2019年3月8日金曜日

【たのしい裁判入門】 第1話「山田太郎を追え~見えないあいつをカーチェイス~」③



(このシリーズは、事実を元ネタにしたフィクションです。ちょっくら、いろいろいじくってありますのでご了承ください)


供託金を返してもらうには、まず裁判所で訴えを起こしていた裁判を取り下げよう、ということになったわけで。で、裁判所とやらに出向いてその手続きの方法を尋ねていたヨシイエでしたが、驚愕の事実に出くわしてしまうのです!

裁判所の事務官は、おだやかに説明してくださいます。

「わかりました。では、まずこの『取下書』に記入をしてもらうことになります」

「はいはい。なるほど、申立人は、上記当事者間の仮差押命令事件について訴えを取り下げます、ですね」

「で、次にあなたの会社と、訴えられている山田太郎さんの住所等を記入した当事者の名簿(目録)をつけて頂いてですね・・・」

・・・。そこで、ちょびっとハテナがいっぱいです。

「あの・・・。どうも山田太郎さんは、いまどこにいるかもわからないらしいので、住所とか書けないっぽいのですが・・・」

「はあ、わからないんですか?」

「はい・・・」

(沈黙)

「うーん、ちょっと面倒ですねえ。それならまず、「山田さんがどこにいるかわからない」という証明をしてもらわないとだめなんですよ~」

どこにいるかわからないという証明???!!!

わからないことを証明ってどうするの??!!

例)宇宙人が存在するかどうかわからないことを証明せよ。

例)ヤマダニジュウヤホシテントウムシという虫がいるかどうかわからないことを示せ。

・・・よくわかりません。まったくもって、どうしろというのか意味不明なんですけど・・・。

驚愕の困惑をしている僕の顔を見て、事務官さんはちょっとだけ、助け舟を出してくれました。

「つまりね。ヤマダさんが元いた住所を調べて、そこから引越し先も調べて、最終的に、その引越し先にもいない、ということを調査して、それを報告書にしてもらわないとダメなんです。こにもいないっぽい、ということを調査報告していただければ次の手段が取れるんですよ」

・・・はい?つまり、刑事検察探偵さんのように「ヤマダを追え」ってこと?

「そうです(にこり)」

「えええ、ど・ど・どうやって調べるんですか?聞き込みとか、探偵事務所に依頼するとかですか?!」

「いえいえ、裁判所ではあくまでも書類に残っていることで判断しますから、まずは住民票がどこからどこへ移っているかを市役所を回って調べることです。で、最終的に、住民票が残っている場所に彼がいなければ、『そこにこれこれ、こういう状況でいませんでした』と報告してもらうんです」

・・・マジすか?!とにかく住民票で、おいかけろ!と。

「それ、郵送とかFAXとかしてもらえるんですかね」

「いやあ、赤の他人が住民票を取得する場合は、原則その市役所にいかないと・・・」

はい。探偵ゴッコ確定!あたまクラクラです。

そんなこんなで、にわか素人探偵になってしまったヨシイエは、山田太郎の足跡をうまく追えるのか?! 

まて次回!!

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