2014年10月15日水曜日

【高校生のための”人生”の教科書10】愛されたい症候群

 愛にも、いろんなジャンルの愛や、いろんな種類の愛があるのですが、みなさんが将来どんな異性と(ああ、申し訳ない、最近では同性同士ということもありますね)愛し合うのかは、まだあまりはっきりしていないかもしれません。


 高校生であるみなさんにとって身近なことを言えば、例えば高校3年間であなたに好きな人ができて、幸福にもお付き合いしていたとしましょう。ところが、高校3年生の時、いよいよ自分の進路を決める段になって、「あなたの彼氏彼女と同じ地域に進学・就職するかどうかはわからない」ということが必ず起きるでしょう。


 これは、高校生の時恋愛して卒業していった全ての人が体験しています。そう、「すべての人」がです。


 パターンは3つくらいしかありません。

 ①同じ学校(進路)へ進む。

 ②せめておなじ地域へ進む。

 ③バラバラにそれぞれの道へ進む。


 で、その結果愛が成就して結婚までゆくか、あるいはそれぞれ別れてしまうかのどちらかですから、あれ?実は高校生にとっての「愛の人生は」3×2通りで6パターンしかないということですね。


 そう考えると人生なんて、小さなものです(笑)




 さて、高校3年生という先のことは一旦置いておいて、みなさんに直近で関係のある「愛」の話をしましょう。


「愛されたい」


というキモチは誰もが持っている感情だと思います。それが具体的に「彼氏・彼女がいる」という話でなくても、クラスの中で、部活動の中で、あるいは何か集団の中で、親やきょうだいから


「自分がきちんと認知されていて、適切な立ち位置で認証されていたい」


と思うことは自然なことだと思います。


 学校生活において、「愛されたい症候群」は、いろんな形で表に出てきました。これはあなたの先輩たちもみな通ってきた道です。


 たとえば、現在高校生であるみなさんにとっては、LINEのグループに入っている、いないとか、SNSに入っている、いないといったハイテクな分野で、そうした「愛されたい」「仲間はずれになりたくない」「認められたい」といったことが表に出てきていることでしょう。


 スマートフォンが今のように広がっていない時代では、携帯のメールやらネットの掲示板が、それらの代わりをしていたこともありました。


 私が高校生の頃は、もっとストレートに「クラスの中で、あいつは・自分はどんなキャラか」といったことで互いを認知していました。ああ、女子の場合は、今も昔も「どのグループに入っているか」という問題が、人生の大半を占めていますね(苦笑)




 この「愛されたい」「認められたい」という衝動は、人生を大きく左右します。


 それは「どんな方法で?」ということにつながるからです。


 「認められたいから勉強で頑張る・部活で頑張る」というのは、ベタですが意外に多くの人の基本的なモチベーションになっています。


 「キャラを立たせたいので、変な言動をする」という人も、たまにいます。ここまで極端でなくても、「可愛くみせたい」がこじれて「濃すぎる化粧」になってしまっている女子は、そこそこいます。


 逆に、そうした「愛されたい症候群」が1周回ってしまうと、その先まで行ってしまって「自分はそもそも、愛されなくてもいい」と「1人にしておいてオーラ」全開になっている人もたまにいます。


 苦しいことですが、そもそも「基本的に誰からも相手にされない」人もいます。




 いずれにせよ、「愛されたい症候群」とどう付き合ってゆくのか、どう折り合いをつけて生きてゆくのかは、高校生の人生の「大半」を占める大きな問題なのです。


 昔から「いじめられていた」とか、「友達がいなかった」という人が、大人になっても人間関係をうまく構築できず人生で苦労する話はたくさんあります。


 あなたの周りにも引きこもりをしている人がいるかもしれません。彼らは学生時代に、何か問題の根っことなる出来事に出くわした可能性が高いのです。


 あるいは、見かけ上「誰とでも仲良く」していた人であっても、「本当の自分の性格とは合わず、ムリをしていた」ということは良くあります。



 さて、ここまではそんな高校時代の生活を「ざっくりまとめてみた」だけですが、人生を考える上で、いちおう大人である私からみなさんに伝えておきたいことがあります。


 それは、


「愛し、愛されない性格は、社会に出る前に直しておいたほうがいい」


ということです。


 「大人しい」とか「暗い」とか「からみづらい」とか、一般的に言ってネガティブな性格・言動というものがあると思いますが、そうしたことが原因で「愛されない」「認められない」生活を送っている人が少なからず存在しています。


