前回の記事、「年収300万円からのピケティ入門」では、貧しき者や庶民がいかにして資産を形成してゆくか、という実践的技術についてお話しました。
ピケティによれば、お金を生む資産を持っていることは、頑張って給料を上げることよりも優位であるということでした。
そこで提案したのが、
理論的には、築35年のボロ一戸建てを買い、更地にしてでも売り払っていくことで、賃貸住宅に住むのでは得られない、
勝手に貯まる現金資産
を生み出そうというテクニックでしたね。これは、建物の現実的耐用年数なども勘案しながら遂行しなくてはならないため、
築50年でも、築100年でも、築150年でもOK
というわけではけしてありません。そこまでいくと建物が壊れていることが大半だからです。
しかし、築35年の激安物件を5~6年スパンで更地にしてゆく作戦だと、2~3回繰り返せば、最大で1000万近く叩きだすことも夢ではありません。
なぜなら、それくらいの激安戸建物件は、そもそもの売値がすでに「土地だけの値段」だったりするからです。土地だけの値段のものを土地だけの値段で売買できれば、何年住もうが下がりようがありませんね。
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さて、前回のおさらいはこれくらいにしておき、今回はもう少し普通のサラリーマンさんのための
ふつうなあなたのためのピケティ実践編
とお届けしましょう。
資産とは何か、をもう一度思い出してください。
①保有しているだけでは資産ではない。売れたときにはじめてその金額の資産であったことに気付く。
②保有しているだけでは資産ではない。利子や利息を生む形ではじめて資産として生きてくる。
③保有しているだけでは資産ではない。それを担保に借りられる金額が資産ととしての価値である。
( このうち、③について、ほとんどの場合正当な値つけの金額よりも、貸してもらえる金額は下がりますので、特殊な状況下でしかこの機能はあまり使いたくない、やりたくないことはみなさんにもすぐわかると思います。
切羽詰って仕方がないので、③の方法であるモノやある不動産を資産化するだけのことで、利益を上げるためには通常使わない方法だということになります。 )
というわけで、平均的サラリーマンのボクや私にとっては、①か②の方法で戦うことになります。
でもって、また振り返りますが、前回の記事で説明したのは特に①の方法、
「資産を資産として形にするために、買ったボロ家を売り払う」
というテクニックでした。
しかし、これだと、平均的サラリーマンのあなたは我慢できても、あなたの奥さんはボロ家を転々とすることに激怒すると思うので、別の方法を探して差し上げましょう、というわけ。
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そこで注目するのが②の方法です。ある資産が、利子や利息、そのもの以上の利益を生んだとき、それを「資産」と呼ぶわけですから、さっそく利益を出させてしまおうじゃありませんか。
これは、普通のサラリーマン、普通の生活者誰にでも実践できることなのです。
たとえば、月収30万円の一家がこれまた月8万円の住宅に住んでいるとしましょう。年間の住宅費は、8×12=96万円ということになります。
そこで、誰もが一度は悪魔のささやきに声を掛けられるわけですが、
96万円×35年=3360万円
なので、
3000万くらいのマンションとか、買っちゃいなYO!家賃と同程度だYO!
という話が持ち上がってくるわけです。
まー、大半の人はこの殺し文句にやられてますので、大きな声ではいいたくないのですが、
35歳の時に、35年ローンで3000万円のマンションを買ってしまった平均的リーマン
は
70歳の時に、売値800万くらいに下がった築35年のマンションを所有している
ことになるわけです。それを資産化しようとすれば、70歳の時に800万で売ればいいので、
800万円の資産
が手に入ります。ああ、よかった。
でも、ちょっと考えるとすぐわかりますね。70歳の時に800万円の現金があっても、年金がもらえることをちょこっと横において考えれば、
約2年ちょいで使い果たしてしまう金額
でしかないことがわかると思います。実際には、年金を多少はもらっているでしょうので、そこまで早くなくなりはしませんが、概ね75歳くらいで無くなってしまうレベルのもんだということです。
ちなみに、もし800万円の資産に変換しようとすると、70歳にして賃貸アパートを探さなくてはいけないこともお忘れなく。
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まあ、上記のようなことを日本中の平均的サラリーマンが実践しているわけです。そりゃみんな滅びの方向へ行くに決まっています。
ほとんどすべての平均的サラリーマンは、資産を形成するどころか、なんかよくわからないけれど、何にも残らないわけですから。
そこで、ピケティ理論を応用して考えます。上のライフプランのどこに問題があるかといえば、3000万円のマンションが、一切「資産形成をしてない」ところに問題があるわけです。
ざくざくっと言えば、3000万円のマンションは、800万円の資産にしかなっていないので、実は
2200万円の負債だった
ということがわかるのです。
じゃあ、どうすればいいのか。簡単です。ベースとなる賃貸の家賃が8万円だったわけですから、年間の住居費が96万円でしたよね。
すると、70歳時点をある意味人生の仮の終着駅だと仮定するのであれば、そこから生み出したい資産を逆算すればいいのです。
ええい!96万だとわかりにくいのでざっくり100万としましょう。
100×35年間=3500万
というのがざっくりの公式です。
70歳時点での資産を2000万円にしたければ、1500万円の中古の家を買えばいいのです。簡単です。
意味わかります??
1500万円の中古の家を買えば、ローンを払うのは、年間100万円(96万でもいいけど)で15年間、です。
つまり、50歳の時には、残債がゼロになり、そこから月8万円貯蓄すれば、70歳時点では2000万円貯まっているわけです。
おまけに、その家を売り飛ばすことを考えれば、仮に400万円にしかならなくても、2400万円の資産が残る計算です。
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何が言いたいのかわかりますでしょうか?
3000万円の家は、3000万円分の価値があるわけではないのです。
1500万円の中古の家も、3000万円の家も、住んで生活できるという価値は同じなので、(多少の痛み具合の差は出てくるにしても)
支払う金額が安ければ安いほど、それを使い続けたことで生まれる利益は大きくなる
のです。
まさにピケティ理論!!ある資産がどのように利益を生み出すのかを実例で示してますね。
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これの最もわかりやすい例が、
「別に家借りたり買わなくても、実家があるからそこに住めばいいじゃん」
というやつです。これもまさにピケティ!!!
親の資産があるほうが、絶対に有利なのです。だって、支払う金額が最初からゼロで、住める価値があるんだもん。
というわけで、普通なサラリーマンのあなたは、ぜひおくさんと楽しいお得な中古物件探しにでかけてください。
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