2024年5月26日日曜日

Chromebook を1年間使ってみてわかったこと メリット・デメリットのすべて!

 

 2023年の春頃にはじめてChromebookをたまたま買って(安かった)、そこから約1年間Chromebookを使ってきての「正直な感想」をまとめてゆきます。


 ついでに「Chromebookとはなんぞや!?」という点についての「答え」みたいなものもわかってきました。


 さて、一番最初に入手したのは


https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2023/06/12800chromebookasuschromebook-flip.html


ASUSの214MAでした。


 その後 ■ASUS CX1100 や ■ASUS C300MA などを追加入手して、もともとシンクライントの ■FUJITSU MP702 や ■Celeron 900 あたりの古い機種 を何台かChromeOS Flex化して使用しています。


 では、感想編。



<1> OSが速い! ChromeOS最速説

 まずなんと言っても特筆すべきはChromeOSの速さです。Chromebookはすべてがメモリベース(HDDが載っていない)のため、起動や動作が速いのはまあ、当たり前なのですが、それよりもOSそのものが速い!ということはあまり知られていません。


 でも、実際に速いのです。これは「超軽量」という意味での「軽い」ということとは少し違いますが、

「メモリが2GB以上搭載されていて、64ビットCPUの場合」

(そこそこ古いマシンでも、クリアできるレベル)

という条件以上であれば、絶対にChromeOSが最速と言えます。


 そんな断言して大丈夫?と思われるかもしれませんが、通常のGUIーOS(つまり、デスクトップ環境があるOS)の中では、PuppyLinuxより確実に速いので、Puppyより速いということは、ほぼ無敵と言えると思います。


 Linux界隈では、(通常のデスクトップ環境を持つ条件で)軽量さと速度でPuppyLinuxは、ほぼ最速ですから、それより速いことは驚きです。

 実証レベルでは、PuppyLinuxとChromeOSでおなじyoutube動画を比較した場合、ChromeOSのほうが2段階くらいは「高い解像度」のほうでもコマ落ちしません。



<2> つまりはChromebookとは ”スマホ” である。

 Chromebookの見た目は「ノートPC」なので、販売の際のコマーシャル的にも、ターゲット的にも「ノートPC」の1ジャンルのような売り方で売られていますし、私達消費者のほうも、「なんかWindowsやMacじゃないほうのノートPC」のような感覚で買っていると思います。


 ところが、Chromebookの設計思想的には、おそらく「ノートPC」だとは思っておらず、むしろ「スマホ」とか「タブレット」にかなり近いです。


 まず、「電池交換ができない=iPhoneと同じ」という点があります。バッテリー一体型で、基本は交換せず、その前に寿命(OSの更新期限)がやってくるようなイメージですね。


 ChromeOSの更新期限も、スマホOSの「OS的寿命」の発想にとても似ています。


 次に「拡張性について、ほとんど考えていない」点もスマホっぽいです。通常のノートPCだと、メモリを増設できたり、昔ならカードを刺せたり、それぞれ機種ごとになんらかの拡張ボードを載せられたり、あるいはHDMI端子がついていたりするわけですが、Chromebookは、

【USB端子・ヘッドホン端子・マイクロSDカード】

しか外部I/Oがありません。


 この割り切りも、スマホと同じ、です。(電話機能はないけれど)


 もっと面白いことに、比較的最新機種のChromebookだと、USB-C端子が2つくらいついていて、そこから充電ができます。逆に昔ながらのACアダプタをつなぐ端子がなく、USB-Cで充電するのです。まさにスマホですね。

(使用が推奨されていませんが、スマホの充電器でChromebookが充電できます。ただし、もともとの容量がかなり違うので「低容量の充電機器につながってるよ!」と警告が出ます。でも、緊急用途ではちゃんと充電できます)



 こうした割り切りで、本体が「めちゃくちゃ軽い」ため、さっと持ち出して、さっと使えます。画面を広げればすぐに電源が立ち上がるので、すぐ仕事ができます。


 また本体の剛性がかなり高くものすごい安心感があります。(通常のノートPCはバッテリーが外せたり、メモリが足せたりするので、いろんなところの蓋が開くようになっているため、剛性が低いのですが、Chromebookはガチガチに一体化しているのでふにゃつきません)



