賃保証」という契約がついていると、飛びついてしまうわけです。
==========
ここで、よく考えてみてください。賃貸アパート経営には空き室リスクが伴います。田舎のおじいちゃんは、そのリスクを常に恐れて賃貸経営をしなくてはならないのですが、そこで登場した「一括借り上げ」の場合、空き室リスクはどこで処理されているのでしょうか?
リスクがある以上、何らかの手当てをしておかないと、業者さんも損しますよね?それなのに、どうして一括借り上げができるのでしょう。
その秘密はたった一つです。
「一括借り上げ、家賃保証という契約は、当初の家賃を全額ずっと払ってくれるわけではない」
ということです。
最初の契約から一定期間は、たしかに満額の家賃が保証されますが、途中で見直しが入ります。その見直し率は、その建物が建っている場所の実需に合わせて変動します。
業者さんは、途中でこう言ってくるのです。
「あのー、現在の家賃では、近隣の相場より高くて入居者さんがいなくなってしまいます。実際、あっちのアパートやこっちのアパートは、おたくよりも1万円家賃が低いので、それに合わせて満室にする方向で」
と。
ここから、1万円低い金額での一括借り上げが始まるわけです。
すると、当初の借金の返済計画と狂いが生まれてきます。つまり、いくら一括借り上げが約束されていても、金額が異なるため、収益が当初より低くなるのです。
==========
こうして、おじいちゃんとその息子の代まで、返済不可能な借金漬け人生が始まることになります。
返済がショートすれば、しかるべき法的処置がなされ、彼らは資産を失う、という壮大な物語なのです。
小さな家を一軒建てようと思えば、うわものだけで1000万円は軽くするでしょう。ということは6戸のアパートでは5千万~6千万くらいして当然ですね。
記事の事例では1億のアパートとありましたが、1階5軒・2階5軒くらいの文化アパートでも、それくらいかかるということです。
おじいちゃんがいくら田んぼや空き地をもっているとはいえ
1億円という巨大な勝負をするのに、バクチの素養も知識もない
とは、完全にバカとしか言いようがありません。
奇しくも、あのシャープが資本金を1億円にしようとしているなんてニュースがありましたが、おじいちゃんにシャープとおなじくらいの経営バトルを繰り広げる自覚があるとは、とうてい思えません。
1億円のアパートを建てるということは、1億円を資本金にして賃貸業をはじめるということなのですから。
==========
さて、ここにきて吉家孝太郎が、家を2軒持ち、かつ数々の金融裁判に関わり、また本物の営業刑事として活躍してきた実績をもとにお話をしたいことがあります。
それは、みなさんがこれまでの人生でどれだけお買い物をして、いろんなものにお金をつかって消費者として暮らしてきたことはヨクヨク理解し、共感するとしても、
不動産というものに関してだけは、けしてみなさんは「消費者」なんてものにはなりえないし、なってはいけない
ということです。
もっと平たく言えば、
「すべての商品を買うとき、私たちは『お客さん』でいられる。しかし、不動産を買うときだけは、誰も『お客さん』ではいられない」
ということです。
お客さんでいられるとか、いられないとはどういうことでしょう。
例えば、普通の商品であれば、商品に問題があれば「交換してもらう」とか、生産した会社を悪者にすることができます。
しかし、不動産に関してだけは、意図的に騙されてその物件を掴まされたり、そういうこと以外では、全く持って「交換してくれたり、誰かを悪者になどできない」のです。
仮に、あなたが土地を買い、その土地が翌日の地震で陥没して池になったとしましょう。あなたは誰にも文句を言うことができません。あるいは近隣の住民から、
「子供が落ちたらいけないので柵をしてもらえませんか」とか、
「蚊がわくから、薬剤をまいてくれ」とか、
言われまくっても、それはすべてあなたの責任なのです。
そんなことは誰にも予見できず、誰にも責任が追えないことは、土地の所有者の責任だということです。
なので、不動産に関してだけは、その土地の範囲内の「主権を買う」ということと同等だと思っていてください。
まさに小さなエリアの国主・城主・領主としての全責任を負うのです。
===========
逆に、いいこともあるので、それもちらっと書いておきましょう。
主権を持つということは、不動産に関してだけは、「自分で値段をつけてよい」ということでもあります。
1000万円で売りに出ている物件をみつけて
「俺はこの家に300万円しか出さない!」
と主導権を発動することは全然かまいません。そんなことができるのは、不動産取引だけです。
はいっ!と手を挙げて、
「ワシはこの値段でしか買わんもんね!」
と言っていいのです。なんといっても主権発動です。あなたの意思は尊重されます。
ここから先は主権と主権の戦いですから、相手が
「よし、300万円で売った!」
といえば、それで完全に取引成立なのです。
(こういう買い方を「指値をする」といいます。不動産投資の世界では当たり前のやり方です。ちょっとオークションに似ていますね)
==========
私が実際に指値をして、面白い結果になったこんな事例があります。
不動産会社の販売提示価格が780万円で、私の指値が580万円で、さて、結果はどうなったと思いますか?
