前回の起業塾でも取り上げましたが、「ネットビジネス」を取り巻く闇というか半分
詐欺
みたいなことがやたら起きていて、このギョーカイに幻滅しそうな今日この頃です。
で、「詐欺みたいな謳い文句でネットビジネスみたいなものに勧誘し、お金をいただこうとするヤカラ」について前回お話したところなのに、今度は
ネットの最大手でもやってることはそれほど変わらない
という事実が出てきたので、みなさんも心がワサワサしているはずですね(苦笑)
問題になっているのはWELQというサイトで、DeNAが運営しています。
やっていたことは簡単に言えば、やっすい金額で素人ライターに大量に駄文を書かせ投入。しかし、SEO対策だけはきっちりやっていてキーワードやら構成には指導が入り、そのせいで
駄文やら間違っている情報が大量に検索の上のほうに出てくる問題
を引き起こした、というもの。
WELQはそもそも健康やら、医療に関係する情報を扱うサイトだったので、よけいに
命に関わるわ!
ということが大問題になっているのです。
WELQ問題のツボは
DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/welq-03?utm_term=.eoALwoLQD#.vpAz3wzqbの記事やら、
WELQ元ライターが告発した1文字1円以下の実態
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8340の記事あたりを参考にするとよくわかります。
こういうのを見ていると、安い金額で労働者(この場合は素人100円ライター)をこきつかいながら、物量のパワーで支配力を増そうとするネットビジネスの
なんというか、うさんくささであったり、詐欺性
みたいなものがじわじわと染み出してくるので、しんどくなりますね。
ヨシイエは、いちおう物書きのはしくれ(というか切れ端くらい)ですが、やっぱり
粗製濫造されたテキストが本来の良質なコンテンツを駆逐してゆく
のは、つらいなあ、と思います。
その昔、つまらんゲームばかりが登場して衰退したというコンピュータゲーム界の戒めである
ATARIショック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
というものがありましたが、そういうことがネット上でも起きてくるのではないか、と危惧しているわけです。
もちろん、それらの元凶となっているのは、ネット界隈では当たり前になっている
PV至上主義
なんですが、「良い文章でも駄文でも関係ない、とりあえずクリックさせれば勝ち!」という風潮を、
プロだからこそ
変えていかないと、ネットビジネスはどんどん詐欺化してゆくのは必定だと言えるでしょう。
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じゃあ、ヨシイエはそうした詐欺性とは関わらずに、クリーンにネットビジネスができているのか?と問われれば、正直よくわかりません。
ネットでもリアルな店舗でも「コンテンツや商品を知ってもらわなくてはならない」ということは正義正論ですから、
ネットのどこかに、自分や自社のコンテンツや商品の情報をばらまく
ことはせざるを得ないわけです。
ここに、まず詐欺性がなく、クリーンな広報活動であることが求められますが、じゃあ、仮に
ツイッターで一回だけつぶやくのは善かつ正義
で
ツイッターでおなじ情報やら商品を複数回つぶやくのは詐欺的(いやらしい)
のかどうか、と問われれば、これはめっちゃ難しい問題だと思います。
また、この記事のタイトルにしている「儲かる」という語句も、本来は儲かるかどうかなんてわからないから詐欺的で煽ってると言われれば、そうだとも思います。
とすると、合法なことはともかく、情報商材などで見られる「よくわからないけど、倫理的にスレスレ」なことは、悪だとは断ずることができないわけで、そこがこの界隈にからむ人間として悩ましいところなんだと思います。
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もし、ネットビジネスの倫理憲章みたいなものを作るとしたら、そこにはどんな項目が立てられるでしょう。
できるだけ、詐欺性や悪意のある誤謬を排除するための憲章にしたいなあ、と希望的観測で述べるならば、ですが。
<ネットビジネスの3大倫理憲章>
■ 利益には、再現性があること
■ コストには、正当性があること
■ 反復には、純粋性があること
ちょっと哲学的で、理想論に寄ってますが、僕はこのあたりをベースにしたいし、してほしいなあ、と思っています。
少し解説をするなら、こういうことです。
1)
ネットビジネスでは「誰にでもできる」とか「簡単にできる」とか、そういう言葉で人を煽りがちですが、実際には「ごく限られた人にしか不可能」である商売が多かったりします。
そこを誠実に説明していないのは倫理違反ではないかと考えます。
なので、利益を産む行為は、やはり再現性(ちゃんと成り立つこと)がベースにないと倫理的ではない、と考えるわけです。
2)
今回の問題もそうですが、安いコストでライターを募集し、コンテンツを粗製濫造することは、倫理的に問題があると言えるでしょう。
なので、専門性のあるコンテンツであれば、相当の対価を払って責務に耐えられるライターにかかせる必要があるでしょうし、逆にどうでもいいコンテンツだったとしても、嘘やいつわりをそこらへんの人材に書かせて「お遊びです」で逃げるのも倫理的ではないと考えるわけです。
まあ、このあたりは常識的に考えるところの「ちゃんとやるし、ちゃんとお金もかける」という普遍的な話なんですが。
3)
「こうすれば儲かるよ」と言いながら、実はそれに乗ってくるカモの数が増えることによって成立するネットサロン系ビジネスのあやしさは、実は「看板と中身がちょっとずれてきている」ことが問題でもあるし、「看板そのものだけでは、反復性に難がある」というところだと思います。
なので、反復できる理論が、純粋にその商材やらコンテンツに付随しておらず、ズレていたり意図的な誤解をさせるようなしくみが存在しているのであれば、それは倫理的に「純粋ではない」ので問題があると言えるかもしれません。
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これらの憲章に、もし付け加えられるような内容があったら、みんなで考えてみるのもよいと思います。
ヨシイエは、個人的にはいくつかのネットがらみのビジネスをしていますが、今のところこの3憲章には違反していないと思います。
私が考えた『絶対に儲かるビジネス』は、再現性があるので、誰にも言わないようにしているし(したら、真似されてしまう)、コストと利益もある程度きちんと設定しています。
ただ、反復は純粋なのですが、「そういうサービスがあるんだ」ということを知っている人を増やすには、やっぱり広告めいたことが必要になる、というのは実感しています。
看板だけ設置しておいて、誰かが見てくれるのをじっと待っている、のは高潔だけれども、それでは食べていけない、という事実も一方で現存します。
渇しても盗泉の水は飲まず!
といいたいところですが、せめて泉を探しにゆく努力はしたいものだなあ、と思います。
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