2021年6月20日日曜日

ドローンの形状(デザイン)4種類と飛行安定性の違いについて

 

 まいどおなじみ、ドローン沼にはまったおっさんです。

 

 いろいろなトイドローンを飛ばしていて、そりゃあ、機種によっていろいろ性能が違うことは当然なのですが、

 

「ドローンの形状、デザイン」

 

による違い、差というのが確かにあることが見えてきましたので、今日はそのお話を。

 

 ネットの記事などでは、市販されている機種ごとのレビューなんかはたくさん転がっているのですが、まあ、大半は、仕様諸元に基づいた当たり障りのない「引用」に止まっていて、本当にその機種の「よしあし」がわかる訳でもなさそうです。

 

 で、実際に複数機種を飛ばしてみると、経験と分析からはっきりわかることがあるので、そこを鋭く突いてみたいと思います。

 

 

========

 


【ドローンの形状分類 4つの形態】


 細かく言えば「機種」で分かれてしまうと思いがちなドローンですが、形状から考えると以下の4つくらいに分類できます。


 それぞれ、性能や特性が異なります。


 ただし、ドローンというのは結局「4つの腕と4つのプロペラで、強制的に機体を持ち上げてグワングワン振り回す」だけのものです。それが大前提!



1) 大名籠(だいみょうかご)型 〜 吊り下げ型 〜


(dji Phantomなど)


 いわずと知れた空撮用ドローンの定番「ファントム」などに用いられているこのデザインは秀逸です。動画などの撮影においては、安定感間違いなしの形状と思います。


 Phantomのコピーはたくさん出ており、「SNAPTAIN SP600/650」や「HolyStone HS110/120」などのトイドローンでも似たような形状のものが入手可能です。

 

 室内などの無風状態で動画を撮影すると、まるでデジタルズームで動かしているかのように、上下、左右のパンができます。つまり、無風であればジンバルなしでも超安定しているということ!

 

 それはすべて、上部で機体を持ち上げ、下部にカメラを置いて重心を下げてくる、というデザインに由来します。大名が乗っている籠(かご)みたいです。

 

 地球に重力がある限り、この形状は理にかなっていると言わざるを得ません。おそるべしdji。デザイナーは優秀だと思います。

 

 とにかく初心者でも左右にブレにくい、という形状特性があり、撮影にはオススメです。

 




2) コウモリ・ムササビ型 〜 標準型 〜

(MJX Bugsなど)


 哺乳類のボディどおり、真ん中に内蔵があつまってお腹が膨らんでおり、そこから軽量の羽根が伸びている、というデザインです。

 正面から見ると薄型で、重心はお腹のところ、つまり中央部にあります。

 基本的に、十字架にプロペラをつけて飛ばせばドローンになるわけですから、標準的な形状と言えます。

 Djiのマビックやそのクローンも、「折りたたみ(フォルダブル)」機能があったりしますが、おなじ分類で良いでしょう。

 

 このタイプは、左右のブレ特性がひどいです。実際に飛ばしてみると、左右にかなりロールします。

 動画を撮ってみると、上下ブレはあまり起きませんが、左右ブレが大きくなる特徴があります。


 上級機種では、オプティカルフローセンサーやGPSをつけて安定性を図りますが、お金とパワーの力技で抑え込んでいることになります。

 

 



3) お神輿型 〜 持ち上げ型 〜

 


(WALKERA FPVドローンなど)

 

 マイクロドローンのレーシングモデルなどが、この形状に寄っていっていますね。神社のお神輿(おみこし)のように、下側のフレームから重量物を持ち上げるスタイルです。

 

 FPVドローンでは、フライトコントローラは、まあ中央に置くにしても「カメラ」と「アンテナ」などを上部に持ってきて、重心が上がります。

 

 安定特性は悪いのですが、モーターパワーで機体を持ち上げ、(そもそも軽量で小さい)重力を無視して機敏に飛び回る用途なので、この形状が適しています。

 

 当然、カメラはブレまくりますが、「美しい映像を記録する」ためにカメラがあるわけではないので、別に問題ありません。遅延なく操縦映像を真っ正面から映してくれればそれでいい、ということです。

  地球の重力に逆らうためにある形状と言えるでしょう。

 (空飛ぶじゅうたんや、金斗雲スタイルですね)

 

 

 

4) ダクテッドファン型 〜 フープ型 〜


(Blade Inductrixなど)

 

 ドローンの形状分類のうち、独自!と言ってよいのがこのデザイン。マイクロドローンの先祖とも言うべきinductrixの形を考えたデザイナーもすごい!思います。

 

 ファントムのデザイナーが秀才だとすれば、このフープ型のデザイナーは天才だと思います。

 

  「吊り下げ」「標準」「持ち上げ」の3つしか、基本的には無いわけですが、このフープ型の形状は、理論的に分類しにくいところがあります。

 

 


 基板は、基本的に中央です。カメラがつく場合は上部にきますが、まあ中央とみなせないこともありません。


 そして、それとバランスを取るように、モータを足に見立てて下げて配置するのです。


 したがって、全体としては、上にカメラを積んだとしても上下のバランスが非常によくなります。


 なおかつ、ある程度幅の広い4つの「ダクテッドファン」でそれらを取りまとめます。この時何が起きているかというと、ダクテッドファンによる強力な整流力で、垂直方向に対する安定性が増しているのです。

 

 ダクテッドファンは「筒」なので、上下・垂直方向にジェットエンジンがついているようなものです。

 

 ハイパワーで、なおかつ、上部と下部のバランスが撮れていて、さらに筒形状で全体が一体化できているという

 

 おそろしく神がかったデザイン(しくみ)

 

をまとっている形状と言えるでしょう。

 

 もともとペラが小さく、空気をかき混ぜて持ち上げる力が小さいマイクロドローンにおいては、この形状が一瞬で流行したのもよくわかります。


(現在のマイクロドローン界は、ダクテッド形状を卒業していますが、その分だけモーターもブラシレスになり、電池も2つ・3つと複数搭載してパワーを上げています。つまり、コスパは悪くなっているとも言えます。)

 

 

 

<まとめ>

 

  飛行安定性は、まちがいなく1がトップ。つぎが4です。

 

「吊り下げ」「ダクテッド」が上位に来て、「標準」と「持ち上げ」が下位です。

 

 しかし、実際の機種では、機体形状に付随して「モーターパワー」や「各種センサー」類などで味付けがなされていますので、形状がすべてではありません。

 

 それでも、初心者がドローンをロストしにくかったり、空撮が楽しく味わえるのは、「吊り下げ」で決まりでしょう。


 また、室内であちこちぶつけながらでも飛ばして楽しいのは、「ダクテッド」ということになります。


 それ以外の形状は、慣れてきてからの購入でも良いと思います。むしろ、後から買って、「こんなに違うんだ!」と驚くことになると断言できます。

 

 

 ご参考まで。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