2018年7月20日金曜日
【学校をめぐる諸問題09】 学校にエアコンがない根本的理由 ~それはお金がないからだ~
今年は、例年よりも猛暑で、学校現場においても熱中症などで倒れる児童生徒が多く、心配な限りです。
そんな厳しい状況を見て、
「学校(あるいは教室)になぜエアコンがないのか」
という論調が今年ばかりはかなり多く聞かれるようになりました。
あるいはその派生系として、「炎天下での校外学習はどうすべきか」とか「空調のない体育館での集会はどうあるべきか」とか、似たような問題や議論も巻き起こっています。
私は個人的には、「学校はエアコン完備で快適であるほうが望ましい」と思っています。
体育館についても全館空調完備であることが望ましいし、炎天下での校外活動はそもそも計画しないほうがいいし、部活動なんかやめちまえ!と思っています。
しかし、それはともかくとして、実際に学校にエアコンをつけるとなると、電気容量の関係で設備を大幅更新しなくてはならなかったり、各教室でエアコンを稼動させると電気代がかなりの値段になることが予想されるでしょう。
となると、現実的にはこんなことが起こります。
「えーっと、今年は早くから猛暑日が続いたので、予算を使い切ったために、来週からは午前しかエアコンがつけられません」
「お金がないので、28度以下に設定してはいけません」
みたいな。
これは、夏場のエアコンに限らず、真逆の「暖房費、ストーブ代」でもすでにおなじことが起きています。
寒冷地の学校では、年間に「何度以下になったら、暖房をつけていいよ」「そのための予算は年間これだけだよ」ということが決まっており、年によっては予算オーバーが起きます。
その場合、学校の校長と事務長は大慌てで教育委員会やらと掛け合うのですが、公的な予算というのはもともと潤沢にあるわけではないので、本当に
「暖房の出力を絞る」
とか
「生徒がガタガタ震えないと、スイッチを入れない」
とか、そういうことが起きます。
世知辛いけど、ぶっちゃけ「金」なんですね。すべては。
事情通の人は知っていると思いますが、おなじ理由で一部の地域の学校では
「プールがあるけど、プール授業をしない」
ということがマジであります。
プールの設置については、昭和○○年度の設備助成なんたらかんたら金でつけたのだけれど、設備助成なんたら金は、毎年の水道代までは面倒みてくれないので、水道代が高くつくから
「えーい、いっそプール授業なくしちゃえ!」
ということになります。
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こうした事情がみえてくると、仮にエアコンが各学校に設置されても、快適に使うということはできかねるのが現実で、
「くそ暑い、命に関わる日だけはエアコンが動かせるが、それ以外はつけちゃダメだと先生が言う」
とか
「猛暑日が続いて、後半はエアコンがつけられない」
とか
そういうことになるのですね。
各家庭は「今月はエアコン代がかかったから、食事を貧相にして耐えよう」とか出来ますが、学校予算はそうはなりません。
「今月はエアコン代がかかるから、給食はパンの耳にしよう」
とか、そういう自由が利かないんですね。
ましてや、地方公共団体はどこも金欠です。エアコン設置費用+運用費用を賄える余力は、なかなかないでしょう。
という理由で、この話はしばらくモメ続けることが予想されます。
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