今回は、いわゆる机に座ってするような「お勉強」とはちがう話をしたいと思います。
みなさんは高校生で、これから大学まで進学するかもしれませんが、「学校」という枠組みの中で、一番身に着けておかなくてはいけないことは、知識のほかにたくさんあると思うので、その話をします。
私は学校というのは「RPG(ロールプレイングゲーム)」のようなものだと思っています。
特に、集団における人間関係やコミュニケーションにおいて、「学校生活」で、あなたは経験値を増やさなくてはいけません。学校はそれを身に着ける、よき修行の場です。
現代の学校には、いろいろな問題が渦巻いています。「スクールカースト」という”立ち位置”の問題や、「いじめ」、「便所飯」のような1人ぼっち問題など、人間関係に関するありとあらゆる悩みが、そこに現れています。
いいですか?大事なことなので書いておきますが、これらのあなたをとりまく問題を解決できなかったり、こじらせたりすると、それはあなたの人生を一生悪い方向に引きずることになります。
いくら勉強ができても、スポーツができても、人間関係をマスターしなければ、就職してもダメです。何をしてもダメなんです。
こんな恐ろしいことを話していると、すでにガクブルかもしれませんが、幸せなことにあなたにはチャンスがいくつかあります。
小学校・中学校・高校・大学などの最低4回のストーリーをプレイすることができるので、あなたには3回分のリセットボタンが与えられていると思ってください。
学校を変わるごとに、うまく行けば学校生活というRPGをやり直せるチャンスがあるのも事実です。ですから、失敗してもその回数まではなんとかなります。
では、学校生活のRPGの中で、「何を」身に着ければいいのでしょう。学校生活における「経験値」とは、何が大切だというのでしょうか。
まず、大切なのは「明るく他者とコミュニケーションがとれること」です。これは基本中の基本です。
宝塚歌劇の「清く正しく美しく」ではありませんが「明るく元気でさわやか」であることは、人生における必須経験値です。
これが学生生活の間に身に付いていないと、社会に出たときに苦労します。ほんとうに苦労します。繰り返しますが、死にそうです。
アホでもいいし、ダメ人間でも「明るく元気でさわやか」であれば、許されることがたくさんあります。ちょっとずるい感じもしますが、それくらいに「明るく元気でさわやか」なことは、魔法のアイテムなのです。
では「暗くてひ弱でいじけている」人は、どうしたらいいのでしょう。一刻も早く、その真逆になるよう努力すべきです。学力の勉強なんてしなくていいです。そんなのなくても、「明るく元気でさわやか」であればなんとかなるからです。
正直にお話しますが、これまで「暗くてひ弱でいじけている人」は、もしかしたらあなたもそうかもしれませんが、それを修正するのが嫌で、
「楽な方に逃げている、つまり勉強をすればいい、勉強ができればそれでも許されるだろう」
と「明るく元気でさわやかになることから逃げていた」ことでしょう。
それはいけません。それは逃げているだけです。勉強はたしかに、孤独でネガティブで一人ぼっちでもできます。そして、これまでの日本社会はそれでもなんとかなりましたが、もうそれもおしまいです。残念。
「引きこもり」であるとか「ニート」であるとか、そうした人たちが社会問題になっていますが、彼らのうち多くの人は、学力も学歴もあり、そして保護者がお金を持っています。
いろいろ「もってる」ものがたくさんあるのに、彼らは社会に適合できません。それは、人間関係・コミュニケーションの訓練をおろそかにしてきたからに他なりません。いや、おろそかにしてきたというよりも、その苦しい修行から「逃げてきた」からに他ならないのです。
親がお金を持っているせいで、「逃げていてもなんとかなった」側面もあります。
しかし、その親たちは、いよいよ本人たちが死んでしまったり、お金が尽きたりするような状況になってきました。大変です。引きこもりやニートは「自分でお金を稼ぐ力」がありません。
・・・とまあ、少し強い口調で書きましたが、私は「引きこもりやニート」を馬鹿にしているわけでも、敵視しているわけでもありません。とても可哀想だと思うし、「ああ、リセットボタンを使い果たしてしまったんだな」と悲しいキモチになることも事実です。
だからこそ、これを読んでいるみなさんには、できればその生き方を避けてほしいと思っています。
どうして人間関係・コミュニケーションが重要なのでしょうか?それは、人が生きていく上で、あなたが何かサービスを受ける上でも、とても避けては通れないものだからです。
「美女と野獣」の物語のように、あなたが人を避ければ、人もあなたを避けます。あなたが笑わなければ、誰があなたに微笑んでくれるでしょうか?
お金がある間は、あなたにサービスをしてくれる人がいるでしょう。しかし、お金がなくなっても、誰かがあなたを気にかけてくれるとすれば、それはあなたが気にかけてきた相手だけなのです。
もうひとつ、あなたにとっては嫌な話をします。人間関係が苦手で、コミュニケーションが苦手な人は、一見「自分はネガティブでダメだ」と思っていますが、その心の奥底で「自尊心・プライド」がとても高く、「他人はアホで馬鹿だ」と思っていることがかなりの高確率で多いです。
自分のプライドや自尊心が高いあまりに、「他人に対してへりくだったり、下に見られたり、道化を演じることができない」のです。
もし、あなたがコミュニケーションができずに苦しい人生を送ることになるのならば、それは、あなたが捨てられなかった「自尊心やプライド」の仕返しだと思ってください。
なぜ、これほどまでに私が強く言うのか。それは、すべての「明るく元気でさわやかな」大人たちは、苦しいこと、自尊心をつぶされる事、プライドを引き裂かれるようなことがあっても、それを隠したり乗り越えたりしながら
「顔で笑って心で泣いて」
いるから「明るく元気でさわやか」に見えるというのが真実だからです。
大人になる。社会で生きていくというのはそういう側面もあります。
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