前回は、資本と利息の関係になぞらえながら、あなたという「労働資本」と稼ぎだした「おぜぜ」の話を考えてみました。
自分がもし奴隷だったとしたら、自分にどれだけの価値があって、どれだけのものを生み出すか、という視点はとても重要で、 この考え方に生理的拒否感(自分を奴隷に例えるなんて!)を覚える人は、たぶんお金持ちになることはないでしょう(^^;;
なぜ、こうした考え方がポイントになるかと言うと、サラリーマン労働者として生きるにしても、経営者として生きるにしても
「自分がどれだけの人的資本に換算できるのか」
は基本中の基本だからです。
あなたがもしサラリーマンであれば、あなたが稼ぎ出す利息創出能力より、あなたに支払っている給料が多ければリストラの対象になります。
また、あなたがもし経営者であるのなら、あなたが稼ぎ出す利息創出能力が一般的サラリーマンの給与より低いのであれば、起業しなかったほうが幸せだったか、あるいは父親の会社なんて早いうちにたたむか再構築しておいたほうがよかった、ということになるわけです。
”あなたはあなた自身にいくらの値段をつけますか?”
この考え方を忘れなければ、下流老人になることはありません。
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さて、ここからが真髄です。
今回、テーマを「不労所得」としたのは意味があります。
自分にいくらの価値があるのか、ということは概念としてはわかりますが、具体的にはよくわかりません。
奴隷を一人購入するとしても、「じゃあ、彼は実際に何ができるのか」ということが本当のポイントになるわけです。
農作業ができるのか、家事ができるのか。高度な専門技術があるのかどうか。
そういう観点に変換すると以下の公式が成り立ちます。
<あなたの人的資源の価値を示す公式1>
あなたという人間の価値=あなたが持つ(生み出す)コンテンツ・能力の価値の集合体
掃除ができる。家事ができる。農作業ができる。専門的仕事ができる。こうした一つ一つの仕事の内容、つまりコンテンツの集合体が奴隷の価値になりますから、仕事におけるあなたの金銭的価値というのは、最終的にはあなたが持っていたり、生み出したりするコンテンツ・能力の総積算ということになるわけです。
たとえば、あなたが交通整理のアルバイトをするとしましょう。そこでは、あなたの「旗振り能力」だけが貨幣に換算されて給料が出ます。
テレアポでもいいです。そこではあなたの「テレアポ能力」だけが貨幣に換算されて給料が出ます。
今度は、総合職の正社員だとします。そこでは「交渉能力」「企画能力」「接待能力」「嘘つく力」「ごまかす力」「上司にへつらう力」などなど、多数のコンテンツの集合体がお金に変わっているというわけです。
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さて、今回の肝である「不労所得」についてです。
上の公式で、あなたが仕事をする際の「能力」と「コンテンツ」という言葉を併記したのにはわけがあります。
仕事を遂行することやその力と「コンテンツ(中身)」がどうリンクするのかピンとこなかった方も多いと思いますが、たとえば、ある仕事を遂行する際の注意点やポイント、その流れを文書でパッケージング化すると、それはすなわちコンテンツになる、ということを意味しています。
たとえば、あなたがある会社の倉庫番だったとして、その会社にとってもっとも効率のよい出入庫作業のやり方を知っているとします。
そのノウハウは、文書化されていないコンテンツです。
もし、文書化できればその会社にとって価値のあるマニュアルになるし、文書化しなくてもあなたがそれを実行している限り、あなたは会社にとって価値のある人間、でいられるわけです。
<あなたの人的資源の価値を示す公式2>
パッケージング化されたコンテンツ=あなたが持つ・生み出す能力の価値の集合体
2つめの公式を挙げましたが、これが示しているのは、
「あなたという人間の生き様は、文書化・具体化されていないコンテンツであるが、それを文書化したり、具体化したりすれば、パッケージとしてまとまったコンテンツになる」
ということです。
熟練工の手の動きを、プログラムとして汲み取って再現すれば、そのロボットは最高の動きをしてくれることはご存知のとおりです。これも、人間の能力のコンピュータ形式での具現化に当たります。
このプログラムに価値があることは、誰にでもすぐわかりますね?
もっともっと、平たく言い換えましょう。さっきからしきりに「文書化」という言葉を挙げていますが、わかりやすく「書籍にして売り出す」としたらどうでしょう。
世の中には、溢れるほどビジネス書やノウハウ本が売られていますが、それらはすべて誰かの人間の能力や作業コンテンツを文書化してお金に変えているものに当たります。
そうです!働いて収入を得ることと、働かないでその内容を文書化してそこから収入を得ることは、実は内容としては同一なのです。
働く、労働するということは、そのコンテンツを何度も自分で再現して工程を実現することですが、文書化するのはたった一度きりでよいわけです。そして、今度は多くの人にそれが読まれることで、何度も再現され工程が実現される、というわけです。
このことに気づくと、ビビビッとくるはずです。
老後を迎えるに当たって、「今までしていた仕事の技術を生かして何かをする」というのは、自分のコンテンツを再現して工程をのちのちまで実現することです。
老後を迎えるに当たって、「今まで自分で得た経験を元に、そのノウハウを文書化する」というのは、コンテンツの再現を他人に委ねることで、結果として複数回の工程を実現することなのです。
ここまでが、概論!
では、実際にどのようにすれば、あなたの持つコンテンツを文書化し、また現金化できるのかご説明したいと思います。
「いくらノウハウを持っていても、出版社が興味を持ってくれないよ」と思われる方も多いと思います。
それでも全然問題ありません!出版社なんて不要です。そもそも出版不況で、書籍業界に頼ることそのものが時代遅れなのですから。
さあ、もうちょっと詳しい内容は、次回に書くことにしましょう。こうご期待!
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