第二章 これからの愛の話をしよう
第一章では、まずあなたという人間がこの世界の、それもあなたがいま住んでいるその場所に生きている、ということを幾つかの側面からおさらいしてみました。
それは、どちらかというと”人生”を考える上での「予習」のようなものでした。だって、あなたはすでに、あなたの苗字、あなたの家族、あなたの境遇で生まれてしまったので、それは書き換えることが難しい要素だからです。
しかし、これからあなたの”人生”を考えるに当たっては、「これから新たに作ってゆくことができるもの」がたくさんあるのも事実です。というわけで、この章では、これまでのことではなく、あなたの人生の「これからのこと」にスポットを当てたいと思います。
中でも、最初に取り上げるのは、やはり「愛」でしょう。人間という生き物は、いや、すべての生き物は生殖をして、子孫を作って、そしてこの世界に広がって繁栄してきましたし、またこれからもそうなってゆくことがほぼ大前提です。
(もちろん、中には絶滅してしまった種もいるし、これから絶滅する種もいますが、それは、まあ置いといて)
人類が生殖活動をする上で、その最もベースになっている観念は「愛」です。これは、みなさんのような高校生にとっても「非常に関心のあるテーマ」だと思います。
みなさんは歌謡曲やポップスを聴く事が多いと思います。音楽は一切聴かずに過ごす現代日本の高校生がいるとすれば、それはかなり希少な種族だと思うので、ぜひ私に紹介してください。
そんなみなさんが聴いている音楽の歌詞の中には、大半が男女の間のこと、つまり「愛」に関わることが盛り込まれていると思います。
今、彼氏・彼女がいないあなたでも、「彼氏や彼女に関する話題や、歌詞や、悩みが溢れている」ことは、既にお気づきだと思います。それが、いくら現時点のあなたに無関係だとしても。
ところで、あなたは「運命的な異性が存在する」と思いますか?
あなたを含めた男女の恋や愛について、もしかしたら運命を司る神様のような存在がいて、あなたと誰かを結びつけてくれるような、そんな「運命のひと」がいるかもしれない、と思ったことがあるかもしれません。
人によっては、これを「あたしには、どこかにあたしだけを愛してくれる王子さまが存在するんだ」と思い込んで・・・、いや失礼、思っていることがあるかもしれません。
さあ、どうでしょう。愛や恋や、運命の相手は神様のような存在によって決められるのでしょうか?
もし、そうした相手が存在するのだとすれば、あなたの人生の「ある一部分」は、その相手と巡りあうために使われるべきだと思います。人生に注ぐエネルギーのうち、多くの部分を愛のために使ってもいいんじゃないかな、と思いますよね。
たとえば、誰か好きな人を追いかけて、違う土地に行ったり、仕事を辞めたり、そういうエネルギーを愛のために使う行為も、悪くはなさそうです。
そこまでではなくとも、「運命の相手と恋をして、愛し合って、子どもを作って家族となり、孫が生まれて子孫まで幸せにくらしましたとさ」、という人生を送りたいと誰もが頭の片隅で願うことでしょう。
その一方で、現代の私たちの周りを見回すと、「離婚」したり、お父さんかお母さんの一方しかいない片親だったり、親が再婚して再婚相手に虐待されたり、なんて「愛を取り巻く諸問題」が渦巻いていることも知っているはずです。
結婚する前にも「彼氏に束縛される」とか「彼氏にDV(ドメスティックバイオレンス)される」とか、「彼女だと思っていたら他に男がいた」とか「ブランドバッグを貢がされた」とか、それはもう、「愛を取り巻く大問題」も渦巻いているのです。
就職しても非正規社員なので、結婚なんてしばらくできそうもない、という人たちもいます。今高校生のあなたたちが、もう数年後には、そういった人生のレールに乗っているかもしれません。
とにかく、これは大変な事態です。
この世界には、どうやら「運命の人とめぐり合えた人たち」と、「運命だと思っていたけれど、違った人たち」と、「運命の人に巡り合えない人たち」と、そもそも、「誰とも付き合わなくていいや」という人たちの4種類ぐらいいそうですね。
あなたは、どのパターンを選ぶことになるのでしょうか。
2014年10月11日土曜日
2014年10月10日金曜日
【高校生のための”人生”の教科書06】人生を決めるのは誰か
前回の説明で、あなたの体の中に流れている遺伝子やDNAが、あなたの苗字と大きく離れていることをお話しました。
それでも、あなたは現在の苗字を名乗らなくてはいけないし、結婚してさらに子孫に伝達するか、あるいは配偶者の苗字を名乗るか、ということになるわけです。
これも「既に決まっていてどうしようもないこと」のひとつです。私たちは自由な社会の中で生活しているようで、そうではないこともあるという一例ですね。
ところで、なぜ「苗字」の話をしたのでしょうか。それはあなたの「家」(家族)に関することだからです。
この文章は「人生に関する教科書」ですが、実はあなたが生まれる前までは、「人生」というのは自分で決めるものではなく「家・家族・家父長・家柄」によって決められていた時代が長くありました。
あなたは自分の人生をあなた自身で決めるチャンスがありますが、あなたの先祖の大半は、自分で決めることができない人生を送っていたようなのです。もういちど、あなたの先祖を確認してみましょう。
あなた・お父さん(お母さん)・おじいさん・ひいおじいさん・ひいひいおじいさん・ひいひいひいおじいさん・ひいひいひいひいおじいさん
これで、あなたを合わせておなじ苗字の7代の家系を拾い出しました。ちょっとずつ、あなたの先祖の人生をタイムスリップして見てみましょう。
==========
あなたのお父さんは、あなたから見て「おじいさん」が土地を持っていたかいなかったか、によって人生を大きく変えられています。
あなたのおじいさんも、同じように「ひいおじいさん」が土地を持っていたかいなかったか、によって人生が変わっていました。
まあ、基本的にみーんなそうなので、ちょっと違う視点も混ぜてみましょうね。
あなたのお父さんの世代は、前にも少し話しましたが同級生がやたらたくさんいた世代なので、「常に競争」が起こっていました。
進学するにも、就職するにも競争だったので、いい学校・いい会社に入れた人とそうでない人がたくさん分かれました。
この頃には既に、都会と田舎がはっきりわかれており、大きい会社はみな都会に出来ていたので、人々はサラリーマンになるべく大勢都会に出てゆきました。
つまり、基本的には都会の人口が増えて、田舎の人口が減る動きが起こっていた、ということです。
あなたのおじいさんの世代も、基本的にはお父さんの時代と似ています。人口が多く、田舎から都会へ、という動きも同じです。ところが、大きく違うのは、あなたのおじいさんの世代の少し前まで、日本は戦争をしていて、そして負けたということです。
日本は焼け野原で、なーんにもなく、社会はボロボロでした。そこから、日本人はいろんなものを作って、外国へ商品を売って、経済的に発展したわけですが、なぜそれが出来たかといえば、日本がボロボロで賃金も安かったからです。
ちなみに、あなたのお父さんが就職してはじめてもらった給料は、18万円くらいだったはずですが、おじいさんが就職してはじめてもらった給料は3万円くらいでした。
3万円が18万円になるくらい、この間に日本は経済成長をしたのですが、逆の言い方をすれば、賃金が3万円で安かったので、世界中から仕事が舞い込んだということでもあります。
ついこの間まで、中国や韓国といったアジアの国は賃金が安かったので、給料が高くなってしまった日本から仕事がどんどんなくなりました。まあ、今はそんな状況です。
給料が3万円から18万ということは6倍です。おとうさんとおじいさんの世代の違いで6倍もお金が増えるのであれば、おとうさんの給料に比べてあなたは18×6=108万、初任給は108万円もらわなくては割がありませんね。
でも、それは確実にムリです。あはは、笑うしかありません。
