2015年8月23日日曜日

【ヨシイエ的『超』経済理論 その2】 ビジネスマンのための勝利の方程式!

 前回は、人が経済生活を送る上で、有意義な暮らしのために必要な公式についてお話しましたが、今回は、その裏をかいて、


 商業主義におけるビジネスパーソンが知っておくべき、裏の解の公式


について語ってみようと思います。


 前回が消費者としての目線だとするならば、今回は売り手・経営者側の目線でお届けしようといううわけです。


 なので、当然、本質的な部分は前回と共通しますが、意外や意外!わたしたちは、そんな当たり前のことも知らずに、なんと踊らされていることか!ということに気付くことになるでしょう。



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 それではいきなりですが、公式に突入しましょう。


 <ビジネスマンのための勝利の公式1>


 消費者は必ず経済的に誤った判断をする



 そうです。私たち売り手に対して、消費者というのは必ず間違った判断をします。経済学的には、合理的でない選択をする、のです。



 商業社会において、この誤り、間違いが存在するからこそ、資本主義経済は成立していると言ってよいかもしれません。



 それくらい、この公式は大事です。テストに出ますから覚えておきましょう。


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 消費者が必ず経済的に誤った判断をする、とは一体全体どういうことなのでしょうか?


 この言葉の意味は、表面をなぞるだけでは見えてきません。


 たとえば、ある奥さんがスーパーで買い物をする場面を思い起こしてみてください。



「今日の晩御飯は何にしようかしら。お肉を買って、野菜を買って、牛乳と卵を買って・・・それから、あら、このマヨネーズは安いわね。こどものおやつも買わなくちゃ」



 なんて言いながら、つぎつぎに商品をカゴに入れているわけです。このかごに入れられた商品の選択が


「正しいのか、間違っているのか」


について、あなたは考えたことがあるでしょうか?

 

 ・・・おそらく、今の今まで、誰もそんな見方でスーパーの食料品を見てはいないと思います。



「今日、それを食べたい、食べようと思っているのであればそれは正解なのではないか」と考える人もいるでしょう。


「多少無理して高価な食材を買ったのだとしたら、間違いを含むかもしれませんね」と考える人もいるでしょう。


 そして、大半の人は「食べ物を選ぶのに、正解も間違いもないのではないか」と思うはずです。


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 ところが、今度は電化製品を買う場面を思い起こしてください。AとBという二つのエアコンがあったとして、最低でも


「値段はAとBとでどう違うかな」「性能はどちらが上でどちらが下かな」「一時間当たりの消費電力の差はどうかな」


といろんな要素を考えると思います。そして、最終的に


「値段と性能を比較してお徳なのはどちらかな」


と考えるはずですね。



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 さて、もう一度スーパーへ戻りましょう。電化製品の時にはあれだけ性能と値段について血眼になって考えたのに、


「チーズフォンデュにするのとカレーにするのと、総摂取カロリーはどちらが多くて、総摂取栄養素の品数が多いのはどちらかな」


なんてちっとも考えないことに気付くはずです。


 おなじ5000円払うのであれば、せめて摂取カロリーの総量と、必要な栄養素の品目の積算数くらいは考えてもいいのに、



すべての主婦はそんなことは一切考えない



のです。


 
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 最も合理的で、経済学的に正解なのは、「払った値段に対して、家族が摂取できるカロリー数が多く、栄養素数が多いこと」に他なりません。


 しかし、すべての家庭では「今日はカレーのキ・ブ・ン」とか「暑いからスルッとそうめん」とか、そういう


情緒的な感覚・キブンで物事が決定されている


わけです。ここがすでに合理性からは大きく乖離しているのです。



 ちなみに、電化製品の場合でも同じです。いくら性能比を考えて見比べて悩んだところで、多少消費電力に差があろうがなかろうが、



「財布から出した金額が少ないほうが勝ち」



という前回の大法則からすれば、買い換える時点で経済的・合理的には誤りです。



 つぶれるまで待て!



ということが合理的正解だったりするわけです。



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 では、商品を売る側からすれば、消費者はかならず「合理的な正解にたどり着かない」わけですから、合理的な説明に腐心する必要はないということになります。


どうせ合理的ではないのですから、そこは「非合理でOK」ということになります。


非合理的で、

情緒的で、

気分で、

なんとなくで、

イメージで



商品の魅力を伝えれば、みんな勝手に誤解して買ってくれる、というわけですね。



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 そこで公式の変化球を投入しましょう。


<ビジネスマンのための勝利の公式1’>


 商品には、情緒的で非論理的な物語をつけろ!



 じゃじゃーん。これがビジネスの鉄則なのです。






「おいしい!京都産きゅうり!」


「リコピンたっぷり!まるごとトマト!」


「暑い夏も快適な新型コンプレッサ搭載!夏モデル!涼ヶ峰!」


「ライバルに差をつける、高級1万円スーツ」






・・・こんなPOPが山ほど溢れていますが、よく考えたら全て非合理的で意味不明です。


 兵庫産きゅうりだっておいしいだろうし、そもそもトマトはリコピンたっぷりです。隣の棚のトマトだって、リコピンたっぷりのはずだし、新型コンプレッサ搭載でいくら値上げしているのか正式に書けよ、と思います。

 1万円のスーツが高級かどうかなんて、もはや完全にアホレベルですが、”普及品スーツがなんと1万円”と書いてあっても誰も買わないことは自明です。




 しかし、それでも、主婦はトマトときゅうりに手を伸ばしてしまうし、夏になるとエアコンが売れるし、できれば高級そうな1万円スーツを選ぶのです。



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 ビジネス系の記事なんかを見ていると、売れている営業マンは商品を売るのではなく、「自分という存在を売り込むのだ」みたいなことがやたら書かれていますが、まさにその通りで、


「顧客は、合理的に性能比がコストに見合う商品を買うのではなく、あなたという情緒的でソウルフルな営業マンから商品を買うのだ」


ということを一刻も早く知るべきです。



 オメガとセイコーのどちらが高性能かということは、議論するに値しません。


 そこにオメガという情緒と、セイコーという情緒のどちらがあるのか、に顧客はお金を出すことを、あなたは一刻も早く理解すべきなのです。


なぜなら、顧客はかならず合理的に間違った選択をするからです!!!!バババーン!!




・・・・はあはあはあ。力説おわり。

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