2019年3月13日水曜日
【たのしい裁判入門】 ちょこっと解説シリーズ2
「送達しましょ、そうしましょ!」の巻
前回の「たのしい裁判入門」の次回のあらすじ、で登場した「送達」ということば。
ことばそのものは簡単なんですが、奥が深い裁判用語です(^^
ボクたちが普段使う言葉に直すと、「郵送」とか「配送」とか「配達」に似ている言葉です。
さてさて、裁判所が使う「送達」ということばは、裁判の関係者や当事者に「裁判に関する書類」を送ることを言います。
送って、到達しないとダメなので「送達」なんですね。送りっぱなしでポストにぽん!ではちょっとまずい。やっぱり大事な書類なので(^^
前にも説明したことがありますが、たとえば吉家が訴えられたとして、そのことを全くしらないままだとまずいですよね。
だから裁判所は「あんた訴えられてまっせ」ということを書類にして「必ず」送り届けてくれるわけです。
それは、電話でちょこっと話す、とか、郵便でポストにぽん!ではなく。郵便局の配達係りさんが、本人に
「はい!これ、ちゃんとあんたに手渡したんだからね!聞いてないとか、言わせないんだからね!」
と渡してくれるわけです(なぜツンデレ?(笑))
なので、郵便料金も高いです!!!
普通の定型郵便で80円なのに、書留でもせいぜい数百円なのに、このツンデレおやじがきちんと届けてくれる契約なので、たとえば特別送達だと1000円以上します。
郵便局のボッタクリだ!!!
なぜボッタクリかというと、「建前上はきちんと本人に届ける」というのが送達なのですが、本人がいない場合は、「相当のわきまえがある者に手渡すこともできる」というものなので、ようは家族とか、従業員とかに渡す場合もあるわけです。
・・・それって、簡易書留といっしょじゃん(☆_☆;;;
というわけで、一般的には「送達」とは「裁判書類などが郵送されてくること」とほとんど同義なのですが、実はその秘められたパワーが違います。
一般の郵送はその中に何が書いてあろうと、受け取った側からみたら知ったこっちゃないわけですが、送達された書類は「法的な効力」があります。
刑事ドラマで犯人の前に「これが逮捕状だ!」みたいに逮捕状を突き出すシーンがありますが、(あの逮捕状も裁判所が発行する文書ですね)それと同じで、郵便局のツンデレおやじが配達してくれたとしても、お上の目線では、
「そのほうども、これこれしかじか、かくのごとく申し渡す!わかったか!!!」
と言っているのとおなじ効力がある、というわけです。だから「読んでない」とか「開けてない」とか「知らない」ということが全く持って通用しません!!
逮捕状は持っている警官がえらいのではなく、それを発行した裁判所がえらいので、抵抗してもしゃーないですよね。
だから送達された内容について、われわれ庶貧民は「はは~っ」とひれ伏すわけです。
理屈の上ではね(笑)
ちなみに、裁判所からくるものは何でもかんでも「送達」かというとそんなことはなくて、たとえば「訴えた側」に対して「裁判スタートしましたよ~。相手さんにも書類を〇日に送りましたからね!」みたいな連絡は、ふつうのハガキできます。
「この書類足りないから、そろえてね」とかもFAXで来たりします。
つまり、その文書の法的な「重み(なんせもう、めっちゃ重要なヤツ)」によって、送り方が違う、ということですね。
・・・そんなこんなで、基礎知識を学んだところで、次回はいよいよ恐怖の「公示送達」について物語は進みます(^^ まて次回!
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