<3> Webベースであれば最高のパートナーだが・・・。

 今、Bloggerに書き込みしているのもChromeOSですが、noteを書いたり、Twitter(X)に書き込んだり、ブラウザベースで何かをしたり、仕事先がウェブベースの場合は、Chromebookだけで十分仕事ができます。

 しかし、デザインのような用途や、既存のソフト/アプリケーションを使う場合は、まったく不向きです。


 ぶっちゃけワード・エクセルレベルの仕事ができません。

 もちろんChromeOSにも「ドキュメント・スライド・スプレッドシート」といった簡易的なオフィスソフトはあるのですが、ほんとうに簡易的な使い方しかできず、「ストレスしかないわ!」という出来栄えです。


 現行のChromebookだと、アンドロイドのアプリが動くので、やや幅広いことができますが、しょせんはスマホレベルのアプリなので、本格的な仕事には不向きかと思います。


 クリエータレベルの仕事は、WindowsやMacを普通に使ったほうがいいです。



<4> タブレットとの相互利用性は ”ない” (笑)

 Chromebookを使うのとタブレットを使うのと、どちらが良いのかということは、よく比較対象になりますが、結論は

「完全に別物」

です(笑)


 ぶっちゃけ、「iPad +キーボード」「FireHD10+キーボード」みたいな運用を何度もしてみました。

 しかし、最初の数回は「なんとなく楽しい」ものの、すぐに面倒くさくなってしまいます。


 たしかにタブレットは軽量で、外付けキーボードと一緒に運用すれば、持ち運びなどもよさそうですが、

「タブレットの電源を入れ、キーボードとペアリングして、タブレットの角度を調整する」

という作業がもう、めんどくさい。

「Chromebookの画面を開ける」

だけですぐ動くのと、比べてみると、想像するだけでもわかると思います。


 そして、タブレットの場合は、位置指定のときに、毎回指を画面に持っていかなくてはいけませんが、Chromebookであれば、トラックパッドがついているので、タッチタイピングのまま、指を移動させる必要がありません。


 なので、まずは「Chromebook」に軍配が上がります。


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 さて、今度はChromebook側のお話。新しい機種だと「タッチパネルになっている」のと「2カメラがついている」など、Chromebook側がタブレットに近寄っている仕様になっていることが多いのですが、これは

「簡易的にタブレットのように使える気持ちになれる

くらいのメリットしかありません(笑)


 Chromebookでタッチパネルを使うのは、「アンドロイドアプリを入れて動かすとき、タッチパネルでしか動作しないので仕方なく」使う場合くらいです。


 ChromeBookでアウトカメラを使うのは、「ほかに写すものがないとき、仕方なく」使う場合くらいです。

 嘘だと思ったら、Chromebookを両手で持ち上げて、カメラのように構えてください。1回目くらいはワクワクしますが、二度と使いたくないと思います(笑)

 断然、カメラとしてはスマホで撮り、転送もしくは自動リンクでChromebookに送ったほうがよい写真が取れるはずです(笑)

(アンドロイドのスマホの場合は、Chromebookとアカウントがリンクできるので、スマホで撮った写真がクラウドに上がれば、同時にChromebook側で見られる)


 まあ、この話の結論は「タブレットとChromebookは、それぞれ別々に用途に合わせて使いましょう」ということになりますね。


 ヨシイエ的なおすすめは「スマホ+Chromebook」です。タブレットは動画視聴用くらいにしか使わなくてOK。



<5> おまけ Linuxを使わなくなる(涙)

 仕事もしくはコアな趣味のなかで、「UNIX」を使わないといけない、という人は、脳みそと手がLinuxコマンドに馴染んでいるので、Linuxを使いがちですが、Chromebookに慣れてしまうと

「Linuxを使う動機が無くなる」

というおまけがもれなくついてきます(笑)


 まあ、そもそもLinuxマニアの半分は「インストールマニア」なので、永遠に気になるディストリビューションや新しいディストリビューションをインストール輪廻するだけなのですが、普段使いにLinuxだった人はChromebookにすると、いままでのLinuxが不要です。


