2017年6月6日火曜日
<実国学を考える21> まだ東京で絶滅してるの? つづきです!機会の平等か結果の平等か。
前回の記事、
「幸せなる人生というやつが、だいたいわかった件。 ~まだ東京で絶滅してるの?~」
https://kotaro-yoshiie.blogspot.jp/2017/05/blog-post_31.html
は、数多くの方に読んでいただき、また敬愛するニャートさまにもツイッターでご紹介いただいたので、心より感謝申し上げます。
で、これまで
■ 今現存している日本人のうち、3分の2は子孫が絶滅する。
■ これまで、子や孫は増えてゆくものだと思っていたけど、長男が一人代々続くのみ。
■ 都市生活者は、一人身で絶滅してゆくものが多い。
ということを明らかにしてきたわけですが、 元ネタとして引用した森田先生のお話に続きが掲載されていました。
THE PAGE
「7歳までは神のうち」 明治中期、農村で大人になれた子供は10人中7人
https://thepage.jp/detail/20170605-00000003-wordleaf
江戸時代の都市生活者は子孫を残さず死んだ、というショッキングな話のつづきで、今度は農村に目を向けると、たしかに農村では子沢山だったかもしれないけれど、
「だいたい5、6人子供を産んだけど、大人になれたのは2、3人」
という事実が浮かびあがってきたわけですね。
この理由は、もちろん、当時の医療水準が高くなかったからで、幼子も何割か死ぬし、もっと酷いことに、妊娠したお母さんも産中産後に、何割かが死んでいたことがわかります。
では、このことを踏まえて、明治時代のような人口になっているはずの100年後を想像してみましょう。
医療水準は格段に進歩し、食料水準も私がデブになるほど進歩しているわけですが、赤子の生き残り率はどうなっているでしょう。
内閣府のデータでは
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2015/27webgaiyoh/html/gb1_s1-1.html
2000年から最近までの出生数が年間100万人程度だということがわかります。
2016年に100万人を割り込んだので、そのニュースを覚えておられる方も多いかもしれません。
さて、その出生数に対して、人工妊娠中絶の数を拾うと、
平成25年度衛生行政報告例の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/13/dl/gaikyo.pdf
中絶数が、年間20万人程度だということもわかってきます。
(統計に出てない数がもっと多いという説もあります)
日本人の死因のナンバーワンは、ガンでも脳卒中でもなく「中絶」だという問題提起は、最近
沖田×華さんの「透明なゆりかご」
でなされたばかりなので、記憶に新しい方も多いでしょう。
また、これとは別に自然中絶(流産)の件数を拾うと、これまた、
流産数は年間18、19万人くらいという推計もあります。
==========
自然に起きてしまう流産は、江戸時代や明治時代にもあったでしょうからこれをカウントするのはフェアかどうか微妙なので除外するとして、平成に入っての現状をデータとしてみると
120万人が生まれてくる可能性があったとして、生まれる前に殺されているのが20万人なので、
平成時代、日本で大人になれた子供は10人中8人
ということになりますね。ここから、若年死亡者数や、若年自殺者数をひけば
なんだ、明治時代とそれほど変わってないじゃん!
ということが見えてきます。荒っぽい推計けどね。
そうなのです。衛生事情や食料事情が良くなって、コンドームまで発明されているのに、
「大人になれないぼくら」
の数は、ちっとも変わらんのですたい!!!
==========
なので、表題の通りの疑問が浮かびます。
子供を産んで淘汰させるほうがいいのか、最初から産まずに殺すほうがいいのか。
チャンスの平等か、結果の平等か。
生き残れるかわからないけど、産むだけうんで頑張れ。のほうがいいのか。
こんな時代に生まれるくらいなら、生まれないほうが幸せなのか。
==========
都市生活者のみなさんも、田舎暮らしの人も、自分や兄弟の子孫があと何代生き残れるのか。
幸せなら生き残ったほうがよくて、不幸なら死んだほうがいいのか。
絶滅した恐竜と、生き残ったゴキブリのどちらが幸せか。
「シーラカンスとなるとも、三葉虫となるなかれ」なのか。
いろいろ考えてみたらいいと思います。
~~~~~~~~~~
おまけ。絶滅するあなたへの応援歌、書いてみました。高村光太郎さんの「道程」より。
「童貞」
僕の前に道はあった
僕の後ろに道はない。
ああ先祖よ
父よ
僕を生み出してくれた広大な父や先祖よ
僕はあなたから離れ、守ることができない
常なる先人の血筋は僕で途切れた
この疎い童貞のため
この疎い童貞のため
(オリジナル 「道程」)
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