あなたのひいおじいさんの時代は、戦争中でした。戦争中なので、「人生をこうしたい」とか「ああしたい」とか自由はありませんでした。多くの人は徴兵されて、海外で戦わされて、死にました。人生もクソもなかった時代を、とにかくありとあらゆる手段で生き延びたのが、あなたのおじいさんの時代だったのです。
あなたのひいひいおじいさんの時代は、江戸時代から明治に切り替わり、戦争へと日本が突き進んだ時代でした。この頃は、人生を決めるのは常に「その家のお父さん」でした。家父長制度と言いますが、一族の中で「お父さん」が常になんでも決める決定権を持っており、子供達はそれに従うのが当り前だったのです。親が「こうしろ」と決めたことは、その通りしなくてはなりません。そういう意味では、ひいひいおじいさんの人生を決めたのは「ひいひいひいおじいさん」だったかもしれませんね。
そこから先は江戸時代です。人生は家柄で決まっていました。武士の子は武士になるように育てられ、農家の子は農家になるように、商人の子は商人として基本的に育ちました。自由はあまりありません。
こうして見てゆくと「人生について悩むチャンスがある」のはせいぜいあなたを含めて3世代くらいしかないことがよくわかることでしょう。
「自分で人生を決める」ことができたのは、おとうさんとあなたくらいのもので、それ以外の時代の人たちは、ある程度周りによって決められていたり、焼け野原から立ち上がったり、と苦労の連続だったのです。
自由である、ということは、素晴らしいことです。しかし、反面この世界から「ほったらかしにされる」ということでもあります。「何をしてもいいよ。何を選んでもいいよ」ということは「好きにすれば?あんたなんかどうでもいいよ」ということとすごく似ています。紙一重、と言ってよいくらいです。
なので、あなたがこれから人生を過ごしてゆくに当たっては、あなたの先祖たちの誰よりも自由であるがゆえに、「しっかり考えないと、ほったらかしにされる」ということでもあるのです。これは、とても怖いことです。
こういうことを知っておいてほしいので、私はこの教科書を書いているわけです。
それでも、あなたは現在の苗字を名乗らなくてはいけないし、結婚してさらに子孫に伝達するか、あるいは配偶者の苗字を名乗るか、ということになるわけです。
これも「既に決まっていてどうしようもないこと」のひとつです。私たちは自由な社会の中で生活しているようで、そうではないこともあるという一例ですね。
ところで、なぜ「苗字」の話をしたのでしょうか。それはあなたの「家」(家族)に関することだからです。
この文章は「人生に関する教科書」ですが、実はあなたが生まれる前までは、「人生」というのは自分で決めるものではなく「家・家族・家父長・家柄」によって決められていた時代が長くありました。
あなたは自分の人生をあなた自身で決めるチャンスがありますが、あなたの先祖の大半は、自分で決めることができない人生を送っていたようなのです。もういちど、あなたの先祖を確認してみましょう。
あなた・お父さん(お母さん)・おじいさん・ひいおじいさん・ひいひいおじいさん・ひいひいひいおじいさん・ひいひいひいひいおじいさん
これで、あなたを合わせておなじ苗字の7代の家系を拾い出しました。ちょっとずつ、あなたの先祖の人生をタイムスリップして見てみましょう。
==========
あなたのお父さんは、あなたから見て「おじいさん」が土地を持っていたかいなかったか、によって人生を大きく変えられています。
あなたのおじいさんも、同じように「ひいおじいさん」が土地を持っていたかいなかったか、によって人生が変わっていました。
まあ、基本的にみーんなそうなので、ちょっと違う視点も混ぜてみましょうね。
あなたのお父さんの世代は、前にも少し話しましたが同級生がやたらたくさんいた世代なので、「常に競争」が起こっていました。
進学するにも、就職するにも競争だったので、いい学校・いい会社に入れた人とそうでない人がたくさん分かれました。
この頃には既に、都会と田舎がはっきりわかれており、大きい会社はみな都会に出来ていたので、人々はサラリーマンになるべく大勢都会に出てゆきました。
つまり、基本的には都会の人口が増えて、田舎の人口が減る動きが起こっていた、ということです。
あなたのおじいさんの世代も、基本的にはお父さんの時代と似ています。人口が多く、田舎から都会へ、という動きも同じです。ところが、大きく違うのは、あなたのおじいさんの世代の少し前まで、日本は戦争をしていて、そして負けたということです。
日本は焼け野原で、なーんにもなく、社会はボロボロでした。そこから、日本人はいろんなものを作って、外国へ商品を売って、経済的に発展したわけですが、なぜそれが出来たかといえば、日本がボロボロで賃金も安かったからです。
ちなみに、あなたのお父さんが就職してはじめてもらった給料は、18万円くらいだったはずですが、おじいさんが就職してはじめてもらった給料は3万円くらいでした。
3万円が18万円になるくらい、この間に日本は経済成長をしたのですが、逆の言い方をすれば、賃金が3万円で安かったので、世界中から仕事が舞い込んだということでもあります。
ついこの間まで、中国や韓国といったアジアの国は賃金が安かったので、給料が高くなってしまった日本から仕事がどんどんなくなりました。まあ、今はそんな状況です。
給料が3万円から18万ということは6倍です。おとうさんとおじいさんの世代の違いで6倍もお金が増えるのであれば、おとうさんの給料に比べてあなたは18×6=108万、初任給は108万円もらわなくては割がありませんね。
でも、それは確実にムリです。あはは、笑うしかありません。
あなたのひいおじいさんの時代は、戦争中でした。戦争中なので、「人生をこうしたい」とか「ああしたい」とか自由はありませんでした。多くの人は徴兵されて、海外で戦わされて、死にました。人生もクソもなかった時代を、とにかくありとあらゆる手段で生き延びたのが、あなたのおじいさんの時代だったのです。
あなたのひいひいおじいさんの時代は、江戸時代から明治に切り替わり、戦争へと日本が突き進んだ時代でした。この頃は、人生を決めるのは常に「その家のお父さん」でした。家父長制度と言いますが、一族の中で「お父さん」が常になんでも決める決定権を持っており、子供達はそれに従うのが当り前だったのです。親が「こうしろ」と決めたことは、その通りしなくてはなりません。そういう意味では、ひいひいおじいさんの人生を決めたのは「ひいひいひいおじいさん」だったかもしれませんね。
そこから先は江戸時代です。人生は家柄で決まっていました。武士の子は武士になるように育てられ、農家の子は農家になるように、商人の子は商人として基本的に育ちました。自由はあまりありません。
こうして見てゆくと「人生について悩むチャンスがある」のはせいぜいあなたを含めて3世代くらいしかないことがよくわかることでしょう。
「自分で人生を決める」ことができたのは、おとうさんとあなたくらいのもので、それ以外の時代の人たちは、ある程度周りによって決められていたり、焼け野原から立ち上がったり、と苦労の連続だったのです。
自由である、ということは、素晴らしいことです。しかし、反面この世界から「ほったらかしにされる」ということでもあります。「何をしてもいいよ。何を選んでもいいよ」ということは「好きにすれば?あんたなんかどうでもいいよ」ということとすごく似ています。紙一重、と言ってよいくらいです。
なので、あなたがこれから人生を過ごしてゆくに当たっては、あなたの先祖たちの誰よりも自由であるがゆえに、「しっかり考えないと、ほったらかしにされる」ということでもあるのです。これは、とても怖いことです。
こういうことを知っておいてほしいので、私はこの教科書を書いているわけです。
2014年10月9日木曜日
【高校生のための”人生”の教科書05】あなたのお父さんのお父さん・・・は
前回のお話の最後に、「これまでに起きてしまったことはしょうがない」みたいなことを言ったと思います。
あなたは今の両親のもとに生まれてきてしまい、あなたは今の土地に住まざるを得ず、あなたは今の容姿で、あなたは今の能力を持っています。