 ぶっちゃけChromeOSもLinuxなので、ターミナルも使えるし、Linuxとさよならしたわけではないのですね。


 ただ、私の場合は「ちょっと古いマシンでもキビキビ動いてくれる」「とりあえず最新ブラウザが動けば困らない」という運用だったので、Chrombookがまさにその代替となって、便利なわけです。


 繰り返しになりますが「古いPC向けに最速だったPuppylinuxより、ChromeOS flexのほうが速い」というおそろしいオチが待っていたので、いままでPuppyを入れていた機種にも、半分くらいはChromeOS flexを入れてしまいました(笑)


 残っているのはCeleron900番台とかnonPAEのような「あまりにも古い機種」ばかりです。

(そのあたりでの最速は、PuppyLinuxです)



 長々と書きましたが、ご参考になさってください。


 あと、小学生のこどもがいる場合、学校で使っているのがChromebookであることが多いので、一緒に盛り上がれます いえい!







 

 

 


2024年5月23日木曜日

【完全版】古いChromebookに ChromeOS Flex を入れる(備忘録)

 


 以前に紹介したASUS Chromebook C300 ですが


https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2023/07/asuschromebookc300ma.html


 中古で買った時からすでに「Chromebookの更新期限切れ」だったのは御愛嬌。


 それでもなんとか普段遣いしていたのですが、いよいよしんどくなってきました。


 さすがにChromeのバージョンが76で止まっていると、ウェブサイトの中にはきちんと表示できないものが現れはじめます。


 常用しているサイトで、挙動が怪しくなってきたので、重い腰を上げて

「古いChromebookに ChromeOS flex を入れる」

という魔改造(笑)を施すことになりました。


 今回はもちろん ASUS C300 に入れてみます。


■ ASUS Chromebook C300MA

 Celeron  N2830 2.16GHz / 13.3インチ 1366×768 /4G /eMMC16GB


 最近の売れ筋クロームブックは、11.6インチモデルが多いので、13インチという2回り大きいサイズは重宝します。(老眼)

 15.6インチのフルサイズノートはでかすぎるし、13インチは意外と穴場で使いやすいです(^^


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<古いChromebookの改造方法>


1) プロテクトが掛かっていて、別のOSをそのままでは入れられないので、プロテクトを外す。

 なにかとお世話になるページ

https://mrchromebox.tech/


↑ここにモデル名一覧があるので、(Supported Devicesの欄)一番右側のライトプロテクトの方法を確認する。


ASUS C300は

Asus Chromebook C300 QUAWKS EOL screw

と書かれている。


機種名 ボード名 ファームウエアタイプのRW_LEGACY ( legacy / SeaBIOS ) については対応終了

Full ROM ( UEFI / edk2 )だったらOK。いけるよ! ライトプロテクトはスクリューネジ


という意味。つまり

→ASUS C300はネジを外せばプロテクトが外せて、フルロムという方法で書き換えよう!

と書いてあるわけ。


 C300の場合、ネジですが、実際のネジ位置については参考ページあります。

https://chromesoku.com/rw-filesystem-on-chromebook/



2) インストールUSBを用意する。

 ChromeOS flexを今回は入れようと思うので、そのためのUSBメディアを用意しておきます。もちろん、この段階でLinuxを入れたければ、そのUSBメディアを用意します。


正規のインストール手順↓

https://support.google.com/chromeosflex/answer/11552529?hl=ja


 8GB以上のUSBディスクが必要なことが書かれています。また、PCの機種は「認定モデル」であればすんなり入りますが、そうでない場合でもたいてい入ります。

 ただし、C300等いくつかのモデルで「インストール後音が出ない」症状が確認されています。Linuxでも音が出ないことが多いのですが、強引にドライバを当てて解決する猛者もいます。

 C300で音を出すには、あとで「Bluetoothのスピーカーをつなぐ」だけでOKなので、少々不便ですが我慢して遂行します。


 USBドライブを作るときに、注意事項あります。

  1. [リストからモデルを選択] をクリックします。
  2. [メーカーを選択] で、[Google ChromeOS Flex] を探してクリックします。
  3. [製品を選択] で、[ChromeOS Flex] を探してクリックします。

