2018年6月13日水曜日
■【資本主義をハックする 3】 あなたの給料を2倍にするための秘策を教えよう!
某中小企業の取締役にして、社会のすみっこで庶民として慎ましやかに生きるヨシイエさんが、
「資本主義をハックするぜ!まる裸にしてやるぜ!ぐへへへ」
とヨダレを垂らすコーナー の第三回です。
(過去記事はこちら)
第一回 池上彰と資本論
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/06/blog-post.html
第二回 これからの資本主義はどうなるのか
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/06/blog-post_5.html
あいかわらず個人的な備忘録代わりにこれを書いています。
さて、もはや40代も半ばのヨシイエさんにとって、下っ端サラリーマンの時代もあったし、謎の起業家のわらじも履いたし、現在のなんちゃって管理職の仕事もしているし、賞金稼ぎと女子大生(嘘)に手を出したこともあったし、と、これまでの人生経験だけが増えてゆく中で、今日は
「給料を2倍にするには、どうしたらいいか」
という点について、目からウロコの資本主義ハッキングなお話をしようと思います。
ちなみに、そこの奥さん!旦那の給料が2倍になるには、旦那が会社でどうすればいいと思いますか?
「え?旦那が2倍働けば、給料も2倍になるんじゃない?」
と思うでしょ?そうそう、ふだんちんたら動いている旦那が、倍速ビデオのように「きゅるきゅる」言いながら仕事するとか、あるいは、8時間労働だったのが、16時間労働になれば給料が2倍になると思うでしょう。
ちなみに、そこのお姉さん!あなたの給料が2倍になるには、あなたが売っている化粧品をいくらにしたらいいと思いますか?
「え?1000円の化粧品を2000円にしたら、給料が倍になるんじゃない?」
と思うでしょ?そうそう、あなたが毎日ひいこら言いながら売っている商品を2倍の数売るか、あるいは2倍の値段で売れば、給料が2倍になると思うでしょう。
ところが、企業の管理職ともなると、そうではないことが見えてくるわけで。一介の消費者やサラリーマンでは気付かないことを、資本主義の裏ワザ・裏面として今日は書いておくことにするわけです。
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うちの会社は卸売業です。毎日仕入先からモノを仕入れては、顧客のところに届けてお金をいただく、ということを繰り返しています。
すると、飲食店や製造業などは別にしても、とりあえず「モノを仕入れて転売する」という形態の仕事をしている会社は、すべてをひっくるめてまるっとごりっと簡単に言ってしまえば
「商品に利益をのっけて、それだけで商売が成立している」
ということになります。
では、利益を乗っけるといいますが、どれくらい乗っけるかと言うと、すごくベタでわかりやすい話をすれば
「2割の利益をいただく」
のがオーソドックスだと考えてください。
「80円で仕入れて、100円で売る」
みたいな感じです。
みなさんがこれを聞いても、「まあ、普通かな」と納得できる数字だと思います。電化製品を買うときにも「量販店さんは8掛けくらいで仕入れているのかなあ」と思う妥当な数字でしょう。
さてさて、うちは100円顧客からもらいますが、80円は仕入先に支払うわけですから、うちの会社というのは、
「常に利益分の20円だけで商売が成り立っている」
ということです。
これが、20円×1万個売れば20万円、10万個で200万円、1000万個で2000万円、たったそれだけのことです。
だって、それ以外のお金は、全部仕入先に払ってしまって手元には一切ないんですから。
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そうして、残った20円分の利益から、「会社の経費やら」「従業員の労災保険やら」「半分の厚生年金保険料」やらを支払っているわけですから、従業員に対して還元されている分は、ざっくり言って10円分ぐらいだと考えてください。
20円の利益があり、10円は給料+福利厚生費で、残りの10円が会社の経費と社長の給与、ということになるとしましょう。
そうすると、社員の給料を倍にするには、仮に社長の給料や会社経費が据え置きだとすれば、足りない金額がいくらかわかりますか?
ええ。これは簡単ですね。アホでもわかります。
あと10円あればいいのです。
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ということは、あなたの給料を倍にするためには、営業マンが値段をつける際に、
100円のものならば110円にすればいい
ということなんです。すごいでしょ?!
98円のお菓子が108円になるくらいのもんです。
商品金額は倍になんかしなくても、たった10円上げるだけで、あなたの給料は倍にできるのです。
不肖ヨシイエは、経営者のはしくれ・切れ端・ボロ雑巾ですから、資本主義の裏事情にこうやってすぐ気付いてしまうわけですが、実際に経営に携わっているみなさんからすれば、
そのたった10円値上げが、どれだけできないか!
と嗚咽することでしょう。みんな涙を流しながら、苦しんでいるのです。
庶民のみなさんであれば、100円くらいのお菓子が、110円払うどころか、98円になったり、88円になったり、78円の特価セールになっているのを見たことがあると思います。
そう。78円とか、下手すりゃ横滑りか、原価割れですよね。でも、それは他の商品との抱き合わせで目玉商品にしちゃうわけですよ。
で、庶民の僕たち私たちも、よろこんで78円のお菓子を買いあさるのです。
・・・。
・・・・・・。
だ・か・ら!僕たち私たちの給料は2倍にならないし、据え置きどころかボーナスも減るのです!!!!
80円で仕入れて78円で売らなきゃならなかったり、80円で仕入れて88円で売らなきゃならないときに、会社の経費はおなじだけかかるとすれば、後は従業員の給料を抑えようと思うでしょう。
ええ、ええ、もちろん社長の給料だって、その時は抑えられているのです。すべての元凶は、88円という値付けです。
あるいはもっと厳しくなると、仕入先に対しても「もっと下げてくれ~」と言わざるを得ないに決まっています。
そうすると仕入れ先の企業だって、社員の給料を抑える以外ないのです。
というわけで。
サラリーマンのお父さんみんなが100円のものを110円に値付けできて、僕たち私たちが納得してそれを買える社会が来れば、みなさんの給料は倍にすぐできます。
これは本来は庶民のみなさんにとってもオトクなのです。
いいですか?
年収400万円の家族が、仮に300万消費して、子供の将来の学費に貯金をなんとか100万円残す生活をしているとしましょう。
そうすると消費金額が300万円ですから、330万円使ってくれれば、お父さんの給料は800万になる可能性があるということです。
年収200万円の派遣社員が、全額使って貯金なしだとしましょう。でも、220万円かかる生活になったとしても、年収400万くれるというなら、恐れるものはないはずです。
もはや「倍くれなくても1.5倍でも充分ええわ!できるならそうしてよ!」という話だと思いませんか?
この世知辛い世の中で、どれだけそこに気合を入れて「1円でもより高く売れるか」に心を砕くのが、本当の経営者だったりするのかもしれません。
しらんけど。
ええ、うちはしっかり利益いただきますが、なにか? ・・・ごちそうさまでした。
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