2018年10月19日金曜日
【資本主義をハックする 12】 もし消費税がなかったら、あなたの給料は2倍になる
消費税が10%に上がる、ということがどうやら決まってゆくようで、もともと消費税なんてなかった時代から生きている40代のおっさんとしては感慨深いものがあります。
まあ、簡単に言えば、それだけ「政府が国民に対して行政サービスを行う費用がかかるようになった」ということなんでしょう。そして、その元手が、所得税とかでは足りない、と。
よくよく考えれば、所得税で「お金を手に入れたら分け前をよこせ」と税金を取り上げ、消費税で「お金を手放したら分け前をよこせ」というわけですから、二重課税もいいとこで、考え方によっては
ヤクザのショバ代よりもヒドイ
所業ではありますが、それが資本主義現代社会における世界各国のわりとリベラルな合意形成だというのですから、仕方がありません。
さて、それはともかくこういうセカイ、こういう時代に生きているのですから、逃れられはしないのですが、それにしても
10%もの税金を取られる
とはどういうことか、しっかり理解しておいてもいいところです。
吉家さんは、しがない中小企業の管理職をしていますが、ふだん売上の伝票を見ていて、たとえば商品を売る、自社で配送するので運賃をもらう、という風に伝票を書いていって、
「うわあ、うちがもらっている運賃より、今回は消費税のほうが多いのか」
とかゲンナリすることが多々あります。
商品そのものはメーカーが作っているので、利益は上乗せ分だけだとしましょう。しかし、運賃をもらっているということは、その分自分達が汗水たらしているわけで、
われらが労働より、税としてもっていかれる方が多いというのは、なんだかなあ!
と思うことは、とくにやぶさかではありますまい(←ことばの使い方がおかしいのはやるせないからです)
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消費税8%というのは、実は、「あなたの1ヶ月分の給料」を持っていかれること
に相当するのは、おわかりでしょうか?
つい「え?12%だったらじゃないの?」とか思う人は、完全に錯覚です。
年間所得が200万円だとして、その1か月分の給料は、
200÷12= 16.6万円
ですね。
200万円の8%は16万円
です。
なので、今度消費税が10%に上がると、「1ヶ月の給料以上がまるまる持っていかれる」ことになるのです。
もちろん、莫大な貯金ができる人は、この限りではありませんが、収入=支出に近い人ほどそうなるのです。
あなたは1ヶ月間、政府のために(あるいはどこかの老人のために)タダ働きをしている
ということでもあるでしょう。
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以前にした話の繰り返しにもなりますが、私の会社は卸しをしているので、商品の利ざやのみで生きている会社です。
ということは、
商品の20%ぐらいの利益の中から、会社経費と給料をぜんぶ賄っている
ということなんですね。
(参照)
あなたの給料を2倍にする秘策を教えよう
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/06/blog-post_13.html
そして、その20%の利益の半分の10%が会社にかかるお金で、半分の10%が給料になる原資だとすれば、
消費税10%分がなければ、そのまま全部給料に乗せても問題ない
のですから、消費税がなければ給料は2倍にできるわけです。
さあ、みなさんは給料が2倍の世界で暮らすのと、今の政府のもとで暮らすのとどっちがいいか、ということでもあります。
かなりざっくりですが。(苦笑)
2018年10月11日木曜日
【資本主義をハックする 11】 あなたの給料が増えない理由
毎度おなじみ吹けば飛ぶような中小企業に勤める取締役が、この資本主義の荒波をなんとか越えてやろうともがいたりあがいたりする、「資本主義をハックする」のコーナーです。
このシリーズで一番アクセスがあるのが、「あなたの給料を2倍にしよう!」と頑張ってみた↓の回なのですが、その関連で、今回は「なぜ給料は実際に増えないのか」について語ります。
あなたの給料を2倍にするための秘策を教えよう!