 そうした性格や言動は、これまでは「個性」だと言われてきました。特に、私が学生の頃から、「人の多様性を認め合おう」とか「個性が大事だ」なんて考え方が広まったので、みなさんもその影響を多分に受けているはずです。


 しかし、それは結果的に間違いです。厳しいようですが、はっきり言っておきます。ネガティブな要素は、「個性」であることは認めますが、


 確実に人生で損をする


ことが判明してきました。


 なぜか?簡単です。


 あなたがどこかお店に入って、店員が無愛想だったりぶっきらぼうだったり、目を合わそうとしない人だったらどうでしょう。嫌な気持ちになったり、テンションが下がるはずです。そんな店員しかいない店と、明るく元気で爽やかな店員ばかりがいる店だったら、どちらが競争に勝てると思いますか?


 そうですね。とても簡単です。コミュニケーションがとれない人たちは、この世界では競争に負けます。


 残念ですが事実です。競争に負けるということは、コミュニケーションが取れない人の人生は、金銭的に貧しくなるということなのです。



 だから、早いうちから、努力で改善できるものはしたほうがいいのです。いくら苦しくても、これだけは身に着けておいたほうがいい。努力して変革したほうがいいのです。



 では「個性が大事」なんてことばがなぜ広まっていたのでしょうか?「明るく元気で爽やか」な価値観と反対でも「それでもいいよ、あなたらしくすればいい」なんてことが、どうして許されていたのでしょうか?


 それも簡単です。日本にお金があったからです。日本の景気がよく、経済成長が続いていたので、マイナスの側面であっても「余力でカバー」できたからです。


 ところが、日本は中国や韓国、アジアのほかの国々にどんどん経済的に追いつかれはじめています。国の借金も途方もない額になろうとしています。


 すると、マイナスの要素を持つ人たちをカバーしきれなくなってきました。それでなくても、自分たちの人生さえ危ういかもしれない。だからこれから、日本はもっともっと厳しい時代を迎えることになるわけです。



 「愛されたい」という思いを、こじらせる人は、これからどんどん大変になります。「愛されたい」だけを主張する人もそうです。現状として「愛されない」人も、厳しい境遇になることでしょう。


 これまではお父さんがお金を持っていたので、引きこもることができました。これからの引きこもりは、お父さんがお金を持っていないので、すぐに貧民へと転落してしまいます。



 「同情するなら金をくれ!」

は、某ドラマの名台詞ですが、これからは

 「引きこもるなら金稼げ!」

になるかもしれませんね。



 
 最後に、これからの人生を大きく変えるための「魔法の方策」を伝えておきます。


 あなたがもし「明るくない・元気じゃない・爽やかじゃない・かっこよくない・大人しい」などのいわゆるマイナス要素を持っていて、もともとコミュニケーションが得意ではない性格でも、これからの人生を豊かにすることができる魔法の裏ワザがひとつだけあります。


 それは「愛すること」です。


 まるでキリスト教の教えみたいですが、そんなにカタい話ではありません。


 愛する、つまり「誰かに対して、自ら何かを提供する」ことは、暗くても大人しくてもできます。モノを渡す必要も、お金を配る必要もありません。


 行動、労働力で示す。心配りで示す。そういうことは、「苦虫を噛み潰したような顔」のままでできるのです。


 たとえば、放課後1人でムスッとしながら、教室の掃除を毎日続けてみてください。黒板を翌朝までにピカピカに拭き上げてみてください。誰にも気付かれないように。


 それだけで、あなたの人生は確実に変わります。


 そんなことをするのは損だ、と思うのは早合点です。私は、今の会社で「誰よりも早く来て会社の鍵を開ける」ということをずっとやってきました。それだけで今、すべての人を差し置いて管理職になっています。


 私の場合は「鍵開け」でしたが、あなたはあなたができそうなことを一つだけ探せばいいのです。たった一つでもぜんぜん大丈夫です。


 「愛されること」はなかなか叶いませんが、「愛すること」は簡単にできます。そこがあなたの人生を良いものに変える最小で、最大のヒントです。

 

 

 

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