この世界で生きてゆく上で、どうしようもないことというのはたくさんあります。なぜ、それがどうしようもないのかは、「一つは土地のせいだ」ということもこれまでにお話しました。
では、今回は、「あなたの人生」を考えるに当たって、あなたの先祖はどうやって生きてきたのかを考えてみたいと思います。彼らは、一応あなたにとっては「人生の先輩」です。どんな人であっても「あなたが過ごすかもしれない、人生の先例」となることは確かです。
ですので、ここからはあなたのお父さんのお父さんの、そのまたお父さんの・・・。という視点でお話したいと思います。
==========
ちょっとまって!どうして「お父さん」なの?「お母さんのお母さんの、そのまたお母さんの・・・。」でもいいじゃない!と女子のみなさんは怒り出すかもしれませんね。
もちろん、その通りです。お父さんとお母さんがいなければ、あなたは存在しません。現代の世界の科学技術では、まだ「男性」もしくは「女性」の片側だけで子孫を増やすことはできていません。
家族として一緒に生活している「お父さん、お母さん」はいない人もいるかもしれませんが、生物学的には、かならず父親と母親は存在する、というのがヒトの生態です。
参考までにお話しますが、今これを読んでいるあなたは、必ず絶対確実に「何万年もこの世界の争いや災いや事件や変動の中で、生き残ってきたものすごい幸運の持ち主」であることは確かです。
意味がわかりますか?たいていの人は、そんなことに気付きません。
あなたが今これを読んでいるということは、あなたの一族の中で、あなたに繋がる家系が「第二次世界大戦を生き延びた」ということです。もし、あなたに繋がる誰かが戦争で死んでいたら、あなたは生まれていないからです。
あなたが今これを読んでいるということは、あなたに繋がる誰かが「関東大震災に巻き込まれて死ななかった」ということです。「江戸時代の飢饉で飢え死にしなかった」ということです。
「富士山の噴火で死ななかった」とか「戦国時代に戦いで死ななかった」とか、そういうことでもあります。
そうです。あなたに繋がる誰かは、常に「死ななかった」のです。たくさんの人が争いや自然災害で死んでゆく中、あなたに繋がる誰かは「なんとか生き残った」のだということを覚えておきましょう。
もっと言えば、あなたの先祖は「氷河期でも死ななかった」し「恐竜が絶滅しても、あなたの先祖になった生き物は絶滅しなかった」のです。
もっともっと言えば、「地球に生命が生まれた時から、あなたの先祖の誰かはほんのわずか生き延びた生き物の中にいた」ということです。
あなたは、地球上の生命誕生から、ずっとずっと「死ななかった小さな集団」の末裔です。
あなたは、超ラッキーボーイ!もしくは超ラッキーガール!なのです。実は。
==========
少子化が進んで、「生まれてくる可能性がない人たち」というのが今後増えることは、以前にもお話しました。あなたの同級生の中で、「結婚できない」とか「子孫を残せない」人たちがかなりの確率で存在することをお話しました。
その人たちは、これまでのラッキー歴史が、そこでストップです。何万年ものラッキーは、いよいよそこでおしまいで、もうその人たちの子孫は、この文章を読むことはできません。残念。
しかし、あなたは今の自分の人生がそこまで「ラッキー」だとはまだ思えないでしょう。せいぜい、普通か、あるいは「自分はいろいろ苦しんでいる」と思っていることだと思います。
それはそれで大丈夫。オールオッケーです。人生のうちで高校生の時ほど苦悩する期間はありません。私もそうでしたし、きっと私の父もそうでしたし、私の祖父もそうだったでしょうから。
ところで、話がかなり脱線しましたね。お父さんの話でした。お父さんだけではなく、お母さんももちろん大事なので、両親というものの話をしたのでした。
ですが、あえてここはお父さんに絞ります。なぜか?それは、今これを読んでいるあなたが日本人・日本国籍だと仮定して、そしてほとんどすべての人に「苗字・姓」がついていると思うからです。
あなたが外国から来た人であれば、ごめんなさい。少しの間、日本の仕組みを説明するので、付き合ってくださいね。
ちなみに、あなたには「姓・苗字」がない、かもしれません。ほんのわずかですが、これを読んでいるあなたが皇族であるならば、一般の日本人についているような苗字がないからです。その場合は、この文章を読まずとも、人生はあらかた周囲のいろんな人の圧力で決められてしまうでしょうから、むしろ読まないほうが幸せかもしれません。
==========
あなたにはどんな苗字がついていますか?
日本人の場合、あなたの苗字はあなたのお父さんが継承して、その苗字になっていることが多いと思います。もちろん、お母さんが苗字を継ぐこともありますが、その一世代上ではお父さんが継いでいるなど、基本はお父さんを通して継承されることが大半です。
あなたの一族がずっと、お母さんのお母さんのそのまたお母さんの苗字を受け継いでいるとしたら、ちょっと珍しいかもしれません。
どうして苗字の話をするのか。
それは、あなたの名前はいよいよあなたの生活に不具合があったり、問題続きだったりしたら「あなたの自由意思で変える方法がある」のに対して、あなたの苗字は基本的には「変えることができない」からです。
(名前は、家庭裁判所の改名手続きによって変えることができます。)
苗字というのは、あなたがあなたの家族というグループに属していることの証として使われます。一般的には、「あなたのお父さんの家のグループ」に属することを示すために、あなたの苗字はお父さんの苗字と一緒になります。
歴史をたどれば、明治8(1875)年に「平民苗字必称義務令」という命令が出て、日本人は全員苗字を名乗ることになりました。ということは、あなたの苗字は2014年現在で最低139年遡ることができる、というわけです。
(もっと昔から苗字を名乗ることを許されていた人たちもいますが、それは江戸時代の身分制度にかかわることなので、ここではスルーしておきましょう)
あなたの苗字が「佐藤」さんであると仮にしましょう。現在高校生のあなたのお父さんは40歳から50歳ぐらいかもしれません。あなたのおじいさんは、仮に当時の人が25歳前後で子どもを作ったとすれば、65歳から75歳くらいになる、ということですね。
139年をこの考え方で割ってゆくとどうなるでしょう。
40+25+25+25+25+25=140ですから、「おとうさん」「おじいさん」「ひいおじいさん」「ひいひいおじいさん」「ひいひいひいおじいさん」「ひいひいひいひいおじいさん」ぐらいの時から、あなたの一族は「佐藤」さんだということになります。
この最後の「ひいひいひいひいおじいさん」を仮にご先祖ですので「先蔵(せんぞう)」さんだったとします。(親父ギャグです)
明治に「佐藤先蔵」を名乗ったあなたのご先祖がいました。この人を初代とするとあなたは7代目になります。
あなたはもちろん、佐藤○○くん、佐藤○○さんですから、立派な佐藤家の一員であり、佐藤家の子孫です。あなたは何の疑いもなく自分は佐藤くん、佐藤さんだと思っているはずです。
ところが、実はおかしなことが起こっているのです。
それはどういうことか?
先蔵さんには奥さんがいて、子供ができます。その人にも奥さんがいて子供ができます。つまり、血縁・DNA的にはつながりは半分になるということを、もしかしたら中学校の理科の時間で習ったかもしれません。
あなたは7代目ですから、先蔵さんの遺伝子・DNAをどれくらい受け継いでいるかといえば、半分が7回ですから、1/2を7回くり返した数字になります。
それは、1/32ですので、パーセントに直せば3..125%という数字です。
3.125%って何?どういうこと?
と、あなたはまだピンと来てないかもしれませんね。あなたの遺伝子のうち3%だけが佐藤さんの遺伝子で、残り97%は他の家の人の遺伝子だということです。
つまり、あなたの体の97%は佐藤さんじゃないのに、あなたは「佐藤さん」を名乗っているということです。すごいでしょ?!