・・・・売主の主権780万。ワシの主権580万。
・・・・そこに思わぬ陰の主権者登場!
・・・・売主が借りていた銀行の主権発動!
<結果>銀行が、980万じゃないと売買を許可しない、と言ったので話は流れた。
売主が780万でいい、と言ってもだめなんです。ワシが580万円と言っても、それはそれとして、本来の権力を持っている銀行が
980万回収しないとゆるさへんのじゃーーーー!!!
と言い出したら、それが主権なのでした(笑)
(ちなみに後日談。この物件を980万で他の人が買って行きましたが、本来不動産屋さんが780万しか価値がないと判断した物件なのに。980万も出してしまったその人は、かわいそうですね。こんな風に、不動産の価値って無茶苦茶なんです。だから主権を持ってこっちも臨まなくてはいけないのです)
2015年2月10日火曜日
吉家の後悔しないマイホーム持論 「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」 ~失敗しない家づくり~
もともと、不動産マニアなところがある吉家ですが、最近は、国家に関わる大きな話(大風呂敷?!)ばかりしていて、面白おかしいおうちの話をする機会が減っております。
さて、以前より不動産投資家さん向けのサイト「健美家」さんが面白いな~、と思ってみていたのですが、とくにコラムの欄が読んでいて楽しい!
不動産投資コラム「健美家」
http://www.kenbiya.com/column/list
私も建築関連業界の隅っこのほうで、暮らしているので、勉強になります。
さて、そのコラム連載陣の中でも、ものすごく考え方が似ていて好きなのが原田ミカオさん。
原田ミカオのゼロから学ぶアパマン建築入門
http://www.kenbiya.com/column/mikao
この方は建築家(設計士)&某大学の先生だそうです。
==========
原田さんの理論が好きなところは、やっぱり「不動産投資」というどちらかといえば経営・経済的側面が強いお話の中に、「建築・構造・つくり」に注目した目線での話題が多いところです。
原田さんのお話を1話からずっと読んでいただくと、私ヨシイエが旧ブログやらで書き散らかした内容とよく似た話がたくさん出てくるのがわかると思います。ああ、おんなじこと考えている人がいるんだな~、と嬉しくなりました。
『(太陽光)ソーラーパネルって、電気代の前払いなだけじゃないの?』(36話)
とか、私もよく言ってましたね~。懐かしい。
あと、何はともあれ原田さんのすごいところは、建築家さんなのに「デザイン」よりも、いきつくところは「単純で明快な構造と、水を防ぐこと」だと達観なさっているところ。
詳しくは原田さんのブログをじっくり読んでもらうとわかりますが、
「形は1階と2階がそのまま立ち上がった真四角な家がベスト」
「屋根は勾配屋根で、軒と袖(壁よりも屋根がぐるりと飛び出している部分)を出して、切妻屋根」
「屋根(・材)に穴をあけるな」
「シーリングは当てにしない」
などなど。本当にその通りです。
そうしたことを設計の面と、実際に物件を購入・所有して手直ししている実体験の両方から見ておられるので、リアルに面白いのです。
==========
さて、原田さんの理論を読みながら思ったこと。
ほとんどの人はマイホームにまず、最低限そして最初に考える条件というものがあると思います。
それは「雨漏りがない家であること」!
