人気ブロガーのちきりんさんが面白い問いかけをなさっているので、ちょびっと乗ってみました。
Chikirinの日記 より
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150129
「あなたが大学で学んだことで、今、いちばん役立っていることは何ですか?」
という問題なのですが、たいていの人は、大学教育や学校教育の純粋な中身とはあまり関係ないところで返答をするそうです。
たとえば、(以下引用)
>大学時代にスポーツクラブやサークル、NPO などの課外活動で学んだとか、
>大学時代にアルバイトで学んだとか、
>大学時代に起業して学んだとか、
>大学時代に海外を放浪して学んだとか、
>大学時代にたくさん本を読んで学んだとか、
・・・たしかに、ほにゃらら大学なんちゃら学部で4年間学んだ内容とは、あまり関係がないような気がします(^^;
だから、ちきりんさんの主張は、「大学に行く価値を再考してみるのもいいよね」ということになるのですが、さて、私個人としてはどうでしょう。
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私は、某大学の文学部、日本文学専攻で学びました。というわけで、前職ではその知識を生かして教育系の仕事をしていたのですが、これは、ちきりんさんの言うところの、
「大学の価値は、実学職業訓練にある」
という部分にあてはまります。
ところが、今の仕事、でいえば全く無関係なジャンルにいるので、この話はあてはまりません。
じゃあ、大学で学んだことは、今の生活に役立っていないか、といえばそうではないです。
私は、文学部、日本文学専攻で得たものすごい力を持っているからです。
もう、ぶっちゃけ、文学部を出てよかった!と思っています。仕事にはなーんの関係もないけれど、生きていることがすばらしい!と思えるからです。
1) 文学研究で得た、情報検索能力
文学研究は、先行論文を探し出して読むところからはじまります。自分より先に誰かがおんなじことを言っていれば、その研究は無意味ですので。
その意味で、必要な情報がどこにあるのか、どうやって探し出せばいいのかは大得意です。ネットも活用できるし、なんなら現地へも飛んでゆきます。
2) 古文書を読む力=古典や歴史に学ぶ力
くずし字や古典の文章、古いものを分析読解できるので、昔の人がどのように考えていたかがわかります。現代人がなぜ混迷しているのかを、過去の歴史と対比することで浮かび上がらせることが可能です。古典の考え方をもち、現代の生活をすることで、さながら悟りを開いた仙境の気持ちのように、日々の生活に向き合えるのです(笑)
3) 網羅的研究によるビッグデータの活用法
私の研究は「関連する部分を全部拾い出す、全部見る」という方法でしたので、関連する情報を全部集めてくるのは大得意です。今でも、大きな視野でものごとを見ることができるので、今の仕事でもかなり役立っています。
4) 教養主義による、生き方へのしっかりとした軸足
大学教育で学んだもっと役立っていること、それは基本的な「教養」です。別にブンガクに限らず、すべての講義授業は、私の教養を深め、私が現代を生き延びる礎を作ってくれています。このややこしい社会の中で、自分を失ったり迷ったり苦しんだりしたときの指針を与えてくれるのは、常に教養なのです。
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そう!というわけで、ワタシ個人の場合は、大学で得たのは「この混迷の日本社会を生きる力そのもの」だといえるでしょう(笑)わはは。
え?あんたの専門はなんだったか?うーん。江戸時代の演劇です。(^^
なんで江戸の演劇を研究すると、「混迷の日本社会に立ち向かえるのか」って?
そこが、教養というやつですよ。大学で学ぶのは、一科目一テーマだけではないのです。そこに至るすべての学問が、実はあなたの生き様に絡んでくるのです!ばばーん。なんて。
まあ、ともかく。個人的には大学教育を受けてよかった!と思っています。なんせワタクシ
科目履修で、その他の大学に潜んだり、その他の大学院に潜んだり、また別の大学にちょっかいをかけて途中でやめたり
してますので、基本的に「この世界について学ぶのが好き」なのでしょう。
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