2014年5月13日火曜日

■【新社会人に贈る10の金言 その7】人は目の前で見ていることしか理解できない

 日本の学校というところは、基本的に学生や生徒に優しく、できるだけ励まし、元気づけようとしてくれる傾向にあります。

 ライオンさんではないですが、「突き放したり、突き落として這い上がるのを待つ」ような、ひどい仕打ちはしないようになっています。


 なので、たとえば


「結果よりも経過(プロセス)が大切」


といった言説が、先生や上の人から生徒・学生に向かって投げかけられていることが多いようです。


 ところが、社会人になってこの点は大きく変わってしまう場合があります。そう、よく言われるように

「結果を出すことが重要」


だったりします。つまり、経過や経緯はとりあえずどうでもいい、結果は出せたのか?ということが問われることが多々あります。


 しかし、ここで新社会人のみなさんが間違ってはいけないのは


「じゃあ、経緯はどうでもよくて、結果だけ出せばOKなんだな」


と早合点することです。

 
 経験が乏しく浅はかな時代は、どうしても「結果が大事なのならば、経緯や経過は軽んじても良い」といった極論に走りがちですが、そういうものではなくて、実は



「経緯や結果は、誰にも理解されないながら、陰で積み上げるもの」


だったりするのです。


 言い換えるならば、「結果を出すべきなのは、当たり前なのだが、逆に結果を出そうと思えば、日頃から目に見えないところで経緯を積み重ねないと結果は出ない」というさらに難しい課題があるのだ、ということでしょうか。


 このあたりは、なかなか難しいところです。


 もう少しズバリ言ってしまうならば


「結果が出せないのならば、経緯をいくら説明してもそれは言い訳にしか聞こえない」


ということでしょう。



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 さて、そのことと少し関連してくるのですが、今回のテーマは


「人間というものは、目の前で見えていることしか理解できない」


と掲げました。これは、もちろん結果を出せば、「結果は目に見える」ので、それが誰かにはっきり伝わるのですが、それだけではなく、「経緯・経過」においても


目に見えない経緯や経過は、まったく理解されない


という点を覚えておいてほしいから取り上げたわけです。


 難しいことは言いません。かなりぶっちゃけた話をしますが、あなたがもし100の仕事を済ませなくてはならないとして、

70の仕事を終えて、30の仕事を自宅に持ち帰って処理したとしても誰もわかってくれません。

しかし、

70の仕事を終えて、残業で残り30の仕事に取り組めば、誰もがあなたを評価するでしょう。


 あなたがいくら30の分量を陰で努力しても、誰にも見えないから誰にも理解できないのです。


 これが、日本の会社から無駄な残業がなくならない理由です。その是非はともかくとして、人は物理的にそういう「仕様になっている」のである程度は「そういうもんだ」と思わないといけません。

 そして、あなたが賢い社会人を目指すなら、このことを逆手に取ることができます。


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 ふだん新社会人を凹ませる様なことばかり書いているこの記事ですが、今回は役に立ちます。

 そのアドバイスは

「上司に頼まれた仕事は、まっさきに処理せよ」

というものです。

 上司は、目の前で見ているあなたしか理解できません。陰で努力しているあなたに気付くのは、もっと後です。残念ながら無能な上司だと、いつまでも気付くことはありません。


 だから、「上司に頼まれたこと」は目の前で回答することです。おなじ100の仕事のうち、上司に頼まれた仕事量が10だとすれば、それは先に済ませましょう。


 それだけで、あなたは

「頼まれたことを優先してする有能な人間だ」

「仕事のレスポンスが速い使える人間だ」

「仕事ができる男だ」

と秒速で信頼を勝ち得ることができるのです。


 「いや、私には先にやるべきことがあります」

と思う人もいるでしょう。それは本当に、上司の頼んだ仕事より一刻一秒争う仕事でしょうか。それを優先しないと、何かトラブルが生じるような出来事ですか?

 たしかに、万にひとつくらいは、そういう時もあるでしょう。しかし、おそらく100回に99回は、そちらを後にしてもどうってことはない事例のはずです。


 後回しにして、上司の気付かぬところであなたが処理した仕事は、残念ながら上司は「頼んだことも忘れている」か、もしくは「あいつは仕事がおせえな」とあなたが陰で毒づかれているかのどちらかです。

 あなたに何の利益ももたらしません。



 


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