これが、日本で暮らし、日本人であるということの一側面なのです。あなたはすでに「ほとんど佐藤じゃない体なのに佐藤に支配されている」わけです。嫌な言い方をすれば。
あなたが何も疑わず「佐藤だれそれ」として生きているとすれば、実はあなたの人生の中身の大半は「佐藤じゃなかったんだ!」ということなのです。
あなたは今の両親のもとに生まれてきてしまい、あなたは今の土地に住まざるを得ず、あなたは今の容姿で、あなたは今の能力を持っています。
この世界で生きてゆく上で、どうしようもないことというのはたくさんあります。なぜ、それがどうしようもないのかは、「一つは土地のせいだ」ということもこれまでにお話しました。
では、今回は、「あなたの人生」を考えるに当たって、あなたの先祖はどうやって生きてきたのかを考えてみたいと思います。彼らは、一応あなたにとっては「人生の先輩」です。どんな人であっても「あなたが過ごすかもしれない、人生の先例」となることは確かです。
ですので、ここからはあなたのお父さんのお父さんの、そのまたお父さんの・・・。という視点でお話したいと思います。
==========
ちょっとまって!どうして「お父さん」なの?「お母さんのお母さんの、そのまたお母さんの・・・。」でもいいじゃない!と女子のみなさんは怒り出すかもしれませんね。
もちろん、その通りです。お父さんとお母さんがいなければ、あなたは存在しません。現代の世界の科学技術では、まだ「男性」もしくは「女性」の片側だけで子孫を増やすことはできていません。
家族として一緒に生活している「お父さん、お母さん」はいない人もいるかもしれませんが、生物学的には、かならず父親と母親は存在する、というのがヒトの生態です。
参考までにお話しますが、今これを読んでいるあなたは、必ず絶対確実に「何万年もこの世界の争いや災いや事件や変動の中で、生き残ってきたものすごい幸運の持ち主」であることは確かです。
意味がわかりますか?たいていの人は、そんなことに気付きません。
あなたが今これを読んでいるということは、あなたの一族の中で、あなたに繋がる家系が「第二次世界大戦を生き延びた」ということです。もし、あなたに繋がる誰かが戦争で死んでいたら、あなたは生まれていないからです。
あなたが今これを読んでいるということは、あなたに繋がる誰かが「関東大震災に巻き込まれて死ななかった」ということです。「江戸時代の飢饉で飢え死にしなかった」ということです。
「富士山の噴火で死ななかった」とか「戦国時代に戦いで死ななかった」とか、そういうことでもあります。
そうです。あなたに繋がる誰かは、常に「死ななかった」のです。たくさんの人が争いや自然災害で死んでゆく中、あなたに繋がる誰かは「なんとか生き残った」のだということを覚えておきましょう。
もっと言えば、あなたの先祖は「氷河期でも死ななかった」し「恐竜が絶滅しても、あなたの先祖になった生き物は絶滅しなかった」のです。
もっともっと言えば、「地球に生命が生まれた時から、あなたの先祖の誰かはほんのわずか生き延びた生き物の中にいた」ということです。
あなたは、地球上の生命誕生から、ずっとずっと「死ななかった小さな集団」の末裔です。
あなたは、超ラッキーボーイ!もしくは超ラッキーガール!なのです。実は。
==========
少子化が進んで、「生まれてくる可能性がない人たち」というのが今後増えることは、以前にもお話しました。あなたの同級生の中で、「結婚できない」とか「子孫を残せない」人たちがかなりの確率で存在することをお話しました。
その人たちは、これまでのラッキー歴史が、そこでストップです。何万年ものラッキーは、いよいよそこでおしまいで、もうその人たちの子孫は、この文章を読むことはできません。残念。
しかし、あなたは今の自分の人生がそこまで「ラッキー」だとはまだ思えないでしょう。せいぜい、普通か、あるいは「自分はいろいろ苦しんでいる」と思っていることだと思います。
それはそれで大丈夫。オールオッケーです。人生のうちで高校生の時ほど苦悩する期間はありません。私もそうでしたし、きっと私の父もそうでしたし、私の祖父もそうだったでしょうから。
ところで、話がかなり脱線しましたね。お父さんの話でした。お父さんだけではなく、お母さんももちろん大事なので、両親というものの話をしたのでした。
ですが、あえてここはお父さんに絞ります。なぜか?それは、今これを読んでいるあなたが日本人・日本国籍だと仮定して、そしてほとんどすべての人に「苗字・姓」がついていると思うからです。
あなたが外国から来た人であれば、ごめんなさい。少しの間、日本の仕組みを説明するので、付き合ってくださいね。
ちなみに、あなたには「姓・苗字」がない、かもしれません。ほんのわずかですが、これを読んでいるあなたが皇族であるならば、一般の日本人についているような苗字がないからです。その場合は、この文章を読まずとも、人生はあらかた周囲のいろんな人の圧力で決められてしまうでしょうから、むしろ読まないほうが幸せかもしれません。
==========
あなたにはどんな苗字がついていますか?
日本人の場合、あなたの苗字はあなたのお父さんが継承して、その苗字になっていることが多いと思います。もちろん、お母さんが苗字を継ぐこともありますが、その一世代上ではお父さんが継いでいるなど、基本はお父さんを通して継承されることが大半です。
あなたの一族がずっと、お母さんのお母さんのそのまたお母さんの苗字を受け継いでいるとしたら、ちょっと珍しいかもしれません。
どうして苗字の話をするのか。
それは、あなたの名前はいよいよあなたの生活に不具合があったり、問題続きだったりしたら「あなたの自由意思で変える方法がある」のに対して、あなたの苗字は基本的には「変えることができない」からです。
(名前は、家庭裁判所の改名手続きによって変えることができます。)
苗字というのは、あなたがあなたの家族というグループに属していることの証として使われます。一般的には、「あなたのお父さんの家のグループ」に属することを示すために、あなたの苗字はお父さんの苗字と一緒になります。
歴史をたどれば、明治8(1875)年に「平民苗字必称義務令」という命令が出て、日本人は全員苗字を名乗ることになりました。ということは、あなたの苗字は2014年現在で最低139年遡ることができる、というわけです。
(もっと昔から苗字を名乗ることを許されていた人たちもいますが、それは江戸時代の身分制度にかかわることなので、ここではスルーしておきましょう)
あなたの苗字が「佐藤」さんであると仮にしましょう。現在高校生のあなたのお父さんは40歳から50歳ぐらいかもしれません。あなたのおじいさんは、仮に当時の人が25歳前後で子どもを作ったとすれば、65歳から75歳くらいになる、ということですね。
139年をこの考え方で割ってゆくとどうなるでしょう。
40+25+25+25+25+25=140ですから、「おとうさん」「おじいさん」「ひいおじいさん」「ひいひいおじいさん」「ひいひいひいおじいさん」「ひいひいひいひいおじいさん」ぐらいの時から、あなたの一族は「佐藤」さんだということになります。
この最後の「ひいひいひいひいおじいさん」を仮にご先祖ですので「先蔵(せんぞう)」さんだったとします。(親父ギャグです)
明治に「佐藤先蔵」を名乗ったあなたのご先祖がいました。この人を初代とするとあなたは7代目になります。
あなたはもちろん、佐藤○○くん、佐藤○○さんですから、立派な佐藤家の一員であり、佐藤家の子孫です。あなたは何の疑いもなく自分は佐藤くん、佐藤さんだと思っているはずです。
ところが、実はおかしなことが起こっているのです。
それはどういうことか?
