2016年12月7日水曜日
ライター業の終焉 〜ライターという仕事、肩書きが無力化される!〜
ついに、他メディアも含めて、全面凍結の勢いになりつつある「キュレーションメディア問題」ですが、ネットメディアのあり方がどうあるべきかとか、著作権と引用の話とか、モラルとか、そういうのをぜんぶすっ飛ばして
ライター業界が終わった!
ということを感じずにはいられない今日この頃です。
それを痛感したのは、女子SPAさんのこんな記事
DeNAだけじゃない、300円でパクリ・嘘記事を書く”ブラック内職”の実情
https://joshi-spa.jp/628011
からです。
ここでも、記事募集の実態が暴露されていて
■ コピペでよい、は当たり前
■ 架空記事でもよい
■ もはや妄想でもOK
みたいな無茶苦茶な実態が挙げられているわけです。
そしてなおかつ、それらの駄文記事が、1文字1円以下の低報酬で調達されていることが、「ブラックである」と指摘されているわけですが、問題はここからです。
じゃあ、今回のような事実が明かになったからといって、ネットメディアにおけるライター報酬が上がるか?
と言われれば、おそらくそういう方向にはいかないだろう、ということが想像できるのではないでしょうか?
そうならないことが良いのですが、実際にこれから起きてくるのは、
「低予算、低報酬で、できる限り信頼性のある良質な記事を書くように」
という命令が生まれてくるだけで、 「高収入で責任ある文章」がライターに課せられるのではない、と考えるのです。
なぜ、そう思うのか。
もし、高品質かつ高収入な文章がライターとの間でやりとりされるとすれば、その書き手は、品質を担保できる人間でないといけない、ということになります。
となると、仮に吉家孝太郎というライターがいて、この人物が品質を担保できるかどうかは誰にも判断できないことに、わりと早い段階で気づきます。
そうすると、品質の確かな、たとえば医療記事であれば「医師、吉田浩一郎」さんが書き手であれば、その内容が担保されうるだろうと推定できます。
ここで生じるのは、一人のライターが不要になり、一人の有資格者が文章を書くことになるという動きだと思うのです。
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このことが示すのは、ライターという肩書きの無力化に他なりません。ライターという肩書きだけでは文章の品質を担保できないので、
「研究者が書いています」
「従事者が書いています」
「専門家が書いています」
というスタイルにせざるを得ないのです。(そこにゴーストを介在させたとしても)
こうした肩書きなしではライター業が成り立たないとすれば、プロのライターであっても、生きていくのが厳しくなるのは必至でしょう。
もちろん、今回のパクリメディアで利用された、兼業主婦ライターとか、クラウドネットライターなどがお払い箱になるのは言うまでもありません。
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しかし、現実には、上の仮説のように「責任ある高コスト文章」ばかり調達するのは不可能ですから、数の上では通常のライターにかかせた文章も調達する必要があります。
すると何が起きるのか。
答えは簡単です。 低価格のままで、「責任ある文章を書けよ」という圧力に他なりません。
クラウドソーシングでライターをやっている人の中には、それでご飯を食べようとしている人もいますから、完全にお払い箱になるよりは
それでも、従わざるを得ない
人は多いことでしょう。
まあ、こういうのはネットライターに限らず、下請け構造ならどこも同じなので、これからは胴元ビジネス側としては
「私たちはいっさい指示はしていません。誤りを犯したとすれば末端が勝手にやったことです」
という構造に持っていきたいと考えるのは、これまた自然なことだと思います。
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このように全体像を考えていくと、どちらに転んでも
ライター業の終焉
を感じざるをえない、ということになります。
それより何より、低レベルの記事であれば、すでにAIでも書けるし、それが実際にネットに流れているのでは?という指摘を山本一郎さんがしているのも恐ろしいです。
DeNA「サイト炎上」MERY、iemoの原罪とカラクリ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20161202-00065073/
さあ、ほんとうにライターは終わった!のかどうか。ここから先はあなたの目で確かめてくださいね。
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