ふとしたことからJJRCのH37を入手して飛ばしてみたのですが、このドローンもしくは、似たような構造のドローンにちょっとした弱点があったのでレポートです。
JJRCのH37は、名機と言えば名機でもあり、迷機といえば迷機です。兄弟機がたくさんあって
■ JJRC H37
■ Eachine E50
■ FLYBOX
あたりは同型
■ JJRC H47
■ Holy Stone H160
あたりは後継機種になるでしょう。
これらは4本の足を折りたたむことができ、コンパクトに収納されます。手軽に持ち出して、自分を空から撮影する用途に使うという意味で「セルフィ」タイプと呼ばれることもあります。
もちろん、足を折りたためるタイプは、Djiなどにもあって、別に機種がたくさんあるのですが、構造的に違いがあるので、そのあたりも今回お話したいと思います。
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まず、誤解がないようにあらかじめ言っておくとすれば
☆ プロペラガードがないのがダメ、というわけではない
☆ 折りたたみ機能がダメ、というわけではない
ということです。これはちゃんと宣言しておきます。
もちろん、初心者がドローンを操縦するには「プロペラガードがあること」は重要かもしれません。また「折りたたみ機能があるとガードをつけられない」といったこともあるので、無関係ではないかもしれません。
けれど、実はそこではなく、
☆ これらのドローンの構造上、知っておくべき特性がある
ということなのです。
興味深いことに、H37の同封物には「プロペラ4枚」と「ギア4つ」が入っています。この段階で、アレ?と思う人はするどい!
なぜなら、通常、たいていのドローンを買っても「プロペラ4枚」は最初からついてくるけれど、ギアが入っているのは珍しいからです。
ではなぜ「ギア」が入っているのか。それは、この機種や、同型機は
ギアを壊す可能性が高い
からついているわけですね!
実はこの系統の機種は
■A モーター横置き + ギアで90度転回させてプロペラを回す
ということをやっています。
その他のたいていの機種は
■B モーター縦置き + 直接モーター軸でプロペラを回す
か
■C モーター縦置き + ギアで平行にプロペラを回す
という構造です。
まるでガソリンエンジンの「水平四気筒」がどうのこうのとか「縦置き」「横置き」見たいな話ですが、この置き方で結果が変わってくるのがドローンなのです!
B まず、モーター縦置きの場合は、墜落や着地のショックは、縦型の筒の下から上に向かって突き上げます。
モーターは筒型なので、この方向の衝撃には比較的強いし、かつ、仮にその衝撃で縦に突き上げて全体の位置が上方向にズレても、プロペラを回すことには直接関係がありません。
A ところが、横置きモーターの場合は、ギアで90度回転させてプロペラを動かしているものだから、下からの衝撃が加わると、ギアの噛み合わせ部分に微妙なズレが生じるのです。
ましてや、これらを収めているハウジングに変形が生じると、90度の噛み合わせ部分に「余計な力」がかかり、回転の足を引っ張ります。
90度の部分は、その噛み合わせが90.5度になっても、キシみが生まれるわけですね。
C の縦置きでも、ギアが上下方向にズレてもかみ合っている限りは特に問題なく回ります。ハウジングが変形しても、縦にズレるだけなら、まったく問題はありません。
そのため、まずH37型のような「横置きモーター」は最初から設計上の弱点があるということになります。
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もうひとつの弱点はランニングギア(脚)部分です。
ドローンは「着地するとき、あるいは墜落するときに、どこが真っ先に当たるか」が重要な要素です。
■ 通常時は「ランニングギア」部が当たる = 真下部分
■ 非常時は、腕下部(脚)が当たる = 4つの脚部分
■ 横方向だと、羽根に当たる = 真横部分
■ H37型はランニングギアも、腕下脚もない → ギアボックスハウジングが当たる
これが、H37型が衝撃に弱い構造的理由です。
こうした実状が判明したからか、折りたたみ系のドローンでも
■ 縦型モーター
■ 縦型モーターのハウジング兼用腕下脚
を持つようにデザインされたものが多くなってきました。
ちなみにセルフィのはしりである「Dobby」は
■ 縦型モーター
のみ、という設計でした。
まあ、これだけでは案の定、腕をぶつけて故障させた人が続出したようですが・・・。
なかなか奥が深いですね。
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