2025年の2月を持って、あのSONYが
「Blu-ray Discメディア(BD)、録音用ミニディスク(MD)、記録用MDデータ、ミニDVカセットの生産を終了する!」
と発表したので、さあ大変。かつて撮りためたminiDVカセットのビデオ映像とか、どうしようかしら?と慌てだしたおじさんたちがたくさんいることでしょう。(わたしもその一人)
ぶっちゃけこのニュースについては「MDとDVについては20年以上前の規格なので、まあわかるけど、ブルーレイディスクもおしまいなの?!」と驚きを隠せないのですが、DVDが長く生き残ったのに対して、ブルーレイは、どうも短期間で滅びてしまうようです。
これからハイビジョン映像の保管はどうしたらいいのやら?とは思いますが、どうも時代は「個人所有」から「アマプラやネトフリなどの配信」へと移行してしまったようですね。
さて、問題はminiDVです。私はその昔映像屋まがいの活動をしていた時期があるので、DVカセットをやたらたくさん持っていて、それをなんとか違う形でアーカイブしておかねばなりません。
実はミニDV関係の機器は、すでに軒並み「修理受付期間」も終了しており、
■ 手持ちのminiDV機器を保管する
■ ヤフオクなどで稼働品のminiDV機器(ビデオカメラ等)を買ってくる
くらいしか方法がありません。それぞれ現存するものが故障すればおしまいです。
実はminiDVどころか、いわゆる昔のVHSビデオに関しても、すでに再生機器は製造終了(2016年ごろ)、テープも終了になって久しいので、
「2025年問題」
としても話題になっているようですね。
こちらの2025年は「機器」の話ではなく、テープそのものが劣化して、いよいよダメになるということのようです。
というわけで、VHSにせよ、miniDVにせよ、なんとか別の形で保存したい!という人向けに、今回は「完全版」としてそのノウハウをお届けしましょう!
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1 <2025年までの保存ノウハウ>
と、その前に、すこしだけ「これまでの期間は、どのようにデータ移行がなされていたか?」というお話をしておきます。基本はVHSでもS-VHSでもminiDVでも同じなのですが、これらは「SD画質(720×480px)」と言われる旧来のテレビの規格に合わせられていましたので、
”どの機器からでもMPEG-2でキャプチャしてDVD化してしまう”
というのがここ10年くらいのセオリーでした。現行品ではもう売っていませんが、ヤフオクなどではこの時代の「MPEG−2キャプチャ機器」がまだ残っています。
MPEG−2というのは、DVDに格納されている映像データとほぼ同じなため、これまではVHSなどから「黄・赤・白端子+S端子」でキャプチャ機器とつなぎ、さらにパソコンと繋いでDVDとしてDVD-Rを焼くのが王道だったわけです。
このスタイルで、過去のデータを移行して残したおじさんたちも、たくさんおられると思います。
とはいえ、この頃はDVD機器がふつうに現役でしたから、テープメディアからDVDにしておけば、それで安心だったのですね。
ところが、DVD機器が意外としぶとく生き残っているものの、いつかはブルーレイのように、機器やメディアが製造終了になってしまうおそれもあります。
なので、考えておくべきは
■ 民生用の完パケメディアではなく、生データに近いかたちで残しておくこと
ということになるかもしれません。完パケメディアというのは、ざっくりと言えば「CD」そのものとか「DVDビデオ」そのものの形です。それらは完全にパッケージとしてまとめられていて、CD再生機器やDVD再生機器にそのまま挿入すれば、聴いたり見たりできたわけです。
ところが、CDもDVDも生き残ってはいますが、最終的には「民生用機器でそのまま再生できるメディア」ではなく、「生データ」のほうで残しておくほうが、今後の未来は取り回しが効くと思われます。つまり
WAV形式やMP3、MPEG2やMP4形式でデータとして保管する
という発想です。これだと、CD再生機器やDVD再生機器が滅んでも、パソコンでもスマホでも、なんでもどこかで再生できる可能性があるからです。
MPEG−2は、現行のハイビジョンTV放送でも用いられている形式なので、これまでの保存方法としては、それほど間違いではありません。もちろん、映像のほうもWAVのような非圧縮のデータがいちばん綺麗なのですが、いまはテレビ放送でも圧縮がかかっているので、そこまで非圧縮にこだわるのは現実的ではないと思います。データ量がものすごいことになるからです。
(miniDVのSD画質データ量は60分で13GBにもなります。)
2 <これからの保存ノウハウ>
ではこれからの家庭用ビデオなどの「残し方」はどうするべきなのか?
