2015年2月17日火曜日

<1>年収300万円からのピケティ入門 ~貧乏人のためのピケティ実践~

 フランスのトマ・ピケティというおじさまが「21世紀の資本」という本を書いて、日本でも大ブームになっているようで。


 おじさまの言っておられることは至極簡単で、これまでの歴史的なデータをたくさん集めて調べてみると、


「資産を持っている人が、資産から得られる利子は、働いて手に入れるお給料よりも多い」


ということになるそうです。


 なので、


「お金を持っている人はよりお金持ちになり、貧しい人との格差が拡大する」


というのが、彼の主張なわけで。


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 で、この話をどのように扱いたいかというのは、それぞれの主義主張によってニュアンスが変わってきます。

 ピケティさん本人は、格差が広がるのはあんまりよくないので、金持ちから貧しい人に再分配しないとダメだよね、的な考えに至るのですが、ここから何を教訓にするかはみなさんの自由にしたらええんちゃう?


 というわけで、じゃあ、その理論をもとに「お金を持っていない庶貧民はどうやって戦えばいいのか」ということをヨシイエ的には主張しようと思います。


 え?そもそもピケティが、「貧しい者は絶対負ける勝負だぜ」と言ってるのに、それをどうやって覆すというのか?!



 そこがヨシイエ理論の面白いところです。ヨシイエは基本的に貧しいものの味方なので、今日は


「年収300万円のボクがピケティ理論を実践したらこうなった」


スペシャルでお届けしましょう。


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 そのためには、ピケティ理論をもう少し現金化して考える必要があります。一般論ではなく、具体例で考えてみましょう。


 例)親からの資産が数億ある人は、その利子や金融証券などの配当で月20万円になったりする。

 例)親からの不動産がある人は、そこからの賃貸家賃収入などで月20万円になったりする。


 ということは、その人が普通に月20万円の仕事をしたら月給40万円になる。


 資産がない人が、月20万円の仕事をしていて、めっちゃ頑張って月40万円になったとしても、そこでようやく一緒になるだけで、資産がある人も頑張ったりしたら、絶対においつけない。


 そういう事例をたくさん集めてゆくと、結局資産がある人に対して頑張った人が勝てる勝率は低く、結局資産があるほうが勝ちということになる。



 まあ、ざっくり言えば上のような流れです。わかりやすいですね。そりゃ資産があるほうが最初から有利なので、資産がある人は次の世代、その次の世代に渡っても資産が増える傾向にあるということです。



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 じゃあ、我らのような年収300万円の貧民がピケティ理論を応用して勝つためにはどうしたらいいのか!

 その超簡単な方法を伝授いたしませう。


 

 まず、最初に覚えておいてほしいのは、「資産」というのは持っているだけでは資産ではないということです。これは勘違いしないでほしい、最低限のルールです。


 たとえば、100万円の花瓶を持っていてもそれは資産ではありません。もし割ってしまったら0円ですから、資産であるためには「割れないこと、かつ売れること」が条件になります。

 その花瓶を売るときにもし1万円にしかならなかったら、それは「1万円の資産」を持っていただけです。


 200平米の土地を持っていたとしましょう。その土地は、100万円の価値があるとします。しかし、持っていただけなら、毎年固定資産税が(仮定ですが)2万円かかるので、50年間で価値はゼロになるし、51年目からはマイナスになったりします。


 しかし、その土地を駐車場として貸せるなら、毎月少しでも現金を生みますから、100万円の50年後の収支は、恐らく増えているはずです。

 これはピケティの言うところの「資産による利子、リターン」に当たります。


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 で、第二段階です。第一段階で「資産は持っているだけではダメ」ということをお話しましたが、もうひとつだけ資産が「資産としてのパワーを発揮するとき」というのがあります。

 それは「売れた」時。です。

「100万円の壷が100万円で売れたら100万円の資産」だし、「100万円の土地が100万円で売れたら100万円の資産」だったと後から気付くことができます。


 後から気付く、を太字にしたのは意味があります。何度も言いますが、持っているだけでは資産ではないので、「売れた」ら資産だったと再確認できますが、「売れなかった」らまったく資産にはなりません。


(これの応用編で、別に売らなくても、それを担保にお金を借りることができる場合は資産とみなすことができます。もちろん、その場合は100万円の土地は80万円くらいに価値が下がるかもしれませんが)


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 ここまでまとめます。

 資産が資産としてパワーを発揮するのは


① 利子を産むとき

② それが売れたとき

③ それを担保にお金を借りられたとき(お金を返せずに取り上げられてもOK)


の3つということですね。


 さあ、この基本を踏まえて、貧しいサラリーマンや、派遣社員が「ピケティ」理論で戦いを挑むことにしましょう。


 ピケティの公式によれば、「資産が産む価値は労働による給料アップより多い」わけですが、だったら


私たちは給料でもらったお金をいかに資産に変換するかを考えればいい


ということになります。


 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、20万円で売れた場合はトントンです。

 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、10万円でしか売れなかった場合はマイナスです。

 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、21万円で売れた場合はぴけてぃーーーー!!!です。


 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、毎月1000円ずつでも利子が生まれるならば、これもぴけてぃーーーーー!!!です。