全ての人がかならず、新築だったら「ずっと雨漏りしませんように」と思うし、中古だったら「雨漏り箇所がないかな」と真っ先に思うところ。
でも、これまたほとんどの人は、
「屋根にまったく関心がない」
のが現状です。 屋根の形や材料が雨漏りに関係あるとか、屋根の材料によって後のお金のかかり具合が変わるとか、屋根の色と温度の関係とか、
ほとんどなーんにも考えない
のです。(教えてもらってないから知らない、というのもあります)
で、TRICKの上田教授のセリフを借りて言うなら、
「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」
と言いたいのがヨシイエの本音であります。
==========
特に近年、壁から屋根がまったく飛び出さず、そのまま「箱」になっている家や、屋根の傾斜が片側だけの家、屋根の傾斜(勾配といいます)がゆるい家などが、やたら増えました。
これは一般のヒトには「ああ、流行のデザインなんだな」とか「目新しくてかっこいいな」と目に映るのですが、
ぶっちゃけ、まやかしです。
屋根が壁から飛び出さなかったり、飛び出す長さが短いのは「屋根を工事する面積を減らして安く上げよう」という魂胆です。
勾配がゆるいのは、「その分ギリギリまで垂直の壁が取れるから部屋を大きく見せられる」ということです。
板金屋根が増えているのは「安く上がる」からです。そして、「瓦屋根は重いですよ、地震が怖いでしょ?」と言っておけば、何も知らないパパママはすぐに納得します。
(屋根を軽くした分、柱も細くしているのですが、そこまで説明しません)
==========
原田さんじゃないですが、実際に建築の現場にいるものからすれば、箱形で屋根が飛び出していない家は、屋根と壁の継ぎ目のシーリング(シリコンとか、パッキンとか)が劣化すれば、かならず水が
じゃじゃーじゃーじゃー!
と直接入ってきます。
板金屋根と瓦屋根の熱伝導率は、考えればすぐわかりますが、夏と冬の電気代に直接影響します。
そして、「電気代を安くするために太陽光のせましょう!」と屋根に穴をズボズボ開けてパネルをビスで取り付けるわけです。
そりゃ、「すぐダメになるように元から設計されている」と思ってしまうほどです。
まあ、コストの低い住宅にはいろいろと問題もあるのですが、最終的には、「大きな笠を被っていれば、雨風はなんとか最低限しのげるというのがヨシイエの基本理念ですから、
ほかのところは差し置いても、屋根にはベストを尽くす
ということを頭の片隅に置いてほしいなあ、というところ。
さて、以前より不動産投資家さん向けのサイト「健美家」さんが面白いな~、と思ってみていたのですが、とくにコラムの欄が読んでいて楽しい!
不動産投資コラム「健美家」
http://www.kenbiya.com/column/list
私も建築関連業界の隅っこのほうで、暮らしているので、勉強になります。
さて、そのコラム連載陣の中でも、ものすごく考え方が似ていて好きなのが原田ミカオさん。
原田ミカオのゼロから学ぶアパマン建築入門
http://www.kenbiya.com/column/mikao
この方は建築家(設計士)&某大学の先生だそうです。
==========
原田さんの理論が好きなところは、やっぱり「不動産投資」というどちらかといえば経営・経済的側面が強いお話の中に、「建築・構造・つくり」に注目した目線での話題が多いところです。
原田さんのお話を1話からずっと読んでいただくと、私ヨシイエが旧ブログやらで書き散らかした内容とよく似た話がたくさん出てくるのがわかると思います。ああ、おんなじこと考えている人がいるんだな~、と嬉しくなりました。
『(太陽光)ソーラーパネルって、電気代の前払いなだけじゃないの?』(36話)
とか、私もよく言ってましたね~。懐かしい。
あと、何はともあれ原田さんのすごいところは、建築家さんなのに「デザイン」よりも、いきつくところは「単純で明快な構造と、水を防ぐこと」だと達観なさっているところ。
詳しくは原田さんのブログをじっくり読んでもらうとわかりますが、
「形は1階と2階がそのまま立ち上がった真四角な家がベスト」
「屋根は勾配屋根で、軒と袖(壁よりも屋根がぐるりと飛び出している部分)を出して、切妻屋根」
「屋根(・材)に穴をあけるな」
「シーリングは当てにしない」
などなど。本当にその通りです。
そうしたことを設計の面と、実際に物件を購入・所有して手直ししている実体験の両方から見ておられるので、リアルに面白いのです。
==========
さて、原田さんの理論を読みながら思ったこと。
ほとんどの人はマイホームにまず、最低限そして最初に考える条件というものがあると思います。
それは「雨漏りがない家であること」!
