2016年2月17日水曜日

学校で児童生徒がベランダから3人も突き落とされない理由 ~地獄の介護現場と比較する~

 昨日に大きなニュースになっていた「老人ホーム突き落とし殺人事件」の犯人の自供ですが、さっそく中村淳彦さんが


「崩壊する介護現場の実態」


を挙げておられます。


 現代ビジネスさんより 「ルポ 地獄の介護現場」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47873



 まあ、ひどいもんです。



 私は個人的に「介護と保育」の現場はこれから虐待と憤死まみになってゆくと思っています。

 
 その理由はとても簡単で、介護職と保育職は、


「給料が安く、人材が不足している」


からです。それ以上でもそれ以下でもありません。





 さて、この問題をきちんと理解するためには、すでに問題が山積しているといわれる


「学校現場」と比較


してみればわかります。



 今回、老人ホームでは、「入居者が3人立て続けにベランダから突き落とされる」という事例が発生しました。



 しかし、学校で児童生徒がベランダから3人も突き落とされることはありません。



 なぜ学校では起きないのか、あるいはなぜ老人ホームでは起きるのか。



 そこに比較の意味があるのです。



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 まず、基本的に大の大人に対して、老人も児童生徒も園児たちも、全員大枠では弱者に当たります。


 その弱者のうち、老人と園児が虐待されて、児童生徒はあまり教師に虐待されない理由は何故でしょうか?



 これも理由は簡単です。



「老人と園児はまともに喋れないから、虐待の事実を証言しにくい」


からです。児童生徒は、ある程度論理的に話すことができます。なので虐待するとバレてしまう。



 では、もうひとつ事例を挙げて。


 まともに喋れない、ということを議論するなら、たいへん失礼で申し上げにくいものの、たとえば「養護学校・特別な教育を受けておられる」児童生徒ならどうなんだ、という意見もあるでしょう。



 もしかすると、私たちの知らないところで、特別支援学校では虐待が日常茶飯事なのではないか?という疑問が起きても仕方ないかもしれません。


 彼らの中には、外部から見てきちんと証言しにくいのではないか、と思う方もおられるはずだからです。




 しかし、現実には、特別支援学校では、児童生徒1人に対して3人くらいの教師がつきますから、まず、虐待が起こることはありません。


 おなじことを取り入れるならば、


「老人ホームで、老人1人あたり3人の職員とはいわずとも、1人あたり1人の職員数でもあれば、ほぼ虐待は起きない」


と言う事ができるのです。


 これは過労負担の問題です。(なので、給与面の待遇とは別の話です)



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 さて、利用者と職員の人員割合について(つまりは過労負担の割合について)考えましたが、通常の学校では、


「40人くらいに対して1人で面倒を見る」


わけですから、本来の比率では相当なものがあります。しかし、学校の先生は、児童生徒をベランダから突き落としはしないし、虐待事件が起こることはまれです。


 なぜか。そこにはもう一つの理由があります。


 ご存知のように、学校教職員は、教員免許という資格を取らされています。しかし、免許状を持っているだけではダメで、採用試験というそれ以上に難関の試験をくぐって採用に至ります。


 その結果、教職員の給与は、現在では民間平均よりも高い水準で推移しており、簡単にいえば


「厳選された人材が職についており、高給である」


ということに尽きるのです。



 そのため、感情的に行動する職員よりもある程度は自制が効きます。



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 ということは、介護や保育の現場で虐待を防止するには、



「厳選された人材を雇う」

ことと、

「利用者あたりの職員数を増やす」

ことが解決策だとわかります。



 しかし、こんなことは当たり前で、そんなことは言われんでもわかっとるわ!というのがオチですから、それならそれもそのはず、



「つまり、介護施設と保育施設の虐待と憤死はこれから増え続ける」



ということも当たり前なのです。


 どうにもなりません。




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 とすれば、すなわち。


 こうした状況から逃れるためにどうしたらいいかは簡単です。一昔前のニューヨークの地下鉄に誰も乗りたがらなかったように、



 自衛するには、保育所に入れない、介護施設に入れない



手はずを整えていかねばならない、ということです。ああ、おそろしい。


 というわけで、私の子供達は専業主婦の妻に面倒をみてもらい、年老いた両親は最後まで現役で働いていただいて、現場で倒れるように殉職してもらわねばなりません。ああ、おそろしい。






 






















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