先日より、ちまちまと書き連ねている「儲かる話」についてですが、私が、いろんな職業を体験したり、あるいは普段業務を行っている上で、気がついている話をきちんとまとめておこうと思います。
現代の日本社会で生活し、そこで消費活動や企業活動を行う上で、見誤ってはいけないたった一つのポイントがあります。
それは
「正しいことや、当たり前のこと、常識的なことを信じてはいけない」
ということです。いや、もうすこし厳密に言うならば、この日本においては
「一見正しいことや、当たり前のこと、常識的なことを信じてはいけない」
と、正確に申しておきましょう。
これはいったいどういうことでしょう。
もし、遠慮なくぶっちゃけて、上の言葉を言い換えさせていただくならば、
「ほとんどすべての人は、誤った選択をするから、それを忘れるな」
と言い換えさせていただきましょう(笑)
これが、儲けを出したり、企業活動を行う上で、とても重要なポイントになるのです。
単純ですが、奥深い謎が含まれていますので、ぜひじっくり考えてみてください。
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たとえば、このブログで口がすっぱくなるくらい言ってますが、
「マンションを資産として買う」ということは、合理的理屈においては完全に誤りですが、ほとんどすべての人はマンションを買うことを実行している
という事実があります。
あるいは、
「太陽光発電というのは、電気代を一括先払いして、月々多少お安く見せられている商材である」
なんてこともずっと書いていますが、たいていの人は太陽光発電は良いものだと誤解しています。
また、あるいは、
「ハイブリッド車は、初期投資が高く、燃費は安くなるが、総維持経費は、ふつうの車より高くなる」
ということも、専門家は理解していますが、たいていの人はハイブリッド車を肯定しています。
こういうことは、経済の専門家の間では、永遠のテーマとしてすでに議題に上がっていて、
「どうして人は経済的合理性に沿った行動をしないのか」
という論題がちゃんと提示されていたりするのです。
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このことをひっくり返すと、企業人として考えなくてはいけないポイントが見えてきます。
つまり、
「本当に経済的にきちんと合理性のある商品は、売れない」
ということに気付くべきなのです。
もっと平たくいえば、「ほんとうに良い商品は、売れない」のです。恐ろしいことに!!!!
こんな書き方をすると、「じゃあ、粗悪なものを騙して売りつけるのが企業人の本分なのか!」なんて誤解して怒り出す人がいるかもしれません。
しかし、その人も、やっぱり単純なミスを犯しています。そうではなく、
「売り手にとって良いことと、買手にとって良いことを本当にすり合わせるのは、とてつもなく困難である」
ということなのです。
そこで、すべての企業活動においては、この「本当に合理的にすばらしいもの」を提案するのは困難なので、
「一部、すばらしい機能を持つもの(ただし、総合的にすばらしいかどうかは別)」
という商品を提示することが常になっているわけです。
平たくいえば
「ちょっと何かが良さげなものが売れる」
ということになるでしょう。
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私がふだん扱っている商品は、50年くらいノーメンテナンスで平気で持ちます。なので、私が1つそれらを販売すると、二度とそれを買った人に出会うことはありません。
これは、買手にとって良いことですが、提供者にとっては回転率が極端に悪いのでよろしくない商品だということになります。
しかし、現実には、この商品はめちゃくちゃ売れるわけではありません。
実際には、10年もすれば追い金をして補修や交換してやらねばならない半額くらいの商品が売れ筋ということになっています。
こうして、本当に良いものは売れず、性能的に劣るものが売れてしまうわけです。
「安い、という一部だけメリットがある商品が売れる」
ということです。
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ブランド品なんかは、もっとわかりやすいですね。
たしかにブランド品は、作りもしっかりしていて価値があります。しかし、1万円のバッグが5年使えるとして、
30万円のバッグが150年間使える
かどうかは定かでないし、150年使えることをPRするのはナンセンスですよね?
つまり、人は、決定的に不合理である「ブランドとしてのかっこよさ」だけに+29万円を支払うものなのです。
だから企業人は、「何に29万円を払ってくれるのか」を合法的に見極めることで儲けを出すのです。
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儲けるということは、本来の価値に対して、「見かけ上の価値(売れる価格)」がどれだけ取れるのか、ということを意味します。
ただし、ここが重要ですが、消費者のほうは「売れる価格より、本来の(使用できる)価値が高そうだ」と誤解するものにしかお金を払いません。
ここに、超矛盾が存在するので、すり合わせが難しいのです。
だから、企業人は常に「この部分が、値段以上の価値がありそうですよ!」と声を大にしてPRしなくてはいけないのです。
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