全ての人がかならず、新築だったら「ずっと雨漏りしませんように」と思うし、中古だったら「雨漏り箇所がないかな」と真っ先に思うところ。
でも、これまたほとんどの人は、
「屋根にまったく関心がない」
のが現状です。 屋根の形や材料が雨漏りに関係あるとか、屋根の材料によって後のお金のかかり具合が変わるとか、屋根の色と温度の関係とか、
ほとんどなーんにも考えない
のです。(教えてもらってないから知らない、というのもあります)
で、TRICKの上田教授のセリフを借りて言うなら、
「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」
と言いたいのがヨシイエの本音であります。
==========
特に近年、壁から屋根がまったく飛び出さず、そのまま「箱」になっている家や、屋根の傾斜が片側だけの家、屋根の傾斜(勾配といいます)がゆるい家などが、やたら増えました。
これは一般のヒトには「ああ、流行のデザインなんだな」とか「目新しくてかっこいいな」と目に映るのですが、
ぶっちゃけ、まやかしです。
屋根が壁から飛び出さなかったり、飛び出す長さが短いのは「屋根を工事する面積を減らして安く上げよう」という魂胆です。
勾配がゆるいのは、「その分ギリギリまで垂直の壁が取れるから部屋を大きく見せられる」ということです。
板金屋根が増えているのは「安く上がる」からです。そして、「瓦屋根は重いですよ、地震が怖いでしょ?」と言っておけば、何も知らないパパママはすぐに納得します。
(屋根を軽くした分、柱も細くしているのですが、そこまで説明しません)
==========
原田さんじゃないですが、実際に建築の現場にいるものからすれば、箱形で屋根が飛び出していない家は、屋根と壁の継ぎ目のシーリング(シリコンとか、パッキンとか)が劣化すれば、かならず水が
じゃじゃーじゃーじゃー!
と直接入ってきます。
板金屋根と瓦屋根の熱伝導率は、考えればすぐわかりますが、夏と冬の電気代に直接影響します。
そして、「電気代を安くするために太陽光のせましょう!」と屋根に穴をズボズボ開けてパネルをビスで取り付けるわけです。
そりゃ、「すぐダメになるように元から設計されている」と思ってしまうほどです。
まあ、コストの低い住宅にはいろいろと問題もあるのですが、最終的には、「大きな笠を被っていれば、雨風はなんとか最低限しのげるというのがヨシイエの基本理念ですから、
ほかのところは差し置いても、屋根にはベストを尽くす
ということを頭の片隅に置いてほしいなあ、というところ。
2014年4月13日日曜日
買ってはいけない!マンションの話。
こちらのブログではあまり「マイホーム」関連のことは書いていないのですが、実はもともとヨシイエの専門は「おうちの話」でございました(笑)
そんな昔の話の載っているブログはこちら↓
吉家孝太郎のマイホームあれこれどれそれ
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300
さて、今日は久しぶりにおうちの話を思い出しながら書くのですが、なんとここで
STAP細胞もビックリ!な新しい理論を提唱しながら話を進めます。
まあ、気楽に読んでくださいな。
==========
「バブル」なものがヤバイ、ということは現代日本人なら実際にバブル時代を経験してきて体験的には知っているわけですが、バブル時代を享受した人からすれば
「あんなおいしい時代はなかったなあ」
という感想でもあり、
「しかしまあ、あんなにお金がお金を生むはずはないわな。はじけて当たり前だよな」
ということもなんとなく納得しているはずです。
さて、バブル(経済)とは簡単に言えば何か。
それは実際の価値以上に「それを欲しい」と思う人の数が増えることです。
たとえば、チューリップバブルというのがありました。オランダでチューリップが「価値があるらしい」と誰かが思い、それが伝播してみんながチューリップの球根を追い求めた結果、値段がべらぼうに上がって、最終的には
