2014年5月21日水曜日

「PC遠隔操作事件」について思うこと2つ スゲーことをやろうと思うヤツのスゲーことはなぜ犯罪なのか

 世間を騒がせた、そして4人もの冤罪を生んだ「PC遠隔操作事件」が終結したようです。

 僕は、片山被告のことを個人的に全く知らないので、この事件そのものについては何も語るつもりはないのですが、2つほど思った観点があるので、それをちらりと。



<1>スゲーことをやろうと思うヤツの「スゲーこと」ってなんで犯罪なのか。

 なんでなんでしょうね。

 秋葉原連続殺傷事件しかり、このPC遠隔操作事件しかり、「スゲーことやろう」と思いついたとある人物がいたり、あるいは「世間をあっと言わせてやろう」と思いついた人物がまずいるわけです。

 で、彼らはたしかに「大きな何か」コトを起こすのですが、なぜそこで「犯罪」をやるはめになるのか。

 一般的な感想として特に今回の事件についてなどは


「それだけの知識と腕があるのなら、他のことに生かせばよかったのに」


と誰もが感じることでしょう。でも、そうはならず、たいていの場合、彼らは犯罪に走るわけです。


 今回のような事件が起こると、「承認欲求」の問題であったり、「中二病」の問題であったり、「自己顕示欲」の問題であったり、いろんな議論が巻き起こるのですが、そうした議論や研究がいくら積み重なっても


こういう犯罪を犯す人は、やっぱり出てくる


わけで、「スゲー犯罪をやろうとする人を未然に防ぐ方法」はないわけです。


==========

 なんでか。

 それは、実は僕たち全てに「承認欲求」があり、「中二病」の時期があり、「自己顕示欲」が備わっていて、それらをちゃんと持っているわけで、そして幸いなことに、


 僕たちは、それらを日々の生活でうまく結果に結び付けている


から犯罪を起こそうとは思わないのです。

 評価されたいから仕事を頑張る。

 目立ちたいから一生懸命やる。

 他の人と差をつけたいから、取引先にだって頭を下げる。

 給料アップのために、おべっかを使う。

 髪型をゆるふわにする。

 グッチのバッグを買ってみる。

 ロレックスをはめてみる。


 ・・・なんでもやってます。いいね、が欲しかったり、ブログ書きたかったり、女の子にモテたかったり、いろいろします。

 
 そう、全ての人は「中二病で承認欲求にまみれていて、自己を誰かに認めてほしい」のです。当たり前に!

 それを日々の小さな消費生活の中で、ちょっとずつ満足させたり、妥協したりしてにこやかに生きている。

 ところが、そうした生き方ができない「問題がある人」は劇場型犯罪を犯すのです。


スゲーことをやりたい!


と思った瞬間。それが出世やエステやブランドや車や整形やマイホームや、髪型や服装や、小説を応募したり、youtubeに動画をアップしたり出来ない人は、


犯罪傾向をそもそも有している


という問題がある、という仮説はどうでしょう。



 


<2>正義と裁判と弁護士と おそらく世間の大半の人が勘違いしていること。


 今日のお話の2つめは、今回の事件で「すっかり騙された」形になっている弁護士さんのことです。


 結果論として、やっぱり犯人だった片山被告を「無罪だと弁護した弁護士さんは問題がある」という考え方をする人たちが一定数いるようですが、この点についてきちんと書いておきましょう。



 弁護士というものは「依頼人の利益のために最大限働く」ということは当然の話です。なので、片山被告の弁護士について


「弁護士として正当な仕事をしている。あたりまえのことだ」


ときちんと評価している人たちもたくさんいます。僕もそちらに立ちます。



 なぜ、そう言えるのか。


 それにはそもそも「一般の人たちは、大きな誤解をしている」ということをまず挙げたいと思います。


 かつて僕もそうでした。一般のひとたちと全くおなじ感覚でいました。でも、実際は違うのです。


 それは、


「弁護士どころの騒ぎではない。そもそも裁判所自体が、正義の執行機関ではないことを、誰も知らない」


ということが問題なのです。


 何を言っているのか?裁判所が正義に基づいて裁かなければ、善と悪はどうなってしまうのだ!と誰もが思うことでしょう。

 僕だってそう思います。でも実際には少しニュアンスが違うのです。


 一般の会社員として、訴訟・裁判等の実務を数十件経験してきた者だから言えます。そして、法律にかかわる「プロ」ではないからこそ言えることがあるのです。


(もっと言えば、法学部を出て法律について学んだ者なら、「裁判所が正義の執行機関ではない」ことにみんな気付いています)


そこにはどんな恐ろしい事実が潜んでいるのか!


・・・あまりにも長くなるので、次回に続きます。






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