先蔵さんには奥さんがいて、子供ができます。その人にも奥さんがいて子供ができます。つまり、血縁・DNA的にはつながりは半分になるということを、もしかしたら中学校の理科の時間で習ったかもしれません。
あなたは7代目ですから、先蔵さんの遺伝子・DNAをどれくらい受け継いでいるかといえば、半分が7回ですから、1/2を7回くり返した数字になります。
それは、1/32ですので、パーセントに直せば3..125%という数字です。
3.125%って何?どういうこと?
と、あなたはまだピンと来てないかもしれませんね。あなたの遺伝子のうち3%だけが佐藤さんの遺伝子で、残り97%は他の家の人の遺伝子だということです。
つまり、あなたの体の97%は佐藤さんじゃないのに、あなたは「佐藤さん」を名乗っているということです。すごいでしょ?!
これが、日本で暮らし、日本人であるということの一側面なのです。あなたはすでに「ほとんど佐藤じゃない体なのに佐藤に支配されている」わけです。嫌な言い方をすれば。
あなたが何も疑わず「佐藤だれそれ」として生きているとすれば、実はあなたの人生の中身の大半は「佐藤じゃなかったんだ!」ということなのです。
2014年10月5日日曜日
【高校生のための”人生”の教科書04】土地があるということ、土地がないということ
前回は人生には、大きく分けて「土地を持っている人生」と「土地を持っていない人生」の2通りしかない、という話をしました。
そして、これからのあなたの人生が土地とどう関わるかは一先ず置いておいて、それでもあなたのこれまでの人生と土地はどうやら関わっているらしい、という話をしましたね。
ですので、まずは土地がなぜそんなに重要なのか、を話しておきましょう。
土地、というのは人が住むための場所です。基本的には。自分がこの地球に生まれて「そこにいていいよ」「そこで生きていていいよ」と自他共に認める場所がなければ、とても不安だろうことは想像がつきますね。
もちろん、世界には遊牧民のように移動して暮らしている人たちもいますが、遊牧で移動していても、その土地はおなじ国内であり、「そこにいていい」という保証があるから移動できるわけです。
世界中どこを探しても、よその国へでかけていって、その土地の牧草を勝手に家畜に食べさせたりすることで暮らしている民族はいません。残念ながら、そんな暮らしをしている人たちは真っ先に「土地を持っているその地の人たち」によって滅ぼされてしまうでしょう。
世界中のすべての紛争は、土地をめぐって発生しています。戦争はすべて土地がらみです。
日本で言えば、竹島の問題や尖閣諸島の問題が外国との摩擦を生んでいますが、あれも当然土地問題だと言えます。
土地をめぐって人が殺されたり、殺したりする。それほどまでに土地は重要なのです。
==========
少し話がワールドワイドになってしまいましたが、「土地」は住むところという意味だけでなく、別の側面も持っていることを説明しておきましょう。
それは「お金になる」あるいは「別の価値を生む」ということです。
田んぼや畑であれば農作物を作ることができます。食料を生み出します。宅地であれば、売り買いすればお金になります。なので土地を持っていることは「お金と密接に関係する」わけです。
前回までの記事で、あなたがなぜあなたの町で暮らしているかを話しました。それは土地のせいなのですが、それだけでなく、あなたの暮らしぶりも土地に大きく関わりがあります。
都会の中に土地を持っていたお父さんは、その土地にアパートを建てたり、駐車場にしたりして小金を持っているかもしれません。
田舎に田んぼを持っているお父さんは、赤字なのに米をつくらなくてはいけないかもしれません。
マンションを買ったお父さんは、住宅ローンの支払いに悩まされているかもしれません。
賃貸住宅に住んでいるお父さんは、ずっと家賃を払い続けなくてはいけません。
すると、当然、子どもであるあなたの暮らしぶりにも影響が出てきます。土地があるほうがいいのかないほうがいいのかは、そのお家の状況次第ですが、必ずあなたの暮らしぶりに関係が出てくるのです。
それは、「経済・お金の問題」に変換されて表面に出てくる、ということですね。
土地は住むためだけでなく「経済の問題」つまり「資産や負債」としても人生に関わってきます。売れない山奥の田んぼばかり持っている人もいるし、地主として収益を得ている人もいます。
あなたはそうしたお父さんたちの子どもですから、いずれそれらの利益や負債を受け継ぐことになるかもしれません。
あるいはそうしたあなたのお家の家計の状態によっては、「大学へ進学できる、できない」「留学できる、できない」「資格をとれる、とれない」といった人生の選択肢と関わってくるのです。
これはたいへんなことですね。あなたの努力とは無関係に、そうした状況が生まれているのですから。
ですが、こうしたことは「すでに起きてしまったこと」なので文句が言えません。あなたを取り巻くいかなる状況も、基本的には文句が言えないので、あなたの人生でどうにかしなくてはならないのです。
なので、あなたは人生において「あなたがどうしたいか、あなたがどうするのか」ということを考えなくてはなりません。
お父さんやお母さんがいま「そうなっている」ことは、あなたのお父さんやお母さんの人生においてそうなってしまっているので、それはこの際どうしようもありません。
で、あなたは、どうしますか?
ということなのです。
そして、これからのあなたの人生が土地とどう関わるかは一先ず置いておいて、それでもあなたのこれまでの人生と土地はどうやら関わっているらしい、という話をしましたね。
ですので、まずは土地がなぜそんなに重要なのか、を話しておきましょう。
土地、というのは人が住むための場所です。基本的には。自分がこの地球に生まれて「そこにいていいよ」「そこで生きていていいよ」と自他共に認める場所がなければ、とても不安だろうことは想像がつきますね。
もちろん、世界には遊牧民のように移動して暮らしている人たちもいますが、遊牧で移動していても、その土地はおなじ国内であり、「そこにいていい」という保証があるから移動できるわけです。
世界中どこを探しても、よその国へでかけていって、その土地の牧草を勝手に家畜に食べさせたりすることで暮らしている民族はいません。残念ながら、そんな暮らしをしている人たちは真っ先に「土地を持っているその地の人たち」によって滅ぼされてしまうでしょう。
世界中のすべての紛争は、土地をめぐって発生しています。戦争はすべて土地がらみです。
日本で言えば、竹島の問題や尖閣諸島の問題が外国との摩擦を生んでいますが、あれも当然土地問題だと言えます。
土地をめぐって人が殺されたり、殺したりする。それほどまでに土地は重要なのです。
==========
少し話がワールドワイドになってしまいましたが、「土地」は住むところという意味だけでなく、別の側面も持っていることを説明しておきましょう。
それは「お金になる」あるいは「別の価値を生む」ということです。
田んぼや畑であれば農作物を作ることができます。食料を生み出します。宅地であれば、売り買いすればお金になります。なので土地を持っていることは「お金と密接に関係する」わけです。
前回までの記事で、あなたがなぜあなたの町で暮らしているかを話しました。それは土地のせいなのですが、それだけでなく、あなたの暮らしぶりも土地に大きく関わりがあります。
都会の中に土地を持っていたお父さんは、その土地にアパートを建てたり、駐車場にしたりして小金を持っているかもしれません。
田舎に田んぼを持っているお父さんは、赤字なのに米をつくらなくてはいけないかもしれません。
マンションを買ったお父さんは、住宅ローンの支払いに悩まされているかもしれません。
賃貸住宅に住んでいるお父さんは、ずっと家賃を払い続けなくてはいけません。
すると、当然、子どもであるあなたの暮らしぶりにも影響が出てきます。土地があるほうがいいのかないほうがいいのかは、そのお家の状況次第ですが、必ずあなたの暮らしぶりに関係が出てくるのです。
それは、「経済・お金の問題」に変換されて表面に出てくる、ということですね。
土地は住むためだけでなく「経済の問題」つまり「資産や負債」としても人生に関わってきます。売れない山奥の田んぼばかり持っている人もいるし、地主として収益を得ている人もいます。
あなたはそうしたお父さんたちの子どもですから、いずれそれらの利益や負債を受け継ぐことになるかもしれません。
あるいはそうしたあなたのお家の家計の状態によっては、「大学へ進学できる、できない」「留学できる、できない」「資格をとれる、とれない」といった人生の選択肢と関わってくるのです。
これはたいへんなことですね。あなたの努力とは無関係に、そうした状況が生まれているのですから。
ですが、こうしたことは「すでに起きてしまったこと」なので文句が言えません。あなたを取り巻くいかなる状況も、基本的には文句が言えないので、あなたの人生でどうにかしなくてはならないのです。
なので、あなたは人生において「あなたがどうしたいか、あなたがどうするのか」ということを考えなくてはなりません。
お父さんやお母さんがいま「そうなっている」ことは、あなたのお父さんやお母さんの人生においてそうなってしまっているので、それはこの際どうしようもありません。
で、あなたは、どうしますか?