「チューリップにそれほど価値があるわけではない」
という当たり前のことに気付いて一気に価格が下落した、という史実です。
日本経済におけるバブルは、「株式や土地」を対象にして、「それを欲しい」「それに価値がある」と思い込んだ人たちが激動の日本史を形成しました。こんなのは、みなさんもご存知のはずですね。
となると、そもそも実際の価値以上に「欲しい」と思う人が増えているだけですから、実際の価値と乖離して価格が上がってしまうと「欲しい」人が急激に減るわけです。
そうするとバブルははじけます。
今度は、誰も「買ってくれなく」なるわけで、価格は急激に下がってしまいます。
==========
ここまでは、たいした話ではありません。そして、世界のどこでも「ああ、できるならバブル経済になることは避けたいよね」と思いながら毎日暮らしているはずです。
ところが、急激に膨らんで急激にしぼんでしまう、いわゆるみなさんの知っている「バブル」に似ているんだけれど、誰もそれが「バブル」だと思っていない現象があるのをご存知でしょうか。
それが、「マンションの購入」です。
ここから先は、僕の仮説です。
マンションの購入が「バブルに似ている」なんてことを現代の誰も信じちゃいないと思いますが、僕はこんなふうに考えています。
『バブル経済は、一気に膨らんで一気にしぼんでしまうので混乱をもたらすけれど、ゆっくりふくらんで、ゆっくりしぼむものや、膨らんでから一定の期間その形を維持するものは、気付かれない』
のではないか、と仮説を立てているのです。
経済学的には、「ゆっくり膨らんで実態経済のインフレと同調しているもの」については、バブルだとは考えられていません。それは単なるまともな経済現象です。
僕が提唱している「ポリバブル理論」は、それとは異なります。「膨らむもののうち、最後にしぼむことが確実なのに、長い間持ちこたえるもの」を「ポリバブル」と呼ぼう、ということです。
==========
ポリバブルとは何か。
こどものおもちゃ、玩具で、チューブからストローに液体をからめて、「ぷーっとふくらます」おもちゃがありますね。
ポリバルーンとかプラバルーンと呼ばれるものです。
あれは「泡」そのものですが、外壁にあたるものの性質がある程度強いため長い間形を維持することができます。
ハードシェル(硬い殻)なバブルだと言い換えてもいいでしょう。(ハードシェルバブル)
このポリバブル理論は、「価値が膨らむ」→「それが一定期間維持される」→「最後はしぼむ」ことを想定しています。
そういう意味では、バブル(経済)と本質的には同じなのだけれど、気付かれないもの、を指します。
なぜ、マンション購入が「ポリバブル」だと言えるのか。それはこういうことです。
==========
マンションの建設とは、平屋であれば10軒の家が建てられる敷地を押さえて、そこに高層で建物を建てるということです。
高層にするため、たとえば、10軒分の敷地に対して、実際の部屋数は10階建てで計100軒の戸数を確保できることになります。
この時点で、バブルの膨らむほうが発生します。実際の価値に対してざっくり10倍の価値肥大を起こすことができます。(10倍欲しい人を発生させることができる)
問題はここからです。
マンションの場合、10倍に膨らませた価値を、躯体レベルでおそらく60年程度維持できることになります。つまり60年間、建物は持つ、ということです。
ところが、60年後、この価値はどうなるでしょうか。
法律的には「区分所有」といって、100分の1の権利をそれぞれが保有することになりますが、実際にはそれは「マンション躯体」があってはじめて成立することになります。
そう、ここで現実には「バブルが崩壊」するのです。
60年後、躯体がダメになった時のバブル崩壊率(笑)について考えてみましょう。最初に10倍に膨れ上がった価値肥大が、いくらに集束(戻ってくる)かわかりますか?
