2018年2月14日水曜日
奨学金の延滞率ニュースがひどすぎる件
吉家は、その昔映像製作なんかをやっていて、それもドラマとか映画じゃなくドキュメンタリーのほうが得意だったこともあっていちおう
メディアとは何であるか
については、多少なりともしっかりした考えを持っているほうだと一応は思っています。
ついでに、教育関係の仕事についていた時代もあるのでそっちにも造詣が深いわけですが、奨学金をめぐる2つのメディア報道がとてもよい教材になったので今回は取り上げる次第。
まずは
「私大トップクラスの奨学金返済能力を誇る大学は?」
https://www.news-postseven.com/archives/20180213_649700.html
というNEWSポストセブンさんの2月13日の記事をご覧いただきたいのです。
これを読むと、「ああ、奨学金をきちんと返している学生はどこの大学にいるのかな」ということがわかるようになっているのですが、そのデータを引用させてもらうと、
延滞率が低い大学
ということで、関西の主要私大が取り上げられているわけです。
■ 関西大学 0.9%
■ 関西学院 0.9%
■ 同志社 0.8%
■ 立命館 0.9%
■ 京都産業 1.1%
■ 近畿 1.2%
■ 甲南 0.7%
■ 龍谷 1.2%
そして、基準がわりに「早稲田が1.0%」という数字を上げて
関西はおおむね、延滞率が低く優秀なんじゃない?
という論調になっています。
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さて、今度は2月14日付のおなじくNEWSポストセブンさんの記事を見てみましょう。
「奨学金延滞率が多い大学ワースト10」
http://www.news-postseven.com/archives/20180214_649613.html
今度はワースト10を挙げているので、おそらく「優秀じゃないほうをリストアップする」つもりで書いておられるのだと思います。
ではその10校を引用させてもらうと・・・・・・。
ワースト1位から(ただし延滞者人数順・ここでは延滞率を抽出)
■ 1位 日大 1.3%
■ 2位 東海 1.8%
■ 3位 近畿 1.2%
■ 4位 大阪産業 3.3%
■ 5位 帝京 1.8%
■ 6位 九州産業 2.4%
■ 7位 早稲田 1.0%
■ 8位 福岡 1.4%
■ 9位 専修 1.8%
■10位 立命館 0.9%
・・・・・・はい。賢明な読者諸君にはもうわかりましたね。
前回は「延滞率が少なくて良いんじゃない?」とされた近畿大学や立命館大が、こちらでは「延滞率ワースト10」入りしているんです。
これ、おなじ記者さんがもし書いたのだとすれば、
「精神が分裂ぎみだと思うので、早く医者に行ったほうがいいですよ」
と言いたくなります。
あるいは、編集長さんはおなじ人物だと思うので、
「ちゃんとチェックしたほうがいいと思いますよ」
と言ってあげたほうがいいと思います。あるいは、ほんとうにどっちでもいいのかもしれません。そんなことでは文春に負けてしまいますよ。
逆にいえば、メディアというものは、データの見せ方ひとつで
「ある方向付けを好きなようにすることもできるし、真逆のことだって言える」
わけで、これは全くもってその良い例だと思ったのでご紹介した次第。
ぜひ来年の大学入試で取り上げてほしいくらいです。
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