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/06/blog-post_13.html
実際には、私を含めて我々サラリーマンは、会社から給料をただ貰うだけの社畜なのですが、なぜ社畜の給料が増えないのか、についてまじめに考えたいと思います。
今日の教科書はダイヤモンドオンラインさんの記事から。
日経平均「バブル後最高値」でも我々が恩恵を全く実感できない理由
https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2018/06/blog-post_13.htmlこの記事はタイトルは普通なのですが、書いてあることはなかなかすごいことが示されています。
詳しいことは記事を見てほしいのですが、めちゃくちゃかいつまんで書くと、
■ バブルの前と後で、ボクたちワタシたち従業員というものの本質が大きく転換した
ということが書かれているのです。
今も昔も、企業というものは利益を上げながらこの世知辛い世の中を邁進しておるわけですが、バブルまでは
「売上至上主義」
であった、というところがポイントです。
売上市場主義とは
「どんなことしても売上が上がったらええんじゃい!」
「金や金や!金もってこんかい!」
「飲ませて食わせて、抱かせて大物物件をとったれ!」
と、下品に言えばそういうことです。
ということは、つまり、従業員たるものは、その売上をとってくる、お金を持ってくる人たち(エージェント)であった、ということにもなります。
なおかつ、そのお金の持って来る方法については、「売上が高くなるのなら、ええい!小さいことは気にしないぜ、わかちこ!」ということだったわけですね。
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ところが、現在の企業の主眼は、もはや売上至上主義ではありません。実態として人口減、少子高齢化が進み、
「右肩上がりから右肩下がりの経済社会」
がやってくる中で、「売上が昨日より上がる、なんてことは物理的にない」ということに賢い人たちは気付いているのです。
そうすると、総パイが減少する中で、企業が利益を上げるということの意味は、ボクたちワタシたちのような庶貧民には気付きにくいことですが、
「売上などから経費を引いて、その残った利益がナンボあるか」
という前提に対して、
「その残った利益を増やすのだ!」
というものすごいミッションが生まれているということなのです。
記事の著者さんは「利益至上主義」と書いていますが、この中身は考えようによってはすさまじいことを言っています。
つまり、売上から経費を引いて、その残りを「増やす」ことに命をかけているということです。
同じことですが、何回でも言います。
「売上から経費を引いた残りが増えるにはどうしたいいか」
これは、
「経費を削る以外に、方法はない」
(しぼってしぼって搾り取れ)
のですね。
で、この数式における従業員は、バブル以前までは「どんなことをしても許されるエージェント」だったのに対して、現在では
「経費」
以外の何者でもないのです。
従業員は単なる経費になってしまったから、「給与は低いほうが望ましい」のですね。
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こうして会社が成長しても従業員が成長しないモデルが出来上がったというわけです。
大企業の内部留保がたくさんあるのに、従業員に還元されないのはこういう理由です。
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さて、問題はここからで、これまでのお話で終わってしまえば「従業員は可哀想だね、ちゃんちゃん」でしかありません。
この連載は「資本主義をハック」することが目的ですから、私達はこの状況をハッキングしなくてはならないわけです。
となると、資本主義の本質がおのずと見えてきます。
■ 従業員が単なるコストであるのだとすれば、利益が還元される相手は誰なのか?
■ 会社や企業とひとくちに言っているが、その正体は何か?
ということです。
ここで、不肖なるワタクシ吉家さんが、単なる従業員ではなく取締役役員であることにも関係してきます。
吉家さんは、従業員かつ役員です。
となると「会社」というものの正体は「ワタシ」なのか、それとも別の「誰か」なのか、よくよく見極める必要があります。
会社にとっては、ワタシはコストに過ぎません。役員報酬、従業員給与は低いに越したことはないのですから。
では、利益の享受者である「会社」の正体とはいったい誰なのでしょう。
それは、結論から言えば「株主」に相違ありません。
庶貧民のみなさんは「社長がどうせ儲けているんだろ」と勘違いしがちですが、そうではないのです。
最終的に利益還元祭(byじゃぱねっと)で、還元される対象は、社長ではなく、株主なのです。
もっとも、中小企業の場合は、会社の全株を所有しているのは社長ですから、そこを捉えて「社長が儲けている」と考えるのは自由ですが、ここは資本主義ハッカーとしては
「そうか!ではボクたちワタシたちは、従業員から株主になれば、この資本主義社会をハッキングできるんだ」
と気付くべきなのですね。
利益は、株主に還元される
これは今回の名言です。
従業員はコストであるが、株主はコストではなく、リターンそのものである
とも言えるでしょう。これがハッキングのヒントです。
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資本主義,
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