一見10分の1になるように思えますが、このバブルの場合、もっとひどいことに100分の1に集束して凝集してきます。
60年後のマンションの価値判断、価値基準はたったのひとつに戻ります。
それは「建て直すか、つぶすかを意思統一する」というたったひとつの決断です。
建て直す場合、「相応の追い金(追加費用)をして、10倍になった価値肥大を維持する」ことができます。つぶす場合、10分の1に価値を引き戻すことになります。
しかし、価値を維持できるかつぶすかは、「一瞬の判断」「一つの結論」を経ないと無理ですから、簡単に言えば
「所有者の意思を100分の1に統一」する必要があるということです。
これははっきり言ってかなりのリスクですね。バブルは60年間しか維持できないことが最初からわかってるわけですから(苦笑)
==========
よく似た話をもう一つ僕らは知っています。
一回建設すれば、40年間おいしい思いが出来ると思われていた「原子力発電所」ですが、廃炉に「うん十年」かかることや、その他のリスクも明らかになってきました。
原発利用とはある意味「ポリバブル」の活用なのかもしれません。
経済学者さんによっては「ポリバブル」であっても、「その期間を有効に使えるはずだ」という論証を考える方もきっとおられることでしょう。
しかし、本質的に、「ポリバブルはまっとうな経済現象に惑わされ易いが、その本質はやっぱりバブル」だとすれば話は変わってきます。
さあ、世界の賢い人たち、ポリバブル理論を制圧してノーベル賞を取ってみませんか?!
そんな昔の話の載っているブログはこちら↓
吉家孝太郎のマイホームあれこれどれそれ
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300
さて、今日は久しぶりにおうちの話を思い出しながら書くのですが、なんとここで
STAP細胞もビックリ!な新しい理論を提唱しながら話を進めます。
まあ、気楽に読んでくださいな。
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「バブル」なものがヤバイ、ということは現代日本人なら実際にバブル時代を経験してきて体験的には知っているわけですが、バブル時代を享受した人からすれば
「あんなおいしい時代はなかったなあ」
という感想でもあり、
「しかしまあ、あんなにお金がお金を生むはずはないわな。はじけて当たり前だよな」
ということもなんとなく納得しているはずです。
さて、バブル(経済)とは簡単に言えば何か。
それは実際の価値以上に「それを欲しい」と思う人の数が増えることです。
たとえば、チューリップバブルというのがありました。オランダでチューリップが「価値があるらしい」と誰かが思い、それが伝播してみんながチューリップの球根を追い求めた結果、値段がべらぼうに上がって、最終的には
「チューリップにそれほど価値があるわけではない」
という当たり前のことに気付いて一気に価格が下落した、という史実です。
日本経済におけるバブルは、「株式や土地」を対象にして、「それを欲しい」「それに価値がある」と思い込んだ人たちが激動の日本史を形成しました。こんなのは、みなさんもご存知のはずですね。
となると、そもそも実際の価値以上に「欲しい」と思う人が増えているだけですから、実際の価値と乖離して価格が上がってしまうと「欲しい」人が急激に減るわけです。
そうするとバブルははじけます。
今度は、誰も「買ってくれなく」なるわけで、価格は急激に下がってしまいます。
==========
ここまでは、たいした話ではありません。そして、世界のどこでも「ああ、できるならバブル経済になることは避けたいよね」と思いながら毎日暮らしているはずです。
ところが、急激に膨らんで急激にしぼんでしまう、いわゆるみなさんの知っている「バブル」に似ているんだけれど、誰もそれが「バブル」だと思っていない現象があるのをご存知でしょうか。
それが、「マンションの購入」です。
ここから先は、僕の仮説です。
マンションの購入が「バブルに似ている」なんてことを現代の誰も信じちゃいないと思いますが、僕はこんなふうに考えています。
