2018年11月9日金曜日
ひきこもりと労働 ~働くとはどういうことか~
いつも敬愛しているニャートさんが「ひきこもりの働き方」について、アイデア出しをなさっているので、ヨシイエならこの問題をどう考えるかについて、一人会議を行ってみました。
元ネタはこちら
引きこもりの働き方(アイデア出し)
http://nyaaat.hatenablog.com/entry/2018/11/07
(ニャートさんのブログから)
一般的な引きこもり支援というのは、元記事にももちろん言及がありますが「就労」によって、万事OK!となっている節があります。
引きこもりなので、働いていなかったのだから、働けるようになれば万々歳だろう、という単純な話です。
しかし、学校関係に務めていたヨシイエさんとしては、まるで「不登校の子が学校に来るようになればOK」みたいに感じてしまうので、それもどうかなあ、という部分がなきにしもあらず(苦笑)
それはともかく、ニャートさんのアイデア出しでは「引きこもりというものがキャリアのひとつとしてカウントされたら面白いのに」という部分が核になっているようです。
一方ヨシイエさんの場合は、「そもそも働くとはどういうことなのだろう」という点から、引きこもりと労働について意識を再構築してみようと思っています。
はてさて、働くということは、実は単純明快です。わかりやすく平たく言えば
1) 行動を提供して対価をもらうこと
2) 行動による成果物を提供して対価をもらうこと
この2つしかありません。
行動というのは、たとえば肉体労働であれば荷物を運ぶとか、土を掘るとか、取引先に会いに行くとか、とにかく肉体を使ってなんらかの行動を行うことです。
そのことに対して報酬が発生します。
成果物というのは、翻訳された書籍が完成したり、なんらかのレポートが出来上がったり、録音録画されたものが完成したり、あるいは流し込むためのテキスト記事が出来たり、とか、そういうことです。農作物でもいいでしょう。
このことを念頭に置くと、引きこもりが引きこもりのまま報酬を得ようとすれば、
「成果物を提出する以外にない」
ことがわかるでしょう。
なんせ、外に出て「行動を提供できない」という事情があるわけですから、残りは成果物の提出以外には、どうしようもありません。
あるいは、その行動を「家の中だけで、自分ひとりだけでできるもの」と少しだけ限定してやれば、1のほうも実行が可能になると思います。
たとえば、「パソコンとにらみあいながらデイトレーダーをやる」とか「ライブチャットを垂れ流す」とか「不動産を所有して管理会社にまる投げする」とかであれば、家の中だけでも「行動」を報酬に変えることができるかもしれません。
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さて、もうひとつポイントがあります。
それは、仮に、成果物を家にいながらにして報酬に変えることができるとして、
「それを誰かがシステムとして提供してくれるのか」
と
「それを自分でシステム化して行うのか」
という2つです。
ニャートさんのイメージでは、なんとなく前者の「万人に提供されるシステムは作れないものか。そして、引きこもりの人は、そのシステムに楽に乗っかれるといいよね」という考えに近いように思います。
逆に、後者だと、「引きこもりから起業する」というアクションに相当するでしょう。
となると、引きこもりの人が報酬を得るには成果物を作ってもらえばいいわけですから、
「内職の元締めをやる」
とか
「引きこもり向け内職マッチングサイトを作る」
とか、そういうことになるかもしれません。
もちろん、現物を作らなくても、デジタル納品でもいいわけですから、ランサーズとクラウドワークスに引きこもり向け案件があれば、もう明日からでもそのシステムは存在することになるかもしれません。
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逆に後者のほうの「自分でシステム化して行う」というのは、実は単なる起業です。
引きこもりの人が、自分で成果物を生み出し、それをマネタイズする、というひとつの成功譚というわけです。
そうすると、「何が成果物として売れるのか」ということが、この話の根幹であるということになります。
今回のニャートさんとみなさんのアイデア出しにおいては
「引きこもり」という経験をどのように成果物に変えることができるか
を考えていることになるでしょう。
・引きこもりの日常を漫画にして売る
・引きこもりの体験をnoteで販売する
・四六時中ネットをしている体験記を売る
・引きこもりを脱した体験を引きこもりを持つ親に売る
・引きこもりの過ごし方セミナー
・引きこもりから脱出した方法を学ぶセミナー
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
なんか、どんよりしてきましたね。なにか違---ううう!!!!
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個人的には、実はヨシイエさんには「誰かにやってほしいこと」というのがいくつもあります。
たとえば、私は別の名義で木工品を作って販売しているのですが、もうすべて私が作るのは手間が取られて仕方がないので、どなたかに自宅でこちょこちょ作っていただいて、それを私が買い上げてもいいし、注文はひっきりなしに来るので、それを発送まで任せてしまってお金を支払ってもいいのです。
ですが、これは単なる下請け作業、ということになります。工場に出勤してもらわなくていいだけで
「家内制手工業」
です。引きこもり対策 ”にも” なるだけですね。
ちなみに余談ですが、工場に出勤して労働者に成果物を作ってもらうと、その品質管理は企業が責任を持たねばなりません。
しかし、引きこもりの方に製作を任せてしまうと、その品質管理は、引きこもりの方にも責任が生じます。
木工品ではイメージがわきにくいと思いますが、「梅ジャム」を工場で作っているのと、引きこもりの方の個人宅で作ってもらっているのを比較すると、実は食中毒を出してしまったとして、
「引きこもり対策とは、責任を引きこもりの方に負わせることにもなる」
という面があることに気づくことでしょう。だから企業は「出勤しなさい」というわけです。自分たちの管理下に置いたほうが、楽だからです。
で、管理に管理を重ねるので、労働者はやられてしまうわけですが。
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もうひとつ、ヨシイエさんは「絶対に儲かる商売」というのをずっとやっています。
絶対に儲かるビジネス
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/05/20.html
絶対に儲かるんですが、そろそろヨシイエさんは本業が忙しくてやっている暇がないので、引きこもっている方に下請けしてほしいと時々思います。しかし、
「残念なことに、下請けに出してしまうと、絶対に儲かるのでその人が自分でそのビジネスをやりはじめてしまう」
という大きな矛盾!にしてやられてしまうのです。
なので、もう少し私がウハウハになってからでないと、お願いすることはできません。
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こうして考えてゆくと、全体のまとめに入りますが、引きこもりの方が報酬を得てゆくには
A「自分の人生を切り売りする」
B「現物もしくはデジタル内職をする」
C「起業する」
D「家内制手工業を行う」
といった方法があるらしいということになりそうです。
しかし、よく考えるとこれは、
「勤め人になる以外、なんでもやります」
ということに他ならないのではないか?と思ってきました。
そうだ!なんでもやってみればいいのだ。
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