2014年10月11日土曜日

【高校生のための”人生”の教科書07】第二章 これからの愛の話をしよう

第二章 これからの愛の話をしよう



 第一章では、まずあなたという人間がこの世界の、それもあなたがいま住んでいるその場所に生きている、ということを幾つかの側面からおさらいしてみました。


 それは、どちらかというと”人生”を考える上での「予習」のようなものでした。だって、あなたはすでに、あなたの苗字、あなたの家族、あなたの境遇で生まれてしまったので、それは書き換えることが難しい要素だからです。


 しかし、これからあなたの”人生”を考えるに当たっては、「これから新たに作ってゆくことができるもの」がたくさんあるのも事実です。というわけで、この章では、これまでのことではなく、あなたの人生の「これからのこと」にスポットを当てたいと思います。


 中でも、最初に取り上げるのは、やはり「愛」でしょう。人間という生き物は、いや、すべての生き物は生殖をして、子孫を作って、そしてこの世界に広がって繁栄してきましたし、またこれからもそうなってゆくことがほぼ大前提です。


(もちろん、中には絶滅してしまった種もいるし、これから絶滅する種もいますが、それは、まあ置いといて)


 人類が生殖活動をする上で、その最もベースになっている観念は「愛」です。これは、みなさんのような高校生にとっても「非常に関心のあるテーマ」だと思います。


 みなさんは歌謡曲やポップスを聴く事が多いと思います。音楽は一切聴かずに過ごす現代日本の高校生がいるとすれば、それはかなり希少な種族だと思うので、ぜひ私に紹介してください。


 そんなみなさんが聴いている音楽の歌詞の中には、大半が男女の間のこと、つまり「愛」に関わることが盛り込まれていると思います。


 今、彼氏・彼女がいないあなたでも、「彼氏や彼女に関する話題や、歌詞や、悩みが溢れている」ことは、既にお気づきだと思います。それが、いくら現時点のあなたに無関係だとしても。




 ところで、あなたは「運命的な異性が存在する」と思いますか?


 あなたを含めた男女の恋や愛について、もしかしたら運命を司る神様のような存在がいて、あなたと誰かを結びつけてくれるような、そんな「運命のひと」がいるかもしれない、と思ったことがあるかもしれません。


 人によっては、これを「あたしには、どこかにあたしだけを愛してくれる王子さまが存在するんだ」と思い込んで・・・、いや失礼、思っていることがあるかもしれません。


 さあ、どうでしょう。愛や恋や、運命の相手は神様のような存在によって決められるのでしょうか?


 もし、そうした相手が存在するのだとすれば、あなたの人生の「ある一部分」は、その相手と巡りあうために使われるべきだと思います。人生に注ぐエネルギーのうち、多くの部分を愛のために使ってもいいんじゃないかな、と思いますよね。


 たとえば、誰か好きな人を追いかけて、違う土地に行ったり、仕事を辞めたり、そういうエネルギーを愛のために使う行為も、悪くはなさそうです。


 そこまでではなくとも、「運命の相手と恋をして、愛し合って、子どもを作って家族となり、孫が生まれて子孫まで幸せにくらしましたとさ」、という人生を送りたいと誰もが頭の片隅で願うことでしょう。


 その一方で、現代の私たちの周りを見回すと、「離婚」したり、お父さんかお母さんの一方しかいない片親だったり、親が再婚して再婚相手に虐待されたり、なんて「愛を取り巻く諸問題」が渦巻いていることも知っているはずです。


 結婚する前にも「彼氏に束縛される」とか「彼氏にDV(ドメスティックバイオレンス)される」とか、「彼女だと思っていたら他に男がいた」とか「ブランドバッグを貢がされた」とか、それはもう、「愛を取り巻く大問題」も渦巻いているのです。


 就職しても非正規社員なので、結婚なんてしばらくできそうもない、という人たちもいます。今高校生のあなたたちが、もう数年後には、そういった人生のレールに乗っているかもしれません。


 とにかく、これは大変な事態です。


 この世界には、どうやら「運命の人とめぐり合えた人たち」と、「運命だと思っていたけれど、違った人たち」と、「運命の人に巡り合えない人たち」と、そもそも、「誰とも付き合わなくていいや」という人たちの4種類ぐらいいそうですね。


 あなたは、どのパターンを選ぶことになるのでしょうか。






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