まずカセットテープなどの音声単体については、「WAV・AIFFもしくはMP3/WMVなどで残す」ということになるでしょう。
これらについては中国製の安価なカセットプレーヤ型機器(USBでデータ化できる)などが売られているので、それほど難しくないと思います。
また、性能の低い2世代、3世代前のPCでも、十分取り込んで圧縮変換なども可能なので、悩みは少ないと思います。
問題は動画のほうです。
■ miniDV時代は全盛だったIEEE1394(i.LINK・DV端子)は2025年にはまったく役に立たない!
ことをまず理解しておきましょう。DV時代にはデジタルでほぼ無劣化でデータ移行ができたので、IEEE1394は重宝しました。ビデオカメラからPCに取り込んでノンリニア編集をしたり、自分で好きな映画まがいのものを作ったりできたのは、この規格のおかげでしたが、現在はまったく役に立ちません。
ただ、DV端子があればPCに取り込んで60分12GBにもなるDVテープの生データを取り込める、というただそれだけです(笑)。このDV端子は、USBにも変換できないし、さきほどのMPEG-2に変換できるような機器にもほとんど搭載されておらず、ただDVデータ同士のコピーにしか使えないのです。
そこで、
■ 現在標準的なフォーマットはMP4(圧縮あり)なので、それで取り込む
というのが、これからの保存方法になります。
圧縮ありにはなってしまいますが、MPEG-2時代より、画質や効率化が進んだ「MP4」形式で取り込んでデータ化する、というのが、(将来こそわかりませんが、)今の段階での教科書どおり、ということになると思います。
このやり方にはいくつか方法があるのですが、
■ IEEE1394のことは忘れる
■ S端子が使えれば、それが一番画質がよい
■ あとは黄・赤・白の映像端子で「キャプチャ」機器と接続する
■ ハードウエアでMP4にエンコードする機器と、PCにつないでCPUパワーでエンコードする機器がある
という感じです。一般には「ビデオキャプチャ」という販売名や販売ジャンルで売られている製品群がありますが、
■ ハードウエアでエンコードして、SDカードやUSBメモリなどにMP4ファイルとして書き込んでくれる機械
と
■ 機能はただのケーブルで、映像端子からUSBに変換入力して、ソフト上でMP4ファイルに変換するセット
の二種類が主流です。
パワーのあるPCを所有していれば、後者でも構いませんが(安い=数千円くらい)、ソフトウエアで変換するパワーの足りないPCしか持っていない場合は、前者がおすすめ(2〜3万円前後)です。
ちなみに、前者のハードウエアエンコード機器にも、いくつか特徴があって
■ モニタを内蔵しているもの
■ モニタがなく、HDMIでモニタに接続する必要があるもの
■ 黄・赤・白の映像端子とS端子を持っているもの
■ 黄・赤・白の映像端子しかついていないもの
■ HDMIのHD画質のものと兼用で、SD画質もHD画質も取り込めるもの
などに分かれています。
miniDVビデオカメラの場合は、SD画質しかないので、HD兼用の機器が必要ないかもしれませんが、
■ HD(ハイビジョン・1440×1080px)への移行期間に登場したminiDVテープ(と同様のもの)を使ってHD信号を記録するビデオカメラ=HDV
■ HDDや内蔵メモリにHD画質を記録するカメラ
などの場合は、HDMI端子を使ってHD信号をやりとりすることになるので、HD兼用、もしくはHD対応・専用のキャプチャ機器を使うことになると思います。
さあ、それでは後編では、ヤフオクなどでの中古機材購入の注意点や、具体的なキャプチャ機器の特徴などを解説してゆきます!
(つづく)
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