↑このとき、元のモデルは関係ありません。C300を選べたりしますが、元の機種は関係なく、ChromeOS flex を選んでメディアを作ります。

(元の機種を選ぶと、たとえばC300のリカバリメディアができてしまう)



3)元の機種のバックアップ(データのみ)を取っておく

 OSについては全部消えるので、自分の個人データだけ救い出しておいてください。

 次の段階で中身が全部消えます。



4)デベロッパーモードでChromebookを起動する。

 個人的には、ここがけっこう鬼門でした。

 Chromebookにはデベロッパーモードがついていて、

https://support.hp.com/jp-ja/document/c01766908

https://chromesoku.com/chromebook-devmode/

あたりを参考にします。


■ ESC+更新(F3)+電源

■ Ctrl+d


の使い方がポイントです。

 それから、

『内臓バッテリーを抜いてACアダプタだけで動かしていると、ESC+更新+電源 が効かない』という謎ポイントもあります。

『デベロッパーモードに移行する準備段階を繰り返す』という変な挙動をするときもあります。


 この2点はハマりました。古いChromebookでバッテリーが死んでいるので外していたのですが、もう一度つけておかないとESC+更新+電源が効かず、ただ電源が切れまくります。

 また、移行中を何度も繰り返したので、うまくいくか心配でしたが、そのうちなぜか移行できました。Ctrl+dを何度押したかわかりません(笑)


 完全にデベロッパーモードに切り替わるのに5分以上かかりました。なんで?左上に時間表示が出て、減ってゆきます。



5)再起動されたら普通に初期設定して、いつものようにログインする

 再起動すると、普通に新品状態のようになります。Wifiの設定やらを済ませて、いつも通りログインしてください。

 ゲストモードだとうまくいかない場合があります。



6)MrChromebox.tech のスクリプトを利用する。

 Firmware Utility Script の欄にコピペできるようにスクリプトのコマンドが書かれているので、それを利用します。

 ターミナルの起動方法は

 Ctrl+Alt+T です。


ターミナルが起動しただけでは、コマンドを受け付けてくれないので、


「shell」と打ち込んでリターンを押しておきます。


するとコピペしたものが動くようになります。


* Ctrl+V では貼り付けできず、Ctrl+Shift+V で張り付きます。



7)スクリプトのメニューが出たら 2のフルロムを選ぶ

 古いOSを残しながらの設定もできるそうですが、どうせ古いので、フルロムを選択して、まっさらにします。

 注意事項が3回出てきます。

 ■ 全部消えるよ Y

 ■ 戻れないよ Y

 ■ バックアップする? N


 ここからダウンロードとインストールが始まりますが、古い機種はけっこう時間がかかる場合があります。



8) インストールが完了したら、メニューに戻るので R を押してリブート

  成功していると、ウサギみたいなロゴが出て、そのあとBIOSっぽい画面になります。




この段階で、「起動順序が選べるBIOS」みたいになっているので、USBから起動を選択すればOK。

 もちろん、すでに作っておいたChromeOS flex のUSBを刺します。

(ここでLinuxをインストールするUSBを刺したい人はどうぞ。)


 あとは、通常通りインストールするだけ。


 いくつか「え?これ大丈夫?このまま待つの?」とか、「え?うまくいかない?」というトラップ箇所があるので、慌てず上の記事をもう一度参考にしてください。



■ インストールメディアUSBを正しく作る

■ デベロッパーモードにちゃんと入る

■ デベロッパーモードに入って再起動できる

■ スクリプトがちゃんと動く

■ BIOSみたいな画面にちゃんと入れる


くらいの段階をワンステップずつ踏んでいってくださいね。



9)音が出ないので、ブルートゥースのスピーカーをつなぐ

 Linuxを入れた場合、ドライバを手動で当てれば音が出る、みたいな話はパラパラとネットに転がっていますが、ChromeOS flex の場合は、ただインストールしただけでは音が出ません。

 どうもサウンド周りをそもそも認識していないので、アナログのヘッドホン端子もダメです。

 使えるのはBluetoothのスピーカーやヘッドホンだけなので、とりあえずは外付けですがそれらの機器を用意してペアリングします。

 Bluetoothスピーカーはダイソーとかでも500円くらいから売っていますので、とくに困らないと思います。