ということなのです。
2014年10月4日土曜日
【高校生のための”人生”の教科書03】人生はたった2通りしかない。ほんとうに?
前回、とりあえずあなたは今この日本に生まれていて、それがなんとなくだけれど「マシ」そうだ、というところまではお話しました。
しかし、それだけでは、これからの人生を有意義なものにしたり、楽しいものにしたりはできそうにありません。
なので、もう少し、これからの人生について「つっこんで」話をしてゆきましょう。
これから、世界中で誰もそんな話を教えてくれたことがないようなとっておきの話をします。ちょっと、びっくりするかもしれませんが、ひとつの考え方としてまずは聞いてくださいね。
人生は2通りの人生しかありません。
たった2通りです。
哲学的な言い方をすれば、「そりゃ、良かったと思える生き方と後悔だらけの生き方だろ?」みたいなチャチャを入れる人がいるかもしれませんが、そういう難しい話をするつもりは全くありません。
もっともっと単純なことで、明快なことです。
それは、
「土地を持っている人生」と「土地を持っていない人生」
のたった2通りです。
なあんだ!そんなことか、と思うかもしれません。それじゃあ、「車を持っているのと持っていないの」とか「スマホを持っているのと持っていないの」とおんなじような話じゃないか、と思うかもしれません。
ところがそうではないのです。このたった2通りの人生は、日本だけではなく「世界共通」のお話です。たかが「土地があるかないか」だけでなく、それがあるかないか、で人生は大きく変わってしまうし、大きく発展したり狂ってしまうかもしれないのです。
あ、もちろんここで最初に断っておきますが、「土地をもっているといい人生」「土地を持っていないと悪い人生」だと決めないでください。逆の場合だってありえます。いいか悪いかは、ひとまず横に置いておいて、とりあえず「土地を持っている人生とそうでない人生の二通り」があるんだな、と覚えておきましょう。
==========
これから説明することは、単純なんだけれど一筋縄ではいきません。土地があるかないか、という簡単な話の裏に、いろんな面白いことが隠れているからです。でも、おそらく全ての日本の人(ひいては世界の人)が、この問題で人生を変えてきたのです。
まず、あなたがどうして今そこに住んでいるのかからはじめましょう。
あなたは都会に住んでいますか?田舎に住んでいますか?
都会に住んでいる人は、便利な生活を楽しんで、高校生ぐらいになると学校帰りにいろんなショップへ寄ったり、買い食いしたりして過ごしているでしょう。
田舎に住んでいる人は、「もうちょっと便利だったり、好きなお店が近くにあったりすればなあ」と願っているかもしれません。
都会、田舎と単純に言っていますが、都市の中心部と郊外のベッドタウンで便利なところは違いますね。田舎でも電車ですぐに都会に出られるところもあれば、隣の家まで数キロも離れているところもあるでしょう。
でも、なぜ自分がその町に住んでいるのか、考えてみてください。
それは簡単です。あなたのお父さんやお母さんが「土地を持っているかいないか」で決まっているのです。
ほら、出てきたでしょ?土地のあるなし、が。
なぜ、あなたが今その場所にいるのか。それはすべてあなたの親が「土地を持っている人生」だったか「土地を持っていない人生」のどちらだったかに影響を受けています。
いくつか例を挙げてみましょう。
あなたのお父さんは長男で、先祖からの土地を受け継いでいる。だから「田舎にいる」こともあるし、偶然「都会の真ん中に土地があった」こともあるでしょう。でも、いずれにせよ、お父さんはそのまたお父さんが「土地を持っていたかいなかったか」の影響を受けています。
あなたのお父さんは、長男ではなく、実家の土地や田んぼや畑は「おじさん」に当たる人が継いでいるかもしれません。なのであなたのお父さんは、他所の町へ移って「今は土地を持たずに賃貸住宅に住んでいる」か、あるいは「新しく家やマンションを買って土地を持っている」かのどちらかです。
繰り返しますが、土地を持っているからいい人生なのか、土地を持っていないから悪い人生なのかは関係ありません。
お父さんは「土地を持っていたからそこにいる」のか「土地を持っていなかったからよそへ行った」のかが第一のポイントです。
そこで、あなたのお父さんの人生は変わってしまったのです。
ちなみに、あなたがお母さんとだけ暮らしている場合は、多くの確率で「土地を持っていない」ことのほうが多いでしょう。
日本では、土地を受け継ぐのは、男性の方が圧倒的に多いからです。
ということは、おかあさんの場合は「土地があるので、ここにいなくてはならない」理由があまりない、ということでもありますね。
==========
さきほどはあなたの親の人生について考えてみました。じゃあ、あなたについてはどうですか?
「親が土地を持っているから、それは自分が受け継がねばならない」というあなたは、それを実行する人生を選ばなくてはなりません。多少寄り道をしても、その土地をあなたはどうにかしなくてはならないのです。
「親が土地を持っていない」というあなたは、ある意味では自由です。どこへ行ってもかまいません。日本にいなくてもOKです。ですが、あなたのお父さんぐらいまでの世代の人はみんな「新しい自分の土地が欲しい」と思って生きてきました。それが叶った人もいるし、叶わなかった人もいます。
ですが、たいていの人がそう思ったので、新しい一戸建てが建ったり、マンションが建ったりしているのです。
あなたは、まだ高校生なので、「土地を持っている人生」と「土地を持たない人生」のどちらを選ぶかは決める必要はありません。
しかし、あなたのこれまでの人生は、お父さんの「土地を持っているかどうか」によって、すでに左右されてきていることを頭の片隅においておきましょう。
あなたのお父さんが土地を持っている人は、「もしお父さんが土地を持っていなければ、自分はこの町で暮らしていなかっただろう」と思って正解です。
あなたのお父さんが土地を持っていない人は「もしお父さんが土地をもっていたら、自分はこの町で暮らしていなかっただろう」と思って正解なのです。
人生は、そんなことで大きく変動する、ということです。
しかし、それだけでは、これからの人生を有意義なものにしたり、楽しいものにしたりはできそうにありません。
なので、もう少し、これからの人生について「つっこんで」話をしてゆきましょう。
これから、世界中で誰もそんな話を教えてくれたことがないようなとっておきの話をします。ちょっと、びっくりするかもしれませんが、ひとつの考え方としてまずは聞いてくださいね。
人生は2通りの人生しかありません。
たった2通りです。
哲学的な言い方をすれば、「そりゃ、良かったと思える生き方と後悔だらけの生き方だろ?」みたいなチャチャを入れる人がいるかもしれませんが、そういう難しい話をするつもりは全くありません。
もっともっと単純なことで、明快なことです。
それは、
「土地を持っている人生」と「土地を持っていない人生」
のたった2通りです。
なあんだ!そんなことか、と思うかもしれません。それじゃあ、「車を持っているのと持っていないの」とか「スマホを持っているのと持っていないの」とおんなじような話じゃないか、と思うかもしれません。
ところがそうではないのです。このたった2通りの人生は、日本だけではなく「世界共通」のお話です。たかが「土地があるかないか」だけでなく、それがあるかないか、で人生は大きく変わってしまうし、大きく発展したり狂ってしまうかもしれないのです。
あ、もちろんここで最初に断っておきますが、「土地をもっているといい人生」「土地を持っていないと悪い人生」だと決めないでください。逆の場合だってありえます。いいか悪いかは、ひとまず横に置いておいて、とりあえず「土地を持っている人生とそうでない人生の二通り」があるんだな、と覚えておきましょう。
==========
これから説明することは、単純なんだけれど一筋縄ではいきません。土地があるかないか、という簡単な話の裏に、いろんな面白いことが隠れているからです。でも、おそらく全ての日本の人(ひいては世界の人)が、この問題で人生を変えてきたのです。
まず、あなたがどうして今そこに住んでいるのかからはじめましょう。
あなたは都会に住んでいますか?田舎に住んでいますか?
