2014年10月13日月曜日

【高校生のための”人生”の教科書09】愛の歴史、愛のメモリー

 前回は、運命の愛なんて存在しないかもしれない、という少々キツイお話をしてしまいました。


 高校生のみなさんにとっては、「それじゃあ、ちっとも夢も希望もないわ」ということになってしまうかもしれません。ですが、それでは、これまでみなさんの先輩方はどうやって「愛」を見つけてきたのか、ということを振り返ってみると面白いかもしれませんね。


 というわけで、今回はみなさん以前の「愛の歴史」つまり「愛の記録、愛のメモリー」を遡ってみることにしましょう。


 第一章で、みなさんの先祖が、どのようにこの世界で生きてきたのかを簡単に振り返りました。お父さん、お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしぶりをなんとなく振り返ってみたのを思い出してみましょう。


 今回のお話は、それに多少連動しています。以前は苗字のつながりだけを追いかけましたが、今回は「家族のつながり」を追いかけることになります。


 
 現代の日本人の男女は、すでに「結婚できない、しない」とか「彼氏彼女ができない、いない、いらない」とか、そういった「愛と無縁」の生活を送る人たちの割合が増加しつつあるところです。


 今高校生であるあなたが、その人たちの仲間入りをするのか、そうでないのかはわかりませんが、一応どちらの可能性もあるので、全般的な話をしておきましょう。




 日本の愛の歴史を振り返ると、「自分が好きな人と自由に付き合ったり、結婚したりできた」という人生を送ることができたのは、ご先祖さま追跡では、


「あなた」と「おとうさん・おかあさん」と「おじいちゃん・おばあちゃん」


の3世代だけです。それ以外の男女は、ほとんどの場合「自分が好きな人と付き合ったり、結婚できなかった」世代ということになります。


 現在の私たちや、みなさんの感覚からすると「えーっ!何それ?!じゃあ、みんなどうしてたの?」と驚きの声を上げることになると思いますが、実際そうだったんだから仕方ありません。


 日本の愛の歴史では、概ね「日本が戦争に負ける」までは、あなたの先祖は「その親や家族が決めた相手と結婚していた可能性が高い」ということになります。


 「あたしの気持ちはどうなるの?」「僕だって好きな人がいるんだ!」という自由な考え方や、権利というものは日本がアメリカに戦争で負けて、『アメリカの自由な考え方がいいんだ!』とみんなが思い始めてから採用されたので、それまでは「家族の大黒柱の家長(おとうさん)が全部決めるんじゃ」ということがまかり通っていました。


 なので、あなたから見て、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんは、「家族同士の付き合い」とか「家柄」とか「村の人間関係」とかの影響を多く受けながら「結婚相手」が決まってゆきました。


 これでもまだマシなほうで、ひいひいおじいちゃん・ひいひいおばあちゃんの時代まで遡ると、江戸時代の「身分制度」の影響まで受けるため、身分が違うと結婚できない、ということになってゆくのです。


 「お見合い」という言葉は、今も生き残っていますね。好きになったり、恋もしていないのに、顔を合わせて話し合いだけで結婚するシステムが今もあるのは、こうした昔の仕組みの名残です。




 ということは、つまり、「好きな人と付き合えて、結婚してもいい」制度を満喫できるのは「戦後生まれのおじいちゃん・おばあちゃん」と「お父さん・お母さん」と「あなたたち」だけです。


 日本の歴史の中で、ずーっと昔の人たちはとても羨ましがっていると思いますよ。


 ところが、そんなにみなさんは恵まれているのに、どうも自分で「愛を見つける」のは下手くそな人たちもたくさん存在するようです。


 カップルのうち3分の1が離婚するということは、日本人の3分の1は「愛を見失った」わけですね。すごい確率です。


 結婚したくても、結婚できない人たちもたくさんいます。結婚相談所という企業・会社も存在しており、お金を払って誰かを紹介してもらう人たちもいます。


 これを歴史的に振り返ると、「家長や、周囲が結婚相手を見つけていた時代」から「自分で好きに選べる時代」になり「やっぱり誰かに結婚相手を見つけてもらう時代」に逆戻りしたかのようです。


 なんとなく笑ってしまうのは、「あなたのことや相手のことを知っている家族親族に結婚相手を見つけてもらう」よりも、「お金を払って知らない人に探してもらうよう」になるなんて、どちらがいいのか微妙だと思うのは私だけでしょうか?




 

 

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