2014年10月25日土曜日

【高校生のための”人生”の教科書18】第四章 友だちを巡る諸問題

 学校生活だけでなく、これからのあなたの人生において、いい意味でも悪い意味でも大きなウエイトを占めるに違いない、


「ともだち」


を巡るたくさんの事象について、この章ではお話をしておきたいと思います。


 一般論として、友だちや友人、仲間、知り合いと親しく仲良くすることは、大切なことだと信じられていますし、またそのように多くの人は行動しています。


 しかし、また一方で、友だちや友人、知り合いというもののせいで、大小のトラブルに巻き込まれたり、人間関係に色々な「こじれ」を生じさせることがあるのも事実です。


 では、高校生活・またその先の社会生活において、「他者との関わり」をどのように過ごしてゆけば、人生は豊かになるのでしょうか。




 いつものように、世代を見ながら話をしてゆこうと思いますが、あなたのお父さん・おじいさん・ひいおじいさんを含めた4世代に渡って、あなたの先輩たちはほぼ似たような「友だちづきあい」をしてきました。


 また、一番最初にお話した「土地を持っているか・いないか」が、人間関係にも大いに影響していることも、覚えておきたいと思います。



 あなたのお父さんや、おじいさんや、ひいおじいさんが「主に長男の家系で、土地を持っていて、ずっと地元に根ざして生活していた場合」には、人間関係は小学校・中学校・高校・大学・そして社会人のすべてにおいて


「地元で連続した友だち関係を維持する」


ことになります。わかりやすく言い換えれば、小学校のときの「友だち」が、大人になっても近くに住んでいるとか、同級生の知り合いが、そこらじゅうにいる、という状況が死ぬまで続くということです。


 あなたのお父さんやおじいさん、ひいおじいさんの生き方を思い出してください。今お話したように常に地元で生活している人は、多かれ少なかれ「難しい問題や、不条理なことがあっても、基本的に事を荒げずに、和睦しながら生活している」ことが多いはずです。


 たとえば、地域に問題があったりしたときに、あなたのお父さんだけが「猛烈に反対」とか「猛烈に主張」とかをしているならば、すでにあなたも気付いている通り、あなたの家族は地域で「浮いている」存在になっているはずです。


 しかし、こうした状況になっている人はごくごく一部で、おじいさんやひいおじいさんの代からその土地に住んでいる人は、「なんとなく平和主義で、なんとなく自己主張がなく、なんとなく頼りない」くらいの暮らしぶりにならざるを得ません。


 それは、そういう生き方をして、「ずっと同じ場所に長年生活している友達や知り合いの軋轢」が生まれないように調整しているからです。


 地元の企業に勤めている友達や知り合い、地元の市役所に勤めている友達や知り合い、地元で農家をしている友達や知り合い、といった


「その地域を中心とした、人間関係」


がある限り、それを維持するためには、全体的に和睦していなければいけないからです。




 それに対して、「土地がないので、別の地域に出て行った」人たちもたくさんいます。日本型社会では、先祖の土地は「長男が全部相続する」というスタイルが一般的ですので、次男以降は別の土地へでてゆかざるを得ない場合が大半で、また女性はどこかへお嫁に行ってしまい、これまた元の家には住んでいないことが多いわけです。


 そのため、「友だち」の話で言えば、これらの人生を送る人たちは「友だち・知り合い」が、実際には途切れ途切れで限られた期間だけであることが多いのです。


 小学校・中学校くらいまでは、みなが同じ地域で暮らしていますが、中には中学校から私立の学校にいく友だちがいたりして、変動があります。高校になるとその地域の領域が広くなり、大学では完全に別々の人生を歩むことになります。


 社会人になるころには、小学校時代の友達は、ほぼ大半がてんでバラバラの地域に住んでいることになります。


 こういう人生を送ると、学生時代の友達なんてものは「同窓会で10年ごとに会えるか会えないか」とか「そもそも、あいつどうなったか誰も知らない」という状況になりますので、あなたがこの高校3年間で付き合う友だち・知り合いも基本的には「3年間限定の付き合い」だということになるでしょう。


 人間関係に問題を抱えている人は、「3年過ぎればおさらばだぜ」と思って大丈夫だし、友だち付き合いを大切にしている人は「3年しか一緒にいられないのだから大事に過ごそう」と思って大丈夫です。


 繰り返しますが、あなたの友だち付き合いは、基本3年後にはリセットされるわけです。




 私も、親が土地を持っていなかったために、外の地域に出てゆく人生を選び・選ばされました。ですので、小学校の時の友だちで、現在でも交流があるのは


「たった一人」


です。

 中学・高校時代の友達・知り合いについては、「どこで何をしているのかさっぱりわからない」状態です。


 それは、私自身が、生まれ育った土地と異なる土地にいるからです。



 

 以前の章で、学校はRPGのようなものだとお話しましたが、高校生のあなたにとって、「友だちづきあい・人付き合い」は、もし万一うまく行かなくても、数年後にはリセットできることを覚えておきましょう。


 ただし、ずっとその土地で生活し続けなくてはいけない人は、その限りではありません。あなたがその土地で人生を過ごす限り、その周囲の人間関係もずっと継続します。ですから、嫌でも、周囲と「良好な人間関係を築く」努力を強いられることになります。


 はっきり言っておきます。それは「土地のせい」です。あなたがその生活を強いられるのは「土地のせい」なのです。


 ですから、裏ワザですが、あなたがその土地を離れれば、「あなたが受けている苦しみ」の多くは解決します。


 人間関係をリセットするには、その土地を離れることが一番の解決方法なのです。



0 件のコメント:

コメントを投稿