『バブル経済は、一気に膨らんで一気にしぼんでしまうので混乱をもたらすけれど、ゆっくりふくらんで、ゆっくりしぼむものや、膨らんでから一定の期間その形を維持するものは、気付かれない』
のではないか、と仮説を立てているのです。
経済学的には、「ゆっくり膨らんで実態経済のインフレと同調しているもの」については、バブルだとは考えられていません。それは単なるまともな経済現象です。
僕が提唱している「ポリバブル理論」は、それとは異なります。「膨らむもののうち、最後にしぼむことが確実なのに、長い間持ちこたえるもの」を「ポリバブル」と呼ぼう、ということです。
==========
ポリバブルとは何か。
こどものおもちゃ、玩具で、チューブからストローに液体をからめて、「ぷーっとふくらます」おもちゃがありますね。
ポリバルーンとかプラバルーンと呼ばれるものです。
あれは「泡」そのものですが、外壁にあたるものの性質がある程度強いため長い間形を維持することができます。
ハードシェル(硬い殻)なバブルだと言い換えてもいいでしょう。(ハードシェルバブル)
このポリバブル理論は、「価値が膨らむ」→「それが一定期間維持される」→「最後はしぼむ」ことを想定しています。
そういう意味では、バブル(経済)と本質的には同じなのだけれど、気付かれないもの、を指します。
なぜ、マンション購入が「ポリバブル」だと言えるのか。それはこういうことです。
==========
マンションの建設とは、平屋であれば10軒の家が建てられる敷地を押さえて、そこに高層で建物を建てるということです。
高層にするため、たとえば、10軒分の敷地に対して、実際の部屋数は10階建てで計100軒の戸数を確保できることになります。
この時点で、バブルの膨らむほうが発生します。実際の価値に対してざっくり10倍の価値肥大を起こすことができます。(10倍欲しい人を発生させることができる)
問題はここからです。
マンションの場合、10倍に膨らませた価値を、躯体レベルでおそらく60年程度維持できることになります。つまり60年間、建物は持つ、ということです。
ところが、60年後、この価値はどうなるでしょうか。
法律的には「区分所有」といって、100分の1の権利をそれぞれが保有することになりますが、実際にはそれは「マンション躯体」があってはじめて成立することになります。
そう、ここで現実には「バブルが崩壊」するのです。
60年後、躯体がダメになった時のバブル崩壊率(笑)について考えてみましょう。最初に10倍に膨れ上がった価値肥大が、いくらに集束(戻ってくる)かわかりますか?
一見10分の1になるように思えますが、このバブルの場合、もっとひどいことに100分の1に集束して凝集してきます。
60年後のマンションの価値判断、価値基準はたったのひとつに戻ります。
それは「建て直すか、つぶすかを意思統一する」というたったひとつの決断です。
建て直す場合、「相応の追い金(追加費用)をして、10倍になった価値肥大を維持する」ことができます。つぶす場合、10分の1に価値を引き戻すことになります。
しかし、価値を維持できるかつぶすかは、「一瞬の判断」「一つの結論」を経ないと無理ですから、簡単に言えば
「所有者の意思を100分の1に統一」する必要があるということです。
これははっきり言ってかなりのリスクですね。バブルは60年間しか維持できないことが最初からわかってるわけですから(苦笑)
==========
よく似た話をもう一つ僕らは知っています。
一回建設すれば、40年間おいしい思いが出来ると思われていた「原子力発電所」ですが、廃炉に「うん十年」かかることや、その他のリスクも明らかになってきました。
原発利用とはある意味「ポリバブル」の活用なのかもしれません。
経済学者さんによっては「ポリバブル」であっても、「その期間を有効に使えるはずだ」という論証を考える方もきっとおられることでしょう。
しかし、本質的に、「ポリバブルはまっとうな経済現象に惑わされ易いが、その本質はやっぱりバブル」だとすれば話は変わってきます。
さあ、世界の賢い人たち、ポリバブル理論を制圧してノーベル賞を取ってみませんか?!
