2025年3月6日木曜日

【完全版】 miniDVがいよいよ生産終了! 撮りためたビデオの保存はどうする?スペシャル! <前編>




  2025年の2月を持って、あのSONYが


「Blu-ray Discメディア(BD)、録音用ミニディスク(MD)、記録用MDデータ、ミニDVカセットの生産を終了する!」


と発表したので、さあ大変。かつて撮りためたminiDVカセットのビデオ映像とか、どうしようかしら?と慌てだしたおじさんたちがたくさんいることでしょう。(わたしもその一人)


 ぶっちゃけこのニュースについては「MDとDVについては20年以上前の規格なので、まあわかるけど、ブルーレイディスクもおしまいなの?!」と驚きを隠せないのですが、DVDが長く生き残ったのに対して、ブルーレイは、どうも短期間で滅びてしまうようです。

 これからハイビジョン映像の保管はどうしたらいいのやら?とは思いますが、どうも時代は「個人所有」から「アマプラやネトフリなどの配信」へと移行してしまったようですね。


 さて、問題はminiDVです。私はその昔映像屋まがいの活動をしていた時期があるので、DVカセットをやたらたくさん持っていて、それをなんとか違う形でアーカイブしておかねばなりません。

 実はミニDV関係の機器は、すでに軒並み「修理受付期間」も終了しており、


■ 手持ちのminiDV機器を保管する

■ ヤフオクなどで稼働品のminiDV機器(ビデオカメラ等)を買ってくる


くらいしか方法がありません。それぞれ現存するものが故障すればおしまいです。


 実はminiDVどころか、いわゆる昔のVHSビデオに関しても、すでに再生機器は製造終了(2016年ごろ)、テープも終了になって久しいので、

「2025年問題」

としても話題になっているようですね。

 こちらの2025年は「機器」の話ではなく、テープそのものが劣化して、いよいよダメになるということのようです。


 というわけで、VHSにせよ、miniDVにせよ、なんとか別の形で保存したい!という人向けに、今回は「完全版」としてそのノウハウをお届けしましょう!


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1 <2025年までの保存ノウハウ>


 と、その前に、すこしだけ「これまでの期間は、どのようにデータ移行がなされていたか?」というお話をしておきます。基本はVHSでもS-VHSでもminiDVでも同じなのですが、これらは「SD画質(720×480px)」と言われる旧来のテレビの規格に合わせられていましたので、


 ”どの機器からでもMPEG-2でキャプチャしてDVD化してしまう”


というのがここ10年くらいのセオリーでした。現行品ではもう売っていませんが、ヤフオクなどではこの時代の「MPEG−2キャプチャ機器」がまだ残っています。


 MPEG−2というのは、DVDに格納されている映像データとほぼ同じなため、これまではVHSなどから「黄・赤・白端子+S端子」でキャプチャ機器とつなぎ、さらにパソコンと繋いでDVDとしてDVD-Rを焼くのが王道だったわけです。


 このスタイルで、過去のデータを移行して残したおじさんたちも、たくさんおられると思います。

 とはいえ、この頃はDVD機器がふつうに現役でしたから、テープメディアからDVDにしておけば、それで安心だったのですね。

 ところが、DVD機器が意外としぶとく生き残っているものの、いつかはブルーレイのように、機器やメディアが製造終了になってしまうおそれもあります。


 なので、考えておくべきは


■ 民生用の完パケメディアではなく、生データに近いかたちで残しておくこと


ということになるかもしれません。完パケメディアというのは、ざっくりと言えば「CD」そのものとか「DVDビデオ」そのものの形です。それらは完全にパッケージとしてまとめられていて、CD再生機器やDVD再生機器にそのまま挿入すれば、聴いたり見たりできたわけです。


 ところが、CDもDVDも生き残ってはいますが、最終的には「民生用機器でそのまま再生できるメディア」ではなく、「生データ」のほうで残しておくほうが、今後の未来は取り回しが効くと思われます。つまり


 WAV形式やMP3、MPEG2やMP4形式でデータとして保管する


という発想です。これだと、CD再生機器やDVD再生機器が滅んでも、パソコンでもスマホでも、なんでもどこかで再生できる可能性があるからです。


 MPEG−2は、現行のハイビジョンTV放送でも用いられている形式なので、これまでの保存方法としては、それほど間違いではありません。もちろん、映像のほうもWAVのような非圧縮のデータがいちばん綺麗なのですが、いまはテレビ放送でも圧縮がかかっているので、そこまで非圧縮にこだわるのは現実的ではないと思います。データ量がものすごいことになるからです。

(miniDVのSD画質データ量は60分で13GBにもなります。)



2 <これからの保存ノウハウ>

 

 ではこれからの家庭用ビデオなどの「残し方」はどうするべきなのか? 

