2018年2月16日金曜日
■給料が上がる理由を、大半の人が勘違いしている件 ~結果を出しても給料は上がらない理由~
世の中のビジネスパーソンにとっては、最大の関心事ともいうべき
「お給料」
について、ネットで面白い記事があったのでご紹介。
一生懸命がんばって結果も出しているのに、お給料が上がらない人の傾向と対策
http://www.yutorism.jp/entry/Salary
話の流れは、元々ネタの小島アジコさんの記事から発展してます。
報酬は苦痛や苦労に払われてるって勘違いしてませんか?
http://orangestar.hatenadiary.jp/entry/2018/02/10/201334
というわけで、それぞれのお話を踏まえて、「給料や報酬とは何か」について考えてみたいと思います。
まず、元々ネタの小島アジコさんのお話は
「報酬というのは、苦痛や苦労に払われるのではなく、生産性に対して払われる」
というものでした。生産性の概念がややこしければ「結果に対して」と読み替えてもいいでしょう。
「報酬はプロセスではなく、結果に対して払われる」
みたいな感じです。
それに対して、らくからちゃさん(ゆとりずむ)のお話は、
「結果を出しても、報酬が上がらないことがある。あるいは、報酬はその人材の希少性に対して払われる」
というニュアンスでしょうか。これもまた当然どちらもありえる話です。
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さて、これからヨシイエが話すのは、こうした事柄を踏まえて(ぜんぜん否定するとか、そういうことじゃなくて)みなさんが誤解している給与や報酬の真実ですので、耳の穴をかっぽじってよく聞いていてください。
まず、よくよく勘違いされてしまう大前提の部分を説明しますね。
それは報酬には2通りの意味合いがあって
「事前報酬(事前給与)」と「事後報酬(事後給与)」
という視点があるということです。
私たちは、ごく一般的なビジネスパーソンとして
「自分は仕事をこんなに頑張ったから(プロセス)、そしてこんな成果を上げたから(結果・リザルト)ゆえにたくさんの給与や報酬がもらえるべきだ」
と考えますが、実はプロセスや結果と報酬の因果関係はまったく無関係のことが多く、たいていの会社員はそれとは異なる論理体系で報酬が払われていることを理解するべきでしょう。
もちろん、上記のような「プロセス→結果→報酬」モデルを採用している会社や職種もあります。それはいわゆる完全歩合制の会社や、請負の場合です。
建築請負などでは、中間金をもらったり(プロセス)、フルコミッション営業職では、売上高の%で報酬を受け取ったりしますから、これはたしかに「過程と結果と報酬」が相関するといってよいでしょう。
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しかし、一般的な会社員にとっては、「プロセスや結果」を報酬で評価することはできません。たしかに、ある営業マンが商品を100万円売ってきたのと、200万円売ってきたのとでは、プロセスや結果は2倍の数値で異なりますが、給料には反映されないことがほとんどです。
(もし、給与が2倍になる体系なら、それはフルコミッション営業だということですから)
あるいは、どれだけ社員が頑張って成果を上げても、社長が飲み食いにお金を費やしていて、赤字を抱えているなら、給与にはまったく反映されないでしょう。
またあるいは、経理の仕事をしている人は、取り扱い高が増えれば給与アップで、売り上げ高が下がったら給与がマイナスになることもありません。ある月に伝票枚数が3倍になったからといって「君は今月3倍仕事をしているね」とは誰も評価してくれないだろうことは容易に想像がつくでしょう。
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では、給与が上がる、報酬が増えるとは、いったい何なのでしょうか。海外では多少意味合いが異なりますが(なぜなら海外の仕事はフルコミッション寄りだから)少なくとも日本国内で日本人もらえる給与というのは
「期待値」
にほかなりません。そうなのです。日本では、給料アップとはすなわち
「事前報酬」
の意味合いが強いのです。
もっともわかりやすいのが、新卒採用や中途採用時に示される「給与」の提案ですね。海のものとも山のものとも知れない新人が、
これから会社に貢献できるかどうかまったく不明なのに20万や30万といった金額をつけられる
というのは、期待値以外の何ものでもありません。
そして、会社員の経歴の中では、
「新しい役職についた時点で、給与がアップする」
ことがほとんどです。これは、新しい役職への期待値で給与という価格が決まっているということなのです。
ということは、私たちは
「頑張ったから給料が上がるだろう」
と思っていますが、会社はそんなことはあまり考えておらず
「これから(期待される任務を)頑張るだろうという人間の給与をアップさせよう」
と思っている、というズレがあるということなのです。
これが、実は「派遣社員が正社員になかなか登用させてもらえない理由」とか、「公務員試験が1種や2種に分かれている理由」とか「キャリアとノンキャリアの違い」とかを説明する有効な理論になるのです。
派遣社員や契約社員は、いわば「下っ端としての役割を下っ端としての給与」でまかなわれている人材です。なので、仮にその立場でめっちゃ頑張っている人や、めっちゃ成果を上げている人がいたとしても会社としてはラッキーですが、多少は寸志で評価すればいいだけで、正社員にする必要はありません。
正社員にしたいのは「ハイスピードで下っ端業務をできる人材」ではなく、「それを管理できる人材」ですから、その期待値に対して正社員に引き上げるわけです。
「ハイスピード下っ端」さんは、ハイスピードでその仕事を回してくださるほうが、ありがたいということです。
実は戦国時代や江戸時代も、このへんはしっかりと切り分けられていて、おなじ戦闘にかかわる武士のような仕事をしていても3種類くらいの役職・身分がありました。
いわゆる侍というのは「士分」ですが、これは馬に乗って戦う武将を意味します。
次は「徒士」という歩兵です。このへんから藩によっては士分だったり士分じゃなかったりします。
最後は「足軽・卒」という身分です。これも歩兵ですが、侍、士分ではありません。
足軽から出世できたのは、長い戦国時代でも豊臣秀吉ぐらいのもので、まあ基本的には「いくら敵をたくさん倒しても、足軽は足軽」だったので、侍にはなれませんでした。
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結論としては、会社員にとっては「給料が上がるのは、あなたに新しい任務が与えられる瞬間である」と思ってまず間違いない、ということです。
このことを知っているか否かで、働き方は大きく変わると思います。過去を振り返って自分の頑張りに対して報酬が少ないとか言っている場合ではないのです。明日や未来に、あなたに何ができるか、が問われているということなのですから。
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