都会に住んでいる人は、便利な生活を楽しんで、高校生ぐらいになると学校帰りにいろんなショップへ寄ったり、買い食いしたりして過ごしているでしょう。
田舎に住んでいる人は、「もうちょっと便利だったり、好きなお店が近くにあったりすればなあ」と願っているかもしれません。
都会、田舎と単純に言っていますが、都市の中心部と郊外のベッドタウンで便利なところは違いますね。田舎でも電車ですぐに都会に出られるところもあれば、隣の家まで数キロも離れているところもあるでしょう。
でも、なぜ自分がその町に住んでいるのか、考えてみてください。
それは簡単です。あなたのお父さんやお母さんが「土地を持っているかいないか」で決まっているのです。
ほら、出てきたでしょ?土地のあるなし、が。
なぜ、あなたが今その場所にいるのか。それはすべてあなたの親が「土地を持っている人生」だったか「土地を持っていない人生」のどちらだったかに影響を受けています。
いくつか例を挙げてみましょう。
あなたのお父さんは長男で、先祖からの土地を受け継いでいる。だから「田舎にいる」こともあるし、偶然「都会の真ん中に土地があった」こともあるでしょう。でも、いずれにせよ、お父さんはそのまたお父さんが「土地を持っていたかいなかったか」の影響を受けています。
あなたのお父さんは、長男ではなく、実家の土地や田んぼや畑は「おじさん」に当たる人が継いでいるかもしれません。なのであなたのお父さんは、他所の町へ移って「今は土地を持たずに賃貸住宅に住んでいる」か、あるいは「新しく家やマンションを買って土地を持っている」かのどちらかです。
繰り返しますが、土地を持っているからいい人生なのか、土地を持っていないから悪い人生なのかは関係ありません。
お父さんは「土地を持っていたからそこにいる」のか「土地を持っていなかったからよそへ行った」のかが第一のポイントです。
そこで、あなたのお父さんの人生は変わってしまったのです。
ちなみに、あなたがお母さんとだけ暮らしている場合は、多くの確率で「土地を持っていない」ことのほうが多いでしょう。
日本では、土地を受け継ぐのは、男性の方が圧倒的に多いからです。
ということは、おかあさんの場合は「土地があるので、ここにいなくてはならない」理由があまりない、ということでもありますね。
==========
さきほどはあなたの親の人生について考えてみました。じゃあ、あなたについてはどうですか?
「親が土地を持っているから、それは自分が受け継がねばならない」というあなたは、それを実行する人生を選ばなくてはなりません。多少寄り道をしても、その土地をあなたはどうにかしなくてはならないのです。
「親が土地を持っていない」というあなたは、ある意味では自由です。どこへ行ってもかまいません。日本にいなくてもOKです。ですが、あなたのお父さんぐらいまでの世代の人はみんな「新しい自分の土地が欲しい」と思って生きてきました。それが叶った人もいるし、叶わなかった人もいます。
ですが、たいていの人がそう思ったので、新しい一戸建てが建ったり、マンションが建ったりしているのです。
あなたは、まだ高校生なので、「土地を持っている人生」と「土地を持たない人生」のどちらを選ぶかは決める必要はありません。
しかし、あなたのこれまでの人生は、お父さんの「土地を持っているかどうか」によって、すでに左右されてきていることを頭の片隅においておきましょう。
あなたのお父さんが土地を持っている人は、「もしお父さんが土地を持っていなければ、自分はこの町で暮らしていなかっただろう」と思って正解です。
あなたのお父さんが土地を持っていない人は「もしお父さんが土地をもっていたら、自分はこの町で暮らしていなかっただろう」と思って正解なのです。
人生は、そんなことで大きく変動する、ということです。
2014年10月3日金曜日
【高校生のための”人生”の教科書02】第一章 あなたが生きているということ
第一章 あなたが生きているということ
”人生”ってなんだろう。自分の”人生”はこれからどうなるんだろう。”人生”をより良く生きるためには、どうしたらいいんだろう。
そんな疑問は、全ての人が持っています。あなたのような高校生は、これから自分の進路を決めてゆかねばならないので、余計にそんな疑問を抱くことでしょう。
もちろん、高校生になる前から、人生について考える人もいるし、もう少し遅い時期に、それを考え始める人もいるでしょう。でも、人は誰でも、自分の人生について考えることになる、というのは共通だと思います。
そこで、まずはじめに、”あなたが今ここに生きている”ということについて、おさらいをしておきたいと思います。
あなたは今、高校生としてこの日本で生活し、生きています。しかし、それは当たり前で当然のことではありません。
というのも「世界には195もの国」があり、その中でも2014年現在で「世界で3番目にお金を稼いでいる国」に生まれるということは、ベタないい方をすれば『当たりかはずれ』でいえば確実に『当たり』だからです。
お金持ちの国に生まれるのか、貧しい国に生まれるのかは、スタートの段階で大きな違いです。
あなたがどの国に生まれるのかは、人生ゲームのルーレットのように偶然に決まるものだとしましょう。だとすれば、あなたの人生は、生まれた時点でかなりラッキーなものだったと言えるのです。
生まれてからも、試練は続きます。
生まれたばかりの赤ちゃんが亡くなる確率は、日本では1000人に1人で、世界でもっとも低い死亡率の国のうちのひとつです。
世界で最も乳児死亡率が高い国は、2010年の時点ではソマリアで、1000人のうち52人が亡くなっています。
世界を平均すると1000人のうち23人が亡くなるという数字になります。
==========
もう少し興味深い話をしましょう。
あなたは今、生まれて確かにこの世界に存在していますが、すこし時期がずれていたら、もしかすると「生まれている」ということさえなかったかもしれません。
あなたは生まれているけれど、これからはあなたと同じように誰かが生まれるとは限りません。
私は、戦後の第二次ベビーブームという時代に生まれました。なので、簡単に言えば、「タメ」「同い年」である同級生がたくさんいた、ということです。
私の父や母は、第一次ベビーブームという時代に生まれています。なので、私たちよりもっと多くの同級生がいた、ということになります。
(ちなみに、第一次ベビーブームの出生数は1949年の269万6638人、第二次ベビーブームの出生数は1973年の209万1983人がピークです)
あなたの年代、今の高校生が生まれた頃の出生数は約102万人です。ということは、あなたの同級生は、私の同級生にくらべて半分しか「生まれてくることができなかった」という考え方をすることもできますね。
同じことを別の見方で見てみましょう。私のお父さん、お母さんが生まれてきたときは、きょうだいの数が自分も含めて平均で4.5人もいました。
それが、あなたの年代では、きょうだいの数はあなたも含めて約1.3人しかいないことになります。
これが、いわゆる「少子化」ということなのですが、少子化がもっと進めば、(つまりきょうだいの数があなたを含めて1を下回れば)「あなたは生まれてこない」という時代がやってくるということです。
そうなると、このお話もこの段階でジ・エンドですね。生まれてこない人に、この文章は読めません。残念。
冗談のように書いていますが、これは真面目な話です。私のお父さんとお母さんは、結婚して私を生みました。私も結婚してこどもを授かりましたが、今の男性の生涯未婚率は20%です。
つまり、あなたが結婚する確率は5分の4であり、あなたの同級生のうち5人に1人は結婚しないので子孫が生まれない、ということになるわけです。
あなたはなんとか生まれてきましたが、あなたの子孫が続く保証はない、ということです。