2011年8月5日金曜日
不動産を読む なんでこんなとこが人気なの???の不思議なまち
ぽぽぽぽーん こんにちは 流浪の不動産ウォッチャー吉家孝太郎です。
最近不動産ウォッチャーらしい仕事をしていないので(笑)、今日は不動産ウォッチャーらしい内容で書きます。
まず、最初に見て欲しいのは2010年版の「東洋経済住みよさランキング」!
去年のデータなので、ちょびっとごめんなさいなのですが、こんな感じです。
「住みよさランキング(近畿)東洋経済」
http://www.toyokeizai.net/business/regional_economy/detail/AC/c49868320594ad2b5caf5016a160f20b/page/4/
これ見て、関西在住の人なら「あれ?」と思う箇所があるはず(^^;
事実、ボクも最初見たときは、「あれ?」と思いました。
住みよい町ランキングの上位に、全国のみなさんもおなじみ「芦屋」が入っているのはわかります。
あと、大阪の「箕面」とか、兵庫「西宮」とか「宝塚」とか、もう聴いているだけで住みよい感じ満点のおしゃれな町が並んでいるのですが、
・・・注目!!
5位の兵庫県「加東」って?!
関西人でも、西宮や宝塚より魅力的なまち「加東」ってどこやねん!と思う方が少なくないはず(笑)
ましてや関西以外の人にとっては、まったくもって寝耳に水の
兵庫県で「芦屋」に次いで住みよい町「加東」
の出現にはてながいっぱいだと思います(^^
それもそのはず、加東市は平成の大合併でつい最近「市」になったばかりで、その前は「町」でした(^^
中国道でいうところの「滝野社」インターのあたりが加東市になります。
さてこの加東市、なんと鉄道が通っておりません!!
道はといえば、ちょっと大きい国道が明石までつながっていて、高速のインターがあるくらいで、「駅近」なんて夢のまた夢なのです!
・・・でも住みよい町(^^
この辺は、都会にお住みの方々にはわかりにくい謎のポイントがあるのです。
加東市の方に遠慮しながら言いますが、実際このまちは「田舎」です。大阪に出るなんて、「どうやって出るのが近いのか、ヨシイエもようわからん」ほどで、せいぜい車で神戸に1時間ぐらいあれば到着するくらいの田舎なのです。
では、なぜこのまちが「住みよいランキング」に入るのか、を分析してゆきましょう!!
実は加東市やその周辺の小野市などには、世界に名だたる大企業の工場がたくさん立地しており、高速と国道のトラックアクセスの上で、流通拠点になっています。
ということは、その工場で働く、「管理職」やら「中堅の人」なんかが、それなりにたくさんおられるわけで・・・。で、その人たちが「もう、つぎの移動で別の工場にいかされることはないかな~」なんて思ったりすると、家を建て始めるのです!
なので、加東市にはそこそこのハウスメーカー展示場がたくさんあり、実際に建ってます。
おまけに、兵庫教育大の付属小学校などがあり、「教育に関心がありますのよ、おほほ」なハイソなお母様方にも人気の教育環境が整っているのです。
大企業なので、お金があり、お子様も嬉しい学習環境で、おまけに買い物はただのスーパーなのに「成城石井」と契約した「スペシャル輸入食品コーナー」までがくっついているというこれまたハイソな食環境まで充実している「おっそろしい町」なのです!!!
どうですか?なんとなく、兵庫県のど真ん中で鉄道もない町で繰り広げられている「おだやかな暮らし」がイメージできてきたのではないでしょうか?(^^
いや、実際にいい町だと思います。
暮らしというのは「都会」か「田舎」かでは単純に片付けられないことがたくさんあります。
そして、ちょびっと郊外のほうが、意外に充実した暮らしがあったりするのが不動産ウォッチの楽しいところなのです。
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