もともと、不動産マニアなところがある吉家ですが、最近は、国家に関わる大きな話(大風呂敷?!)ばかりしていて、面白おかしいおうちの話をする機会が減っております。
さて、以前より不動産投資家さん向けのサイト「健美家」さんが面白いな~、と思ってみていたのですが、とくにコラムの欄が読んでいて楽しい!
不動産投資コラム「健美家」
http://www.kenbiya.com/column/list
私も建築関連業界の隅っこのほうで、暮らしているので、勉強になります。
さて、そのコラム連載陣の中でも、ものすごく考え方が似ていて好きなのが原田ミカオさん。
原田ミカオのゼロから学ぶアパマン建築入門
http://www.kenbiya.com/column/mikao
この方は建築家(設計士)&某大学の先生だそうです。
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原田さんの理論が好きなところは、やっぱり「不動産投資」というどちらかといえば経営・経済的側面が強いお話の中に、「建築・構造・つくり」に注目した目線での話題が多いところです。
原田さんのお話を1話からずっと読んでいただくと、私ヨシイエが旧ブログやらで書き散らかした内容とよく似た話がたくさん出てくるのがわかると思います。ああ、おんなじこと考えている人がいるんだな~、と嬉しくなりました。
『(太陽光)ソーラーパネルって、電気代の前払いなだけじゃないの?』(36話)
とか、私もよく言ってましたね~。懐かしい。
あと、何はともあれ原田さんのすごいところは、建築家さんなのに「デザイン」よりも、いきつくところは「単純で明快な構造と、水を防ぐこと」だと達観なさっているところ。
詳しくは原田さんのブログをじっくり読んでもらうとわかりますが、
「形は1階と2階がそのまま立ち上がった真四角な家がベスト」
「屋根は勾配屋根で、軒と袖(壁よりも屋根がぐるりと飛び出している部分)を出して、切妻屋根」
「屋根(・材)に穴をあけるな」
「シーリングは当てにしない」
などなど。本当にその通りです。
そうしたことを設計の面と、実際に物件を購入・所有して手直ししている実体験の両方から見ておられるので、リアルに面白いのです。
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さて、原田さんの理論を読みながら思ったこと。
ほとんどの人はマイホームにまず、最低限そして最初に考える条件というものがあると思います。
それは「雨漏りがない家であること」!
全ての人がかならず、新築だったら「ずっと雨漏りしませんように」と思うし、中古だったら「雨漏り箇所がないかな」と真っ先に思うところ。
でも、これまたほとんどの人は、
「屋根にまったく関心がない」
のが現状です。 屋根の形や材料が雨漏りに関係あるとか、屋根の材料によって後のお金のかかり具合が変わるとか、屋根の色と温度の関係とか、
ほとんどなーんにも考えない
のです。(教えてもらってないから知らない、というのもあります)
で、TRICKの上田教授のセリフを借りて言うなら、
「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」
と言いたいのがヨシイエの本音であります。
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特に近年、壁から屋根がまったく飛び出さず、そのまま「箱」になっている家や、屋根の傾斜が片側だけの家、屋根の傾斜(勾配といいます)がゆるい家などが、やたら増えました。
これは一般のヒトには「ああ、流行のデザインなんだな」とか「目新しくてかっこいいな」と目に映るのですが、
ぶっちゃけ、まやかしです。
屋根が壁から飛び出さなかったり、飛び出す長さが短いのは「屋根を工事する面積を減らして安く上げよう」という魂胆です。
勾配がゆるいのは、「その分ギリギリまで垂直の壁が取れるから部屋を大きく見せられる」ということです。
板金屋根が増えているのは「安く上がる」からです。そして、「瓦屋根は重いですよ、地震が怖いでしょ?」と言っておけば、何も知らないパパママはすぐに納得します。
(屋根を軽くした分、柱も細くしているのですが、そこまで説明しません)
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原田さんじゃないですが、実際に建築の現場にいるものからすれば、箱形で屋根が飛び出していない家は、屋根と壁の継ぎ目のシーリング(シリコンとか、パッキンとか)が劣化すれば、かならず水が
じゃじゃーじゃーじゃー!
と直接入ってきます。
板金屋根と瓦屋根の熱伝導率は、考えればすぐわかりますが、夏と冬の電気代に直接影響します。
そして、「電気代を安くするために太陽光のせましょう!」と屋根に穴をズボズボ開けてパネルをビスで取り付けるわけです。
そりゃ、「すぐダメになるように元から設計されている」と思ってしまうほどです。
まあ、コストの低い住宅にはいろいろと問題もあるのですが、最終的には、「大きな笠を被っていれば、雨風はなんとか最低限しのげるというのがヨシイエの基本理念ですから、
ほかのところは差し置いても、屋根にはベストを尽くす
ということを頭の片隅に置いてほしいなあ、というところ。
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