2014年8月10日日曜日

家のことを真面目に考える 台風をなめるな

 ようやく、関西地方は台風11号が去り、落ち着きを取り戻してきました。

 とはいえ、豪雨による冠水や地すべりなど、各地に大きな被害を残した台風です。まだまだ予断を許さない状況です。

 
 さて、今回我が家は完全に台風の通り道になっており、ここ数年では久しぶりに暴風をモロに受けました。

(幸い被害らしいものはありませんでした)


 ちなみに我が家は築20年を過ぎていますが、ある意味ではバブリーなりし頃の贅沢な作りになっているので、多少良い面があります。


 どういうことか?


 昨今はローコスト住宅も増えていますので、ご自宅をお考えの方はよく読んでくださいね。



<1> 最近の新築は傘をかぶっていない。

 ふだん、みなさんが傘を差す姿をイメージしてください。傘が広がっていて、中心にいるあなたはそのおかげで濡れません。

 これを住宅で言えば「軒が出ている」とかそういう言い方をするのですが、一般的なおうちは、まるで傘のように屋根が家本体から飛び出していることになります。

  この軒の出具合!なんと

 ◇ お寺だと約2メートルくらい外に出ている。

 ◇ 旧家だと約1メートルくらい外に出ている。

 ◇ バブル頃は70センチから80センチくらい外に出ている。

 ◇ 今の新築は0センチから45センチくらい外に出ている。

 となっています。

 建築関係にいる人間は、みな知っていることなんですが、上記のように家の傘が外に飛び出して雨風をしのいでいるので、建物が長持ちするわけです。


 ところが、最近の新築は、「全く出ていない」家もあります。出ていても45センチくらいで、これは屋根面積を減らすことができるので、家の値段を下げることができる


 一般人に気づかれにくい裏ワザ


なんですね。

 じゃあ、傘がまったく出ていない家はどうなってるのかというと。防水がしっかりしてある、ということになります。

 つまり、生身にスウェットスーツを着ている状態です。

  防水してあるから、中に水は入らないという理屈です。

 ところが新築のうちはいいですが、10年20年経つうちに、いろんな防水箇所がどうなるか、は素人でもわかりますね。

 でも、それは秘密です。10年持てば、瑕疵担保責任はありませんので、業者は責務を逃れることができます。




<2> 最近の新築は二階に雨戸がない。

 さて、今回の台風。強い風でいろんなものが飛んできたと思いますが、ここ数年で家を建てた方はどうなさいましたか?

 実は、近年の新築、それもローコスト住宅は2階の雨戸を最初からつけないことで価格を下げています。


 これは、ぱっと見ではわかりません。

 防犯のことがあるので、1階の雨戸(もしくはシャッター)をつけていないのはよほどの最低ランク住宅でしょうが、2階は絶対気づきません


 入居して、台風がくるぞ!となってはじめて


「あ、うちの家二階には雨戸がついてないんや!」


と気づくことになります。

 これがバブリーな時代の住宅だと、屋根の傘は広いし、二階にもしっかり雨戸がついているし、そこらへんは抜かりがないのです。


 というわけで、昨今のローコスト新築にお住まいの方は、二階の窓に何か飛んできたらアウトです。

 これもわざわざ売主、建て主は「あえて説明しません」


「地震に強い家ですよ!」


ということはPRしますが


「台風に強い家ですよ!」


なんて誰も言わないのです。


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 というわけで、1000年に一度やってくる地震も重要ですが、毎年何回もやってくる台風にも、意識を持ってください。


 台風をなめてはいけません!










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