 まずカセットテープなどの音声単体については、「WAV・AIFFもしくはMP3/WMVなどで残す」ということになるでしょう。 

 これらについては中国製の安価なカセットプレーヤ型機器(USBでデータ化できる)などが売られているので、それほど難しくないと思います。

 また、性能の低い2世代、3世代前のPCでも、十分取り込んで圧縮変換なども可能なので、悩みは少ないと思います。


 問題は動画のほうです。


■ miniDV時代は全盛だったIEEE1394(i.LINK・DV端子)は2025年にはまったく役に立たない!


ことをまず理解しておきましょう。DV時代にはデジタルでほぼ無劣化でデータ移行ができたので、IEEE1394は重宝しました。ビデオカメラからPCに取り込んでノンリニア編集をしたり、自分で好きな映画まがいのものを作ったりできたのは、この規格のおかげでしたが、現在はまったく役に立ちません。


 ただ、DV端子があればPCに取り込んで60分12GBにもなるDVテープの生データを取り込める、というただそれだけです(笑)。このDV端子は、USBにも変換できないし、さきほどのMPEG-2に変換できるような機器にもほとんど搭載されておらず、ただDVデータ同士のコピーにしか使えないのです。


そこで、


 ■ 現在標準的なフォーマットはMP4(圧縮あり)なので、それで取り込む


というのが、これからの保存方法になります。


 圧縮ありにはなってしまいますが、MPEG-2時代より、画質や効率化が進んだ「MP4」形式で取り込んでデータ化する、というのが、(将来こそわかりませんが、)今の段階での教科書どおり、ということになると思います。


 このやり方にはいくつか方法があるのですが、


■ IEEE1394のことは忘れる

■ S端子が使えれば、それが一番画質がよい

■ あとは黄・赤・白の映像端子で「キャプチャ」機器と接続する

■ ハードウエアでMP4にエンコードする機器と、PCにつないでCPUパワーでエンコードする機器がある


という感じです。一般には「ビデオキャプチャ」という販売名や販売ジャンルで売られている製品群がありますが、


■ ハードウエアでエンコードして、SDカードやUSBメモリなどにMP4ファイルとして書き込んでくれる機械

■ 機能はただのケーブルで、映像端子からUSBに変換入力して、ソフト上でMP4ファイルに変換するセット

の二種類が主流です。


 パワーのあるPCを所有していれば、後者でも構いませんが(安い=数千円くらい)、ソフトウエアで変換するパワーの足りないPCしか持っていない場合は、前者がおすすめ(2〜3万円前後)です。


 ちなみに、前者のハードウエアエンコード機器にも、いくつか特徴があって


■ モニタを内蔵しているもの

■ モニタがなく、HDMIでモニタに接続する必要があるもの

■ 黄・赤・白の映像端子とS端子を持っているもの

■ 黄・赤・白の映像端子しかついていないもの

■ HDMIのHD画質のものと兼用で、SD画質もHD画質も取り込めるもの


などに分かれています。


 miniDVビデオカメラの場合は、SD画質しかないので、HD兼用の機器が必要ないかもしれませんが、


■ HD(ハイビジョン・1440×1080px)への移行期間に登場したminiDVテープ(と同様のもの)を使ってHD信号を記録するビデオカメラ=HDV

■ HDDや内蔵メモリにHD画質を記録するカメラ


などの場合は、HDMI端子を使ってHD信号をやりとりすることになるので、HD兼用、もしくはHD対応・専用のキャプチャ機器を使うことになると思います。


 さあ、それでは後編では、ヤフオクなどでの中古機材購入の注意点や、具体的なキャプチャ機器の特徴などを解説してゆきます!


(つづく)












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