2019年3月11日月曜日

【たのしい裁判入門】 第1話「山田太郎を追え~見えないあいつをカーチェイス~」⑤



(このシリーズは、事実を元ネタにしたフィクションです。ちょっくら、いろいろいじくってありますのでご了承ください)


好評(なのか?)連載中の「たのしい裁判入門」のコーナー。前回は、夜逃げした山田太郎を追うために、東大阪の市役所へ向かうぞ!というところまでで終わっていました。

今回はその続きです(^^

朝から会社を出発して、とりあえず必要と思われる書類をそろえて東大阪市役所に向かった吉家青年(なのか?・・中年かも(^^;)は、窓口で住民票を取る手続きをしました。

ちなみに他人が住民票を取る手続き、というのはそのころはまだ簡単で、こっちの住所と氏名を申請書に書いて、免許証を見せるだけ、あとはせいぜい山田太郎との商取引の証拠になる納品書と請求書の写しを提示するぐらいでOKでした。

「おおお!なんて簡単に他人の住民票がとれるんだ!」


と小さく感動して、さっそく引っ越し先を見ます。

「・・・藤井寺市?!」

まじかよ~と思いながら、やるべきことはひとつ!そうです。今度は藤井寺市役所へ行って、おなじ作業です(☆_☆;

どうせいないんだろうなあ~と思いながら市役所の門をたたくと、

「・・・柏原市?!」

つぎは

「・・・神戸市?!」

と、まるでガキの使いのように、車を走りまわすだけ、という時間が過ぎていきます。

そうです。山田太郎の後を追跡するには、とりあえず市役所を回りまくる、という物理的移動をせざるを得ず、朝からボクは走り回ったわけです。

で、神戸まできたら4時過ぎ・・・。山田のやろ~いったいどこまでこの転居地獄が続くんだ!と思いつつ、神戸市役所で取った住民票には、「姫路市」とありました。

「姫路か・・・、間に合うかなああああ」

姫路市役所の窓口が閉まるのは5時。いま4時過ぎ!ということで、萎えそうになる心を奮いたたせてぶっ飛ばします。いや、制限速度で走ります(笑)

「もういいじゃん、また今度にしよ~」という心と、「いや、ここまで走り回ったんだから絶対つかまえてやる!」という心が戦いながらアクセルを回します。

ハンドルを握る顔つきが、まるでアクションスターみたいになってます(笑)

いったい何と戦ってるのかわからないけど、とにかく見えない山田太郎を追ってぶっ飛ばすのです!なんとか4時までに入りたい!!!

というわけで、姫路市役所に滑り込んだのは、4時50分。大慌てで書類を書きます。

「おおお、お願いします!」

と汗だくで、申請書を出す吉家青年(なのか?笑)



そして、もらった住民票を見て、

「うおっしゃああああああ!!!」

と思わず雄たけびを上げてしまいました。

転居先の欄が、「空欄」だったのです!そう!山田太郎は姫路にいる!(はず)

ついに、ついにヤツの尻尾をつかんだ!と姫路市役所のロビーでニタニタする吉家青年でした。


そこで、ハタと気付きます。「あの・・・ボク、山田さんと全く面識もないんですけど・・・」。

ええ?!いきなり、ピンポン押してどこから話せばいいの?おっさんから見たら「お前誰やねん」じゃないですか!

(ええ、ボクから見ても「あんた誰やねん」なんですけどね。山田太郎も通称名だし)

うっわ。いきなり遭遇してディープな裁判の話かよ~。きびしいなあ、とか思いつつ。

夜逃げするような人なんだから、怖い感じの人だったらガクブルやなあ、とか思いつつ。

しかし、そこは恐れるものはないリストラリーマン!

「でもまあ、会えたら会えたで、どないかなるわ!」

と気持ちを切り替えて、ボクは姫路市内の山田氏の住所に向かって走りはじめたのでした!

(つづく。・・・まて次回!山田太郎には会えるのか?!会えたとしても、まともに話ができるのか!頑張れ吉家!頑張れリストラリーマン!)

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