(ここはミキティーーーー!!!!風に読んでくださいね)


 


 さあ、じゃあ一体どうすればそんなことが可能なのか!!!!ここにはいろいろ制約があって、私たちは月20万円もらっても全額資産化なんてできないので、実際には、衣食住にかかる費用などをさっぴいた残りで戦わなくてはいけないことになりますね。



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 というわけで、いよいよ本丸に近づいてきました。


 庶貧民による、庶貧民のための、ピケティ実践編。


 その、第一の方法は、


「月20万円のうち、できる限り多くを貯蓄(金融資産化)する」


というものです。まあ、これはぶっちゃけ軽いジャブみたいなもんですが、あなどれません。


 大きな資産を持つ人の多くは、基本的に単なる消費に対しての貯蓄率が高いのです。年収が低くても、派遣社員でも、貯蓄が上手な人はたくさんいます。

 この方法は、時間がかかりますが、確実に資産が増えることは確かです。その意味では、全くのノーリスクであるところがすばらしい。


 
 第二の方法は、


「不動産スーパー大回転スペシャル」


というものです。これは、むちゃくちゃ面白い大技です。


 ピケティによれば、稼ぎは「リターンのある資産」に勝てないわけですから、月20万円の給料のうち、早々に資産化すればより最終儲けは大きくなるということです。


 そこで、不動産というわかりやすい資産を使って、大技を繰り出してみましょう。


 月給20万円のあなたが、月5万円のアパートに住んでいるとします。そうすると、月々5万円のマイナスが発生しているわけです。


 ところが、不動産を所有してそこに住めば、そのマイナスは発生しなくなります。


(と、このへんまでは、そこらへんにいる住宅セールスマンとおんなじですが、ここからが違います)


 ここで、おろかな人たちは、「家賃と同額ぐらいですよ~」という口車に乗せられて「マンションを35年ローンで買って」しまったりするのですが、それでは単なる


 アホ


です。


 ピケティ理論に戻ってください。資産は持っているだけじゃだめなんです。

 売るか、利子を産むか、借りるかした時じゃないと、資産は機能を発揮しません。


 35年ローンでその不動産に住んでるだけでは、35年間まったく機能を発揮しないのです。


 いいですか?「売れば」機能が発揮されます。ということは売れるまでの期間は短いほうがいい。

あるいは「賃貸にして貸せば」利子を生みます。これは逆に長い期間のほうがいい。


(最後の「不動産を担保にお金を借りる」のは今回は使いません)



 日本経済が上向きの時は、不動産を買ったときと売った時の差益があったので、誰でもピケティできました。

 ところが今はそうではないので、そのまま売買するだけではダメです。損をします。


 貸す場合は、住宅ローンの利子よりも、家賃収入が大きければOKです。これはいわゆる不動産投資というヤツですね。




 そこで、ヨシイエ的には、庶貧民が少ない元手・少ない給料でかつ最大限にピケティできる方法を編み出しましたのでそれを紹介しておきます。


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 月20万円の給料の人が、月5万円のアパートに住んでいるとしましょう。

 そのうち月5万円を資産化するために、300万円の築35年くらいのボロ建売住宅を買います。

 その家に、5年~6年住みます。

 そうすると、300万円をローンで買ったとしても、月5万×12月=60万 60万×5年=300万で、利子を乗せてもだいたい6年くらいで元が取れるわけです。


 ここで2つの選択肢があります。


 ボロ家に住み続けたい人は、住んでOKです。そうするとそこから建物がいかれてどうしようもなくなるまでは


 月5万円浮く


ので、月5万円のリターンが発生することになるわけです。



 その家を出たい人は、出てしまいましょう。300万円で買った家が300万円で売れるとは限りません。

 もう、なんなら200万円でもいいです。いっそ、100万円かけて解体して土地だけ200万にして売ってもいいです。それだと100万円残ります。


 この場合は、100万円~最大300万円の現金が手に入ります。これが売った時の資産パワーです。




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 アパートに5年住み続けるのと、ボロ家を300万円で買うのとでは、5年後がまったく異なります。

 方や何も残らず、方や100万円の現金が生まれているという違いです。


 この違い、この差、このリターンが、



 ピケティーーーーー!!!!



なんです。


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 今回はわかりやすく、300万円のボロ戸建を例にしましたが、あなたの住んでいる地域や、あなたの仕事、給料などによって、この


リターンがある物件の内容や価格、損益分岐点は人によって違い


ますので、いろいろと考えてみてください。


 基本的には、安い家で長く住めるほどリターンは大きくなります。また、築40年近いマンションだと次の買い手はつきませんが、築40年でも木造だと更地にして土地の値段だけにすれば、どうにでもなります。

 このあたりの匙加減は、頭を使ってくださいね。







 

 





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