2019年3月15日金曜日

【たのしい裁判入門】 第2話「支払い催促はボクの仕事、支払い督促は裁判所の仕事」①



(このシリーズは、事実を元ネタにしたフィクションです。ちょっくら、いろいろいじくってありますのでご了承ください)


さてみなさん聞いてください。

第一話では、裁判所でいろいろと手続きはしたものの、結局「訴訟の取り下げ」というなんとも後ろ向きな手続きしか体験できなかった吉家&社長ですが、(社長&吉家と書け!とか、そういうちっちゃなことでは怒らないわが社のトップです(笑))
いよいよ第二話からは、もう少し本格的なお話に突入です。

しかし、いくら売掛金を払わない客がいるからといって、すぐに「訴えてやる!」というわけにもいくのかいかないのか。


では、売掛金を回収するのにどういう方法があるのか、ということで吉家&社長はいろいろと事前にお勉強をするわけで。

というか、「お勉強をするのは吉家で、その報告をもとに一緒に考えるのが社長」です。そこんとこよろしく。


「まあ、まずは直接お会いして『払ってください』のお願いをするのが筋ですよね」
と、やわらかくスタートする吉家。

「まあな」と社長。「しかし、それでうまく行っていないからこうなるのだ。そして、親父がそういう顧客をほったらかしにしていたので、こうなったのだ。・・・それは、まあいいとして。ほら、よく聞くじゃないか!『内容証明郵便』を送りつける、とかなんとか」

「ありますね。内容証明というのは、その手紙に書いてあることの中身を郵便局でコピーしておいて客観的に『ほれほれ、こんなこと言ってまっせ』という証拠を取るものですね」


「効くかな?・・・無駄かな?」

「うーん。どうでしょう。少なくとも法的にはなんの力もない作戦ですから、相手さんがビビるかどうか、というそこだけの問題だと・・・」



説明しよう!『内容証明郵便』は、その名のとおり、内容を証明してくれる郵便なのだっ!

ちなみに、ただ、それだけなので、心理的な負荷をかけることはできても、法律的にはなんの意味もない、ということになります。

でも、たとえばクーリングオフとかの場合に、「〇日以内にちゃんと、いらなくなったことを意思表示したよ!」という証拠にはなりますね。特に日付については重要。

単純に「ちゃんと言ったわよ!」とかだけだと客観性がないので、トラブルになったときに証拠がないわけで。なので、そういう用途には有効です。


「そうか・・・。じゃあ、次はいよいよ裁判に訴えるしかないのか」と社長。

「いえいえ、そんなノビ太くんのために、ちゃらちゃらっちゃら~!!」

おもむろにポケットからボクが取り出したのが、コレ!

「しはらいとくそくうううう~!」

「支払い督促?支払いのさいそくをするってことだろう?」

ちょっとばかし社長は不思議そうな顔をしています。

「もちろんことばの意味はその通りです。支払いを早くしてね、と催促することです。ただ、普通の催促は『早く払ってくださいよ』と僕ら営業マンが顧客にお願いや腕ツンツンすることですが、裁判所の場合はもうすこし厳格なものです」

「ふむふむ」

というわけで、みなさんにもわかりやすく説明しますね!


まず、支払督促というのは、お金を貸している側が「あの人に早く払えって言ってやってよ!」と裁判所に申立てをするところから始まります。

そうすると裁判所は「あいつが早く金払えって言ってるぜ、払ってやれよな」と援護射撃をしてくれます。

で、相手が「仕方ないです」と納得すればよし、もし「そんなの知るかボケ!」と納得しない場合は、「なんか、不満があるらしいぜ!」と裁判所はちょっと気合が入ります。

だって、そのまま「ほんまもんの裁判に突入」するから!!!(^^

支払い督促に不服があると、本裁判に移行するのでそこからがいわゆる「裁判」なのですが、相手が100%納得している場合は、裁判にはなりません。

なので、売掛額とかがもう決まっていて、払ってくれない事実が確定している場合は、処理が早くできることが多いのです。


おまけになんと、手続き費用は、本裁判の半額です!50%オフ!バーゲン!

手続き費用も安く、書類も簡単、うまくすすめばそのまま差し押さえまで突入できる。


「うまい!はやい!やすい!」

のまさに裁判界の吉野家・王将のような制度なのです!!!


「よよよ、よし!それ、それで検討してみよう!」

「御注文ありがとうございます!トクソクいっちょ~!!!コーテルイーガ!」


(というわけで、支払督促制度に興味しんしんな次回もお楽しみに!)

0 件のコメント:

コメントを投稿