とりあえず、「お、僕が私が生まれてきたのは、どちらかと言えばラッキーだったのかな」くらいに思ってくれれば、まずはOKです。
ちなみに、この文章を読んでいる人たちの中には「自分は生まれてこないほうが良かった」と感じている人がいるかもしれません。
そういう人は、「この国に、今生まれてこないほうが良かった」のと、もしかしたら「貧しい国や戦争状態の国に生まれてきてしまった」のとどちらがマシだったか考えてみてください。
たいていの人は、「内戦状態の国に生まれてしまった」とか「難民キャンプで生まれてしまった」とか、「生まれたけれど数週間で死んだ」とかよりは、ちょっとだけ今のあなたの境遇のほうがマシそうだと思うと思います。
そうです。たぶん、きっとおそらく、今のあなたの境遇は世界の中でもマシなほうなのです。それがどんなに辛い境遇だったとしても。
”人生”ってなんだろう。自分の”人生”はこれからどうなるんだろう。”人生”をより良く生きるためには、どうしたらいいんだろう。
そんな疑問は、全ての人が持っています。あなたのような高校生は、これから自分の進路を決めてゆかねばならないので、余計にそんな疑問を抱くことでしょう。
もちろん、高校生になる前から、人生について考える人もいるし、もう少し遅い時期に、それを考え始める人もいるでしょう。でも、人は誰でも、自分の人生について考えることになる、というのは共通だと思います。
そこで、まずはじめに、”あなたが今ここに生きている”ということについて、おさらいをしておきたいと思います。
あなたは今、高校生としてこの日本で生活し、生きています。しかし、それは当たり前で当然のことではありません。
というのも「世界には195もの国」があり、その中でも2014年現在で「世界で3番目にお金を稼いでいる国」に生まれるということは、ベタないい方をすれば『当たりかはずれ』でいえば確実に『当たり』だからです。
お金持ちの国に生まれるのか、貧しい国に生まれるのかは、スタートの段階で大きな違いです。
あなたがどの国に生まれるのかは、人生ゲームのルーレットのように偶然に決まるものだとしましょう。だとすれば、あなたの人生は、生まれた時点でかなりラッキーなものだったと言えるのです。
生まれてからも、試練は続きます。
生まれたばかりの赤ちゃんが亡くなる確率は、日本では1000人に1人で、世界でもっとも低い死亡率の国のうちのひとつです。
世界で最も乳児死亡率が高い国は、2010年の時点ではソマリアで、1000人のうち52人が亡くなっています。
世界を平均すると1000人のうち23人が亡くなるという数字になります。
==========
もう少し興味深い話をしましょう。
あなたは今、生まれて確かにこの世界に存在していますが、すこし時期がずれていたら、もしかすると「生まれている」ということさえなかったかもしれません。
あなたは生まれているけれど、これからはあなたと同じように誰かが生まれるとは限りません。
私は、戦後の第二次ベビーブームという時代に生まれました。なので、簡単に言えば、「タメ」「同い年」である同級生がたくさんいた、ということです。
私の父や母は、第一次ベビーブームという時代に生まれています。なので、私たちよりもっと多くの同級生がいた、ということになります。
(ちなみに、第一次ベビーブームの出生数は1949年の269万6638人、第二次ベビーブームの出生数は1973年の209万1983人がピークです)
あなたの年代、今の高校生が生まれた頃の出生数は約102万人です。ということは、あなたの同級生は、私の同級生にくらべて半分しか「生まれてくることができなかった」という考え方をすることもできますね。
同じことを別の見方で見てみましょう。私のお父さん、お母さんが生まれてきたときは、きょうだいの数が自分も含めて平均で4.5人もいました。
それが、あなたの年代では、きょうだいの数はあなたも含めて約1.3人しかいないことになります。
これが、いわゆる「少子化」ということなのですが、少子化がもっと進めば、(つまりきょうだいの数があなたを含めて1を下回れば)「あなたは生まれてこない」という時代がやってくるということです。
そうなると、このお話もこの段階でジ・エンドですね。生まれてこない人に、この文章は読めません。残念。
冗談のように書いていますが、これは真面目な話です。私のお父さんとお母さんは、結婚して私を生みました。私も結婚してこどもを授かりましたが、今の男性の生涯未婚率は20%です。
つまり、あなたが結婚する確率は5分の4であり、あなたの同級生のうち5人に1人は結婚しないので子孫が生まれない、ということになるわけです。
あなたはなんとか生まれてきましたが、あなたの子孫が続く保証はない、ということです。
とりあえず、「お、僕が私が生まれてきたのは、どちらかと言えばラッキーだったのかな」くらいに思ってくれれば、まずはOKです。
ちなみに、この文章を読んでいる人たちの中には「自分は生まれてこないほうが良かった」と感じている人がいるかもしれません。
そういう人は、「この国に、今生まれてこないほうが良かった」のと、もしかしたら「貧しい国や戦争状態の国に生まれてきてしまった」のとどちらがマシだったか考えてみてください。
たいていの人は、「内戦状態の国に生まれてしまった」とか「難民キャンプで生まれてしまった」とか、「生まれたけれど数週間で死んだ」とかよりは、ちょっとだけ今のあなたの境遇のほうがマシそうだと思うと思います。
そうです。たぶん、きっとおそらく、今のあなたの境遇は世界の中でもマシなほうなのです。それがどんなに辛い境遇だったとしても。
ラベル:
あなたが生きているということ,
高校生のための人生の教科書
【高校生のための”人生”の教科書01】はじめに
”人生は教科書通りにはいかない”
ということは、大人でも子どもでもなんとなく気付いていることだと思います。
それでも、あえて「人生の教科書」を作ってみようと思ったのには、わけがあります。
これから複数回に渡って書くこの『高校生のための”人生”の教科書』は、高校生になったばかり(と想定している)のあなたが、これから人生を生きていく上で、ちょっとだけ知っておいたほうがよいかもしれないことをまとめてみたものです。
そして、これからここに書くことは、あなたがこれまで手にとって、これまで教えられてきたどんな教科書にも「書いていなかった」「教えられなかった」ことを中心にまとめています。
もしかしたら、あなたのこれまでの人生とこれからの人生において、驚きがあったり、新しい発見があったりするかもしれません。
ぜひ、それをこれからの人生の小さなヒントとして役立ててくれれば嬉しいと思います。
あなたより少しばかり長い人生を送ってしまっている 吉家孝太郎 より。
ということは、大人でも子どもでもなんとなく気付いていることだと思います。
それでも、あえて「人生の教科書」を作ってみようと思ったのには、わけがあります。
これから複数回に渡って書くこの『高校生のための”人生”の教科書』は、高校生になったばかり(と想定している)のあなたが、これから人生を生きていく上で、ちょっとだけ知っておいたほうがよいかもしれないことをまとめてみたものです。
そして、これからここに書くことは、あなたがこれまで手にとって、これまで教えられてきたどんな教科書にも「書いていなかった」「教えられなかった」ことを中心にまとめています。
もしかしたら、あなたのこれまでの人生とこれからの人生において、驚きがあったり、新しい発見があったりするかもしれません。
ぜひ、それをこれからの人生の小さなヒントとして役立ててくれれば嬉しいと思います。
あなたより少しばかり長い人生を送ってしまっている 吉家孝太郎 より。
登録